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スコット・ジュレクのヴィーガンレシピを再現!〜ヴィーガン食から学んだこと
2015年11月4日

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BROOKSクラブ会員限定イベント 
“スコット・ジュレク ”EAT & RUN” ナイト”

ウルトラランニングの世界で長きに渡って帝王と称されるランナーにして、ヴィーガン(完全菜食主義者)でもあるスコット・ジュレクが来日。2012年に出版された著書『EAT & RUN』(NHK出版)でも、半生を綴りながらヴィーガン食にも触れている。その著書に掲載されている”スコットレシピ”を再現したイベントが、ヴィーガン料理を扱う新感覚カフェ「ULTRA LUNCH”GO SLOW”」(東京都世田谷区)で開かれた。「ULTRA LUNCH”GO SLOW”」のシェフ、ドミンゴはスコットのライフスタイルに影響されて、100マイルレースを走るヴィーガンとなり、このカフェをオープンしたというヒストリーを持っている。

ブルックスクラブ会員限定のイベントでありながらも、定員の2倍以上の応募があり、その中から抽選で選ばれた幸運者たちに囲まれながら、スコットのレシピをドミンゴが再現し、一緒に”食”を囲むこのユニークな試みの中で、スコット・ジュレクは何を語りかけたのか?

「僭越ながら……今回、スコットのレシピを再現するにあたって、僕とスコットの考え方って似ている気がしているんです」
自身もヴィーガンであり、100マイルを走った経験を持つドミンゴは「それで栄養は足りるの?」と周囲から常に言われてきた言葉を反芻しながらイベントの口火を切った。何が似ているのか、それは、栄養・食材についての考え方、つまり栄養組成(スペック)を重視するのではなく、たくさんの食材を摂ることを大切にしているのではないか? という点だった。

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「レースなど、走っている間は、いつ、どのタイミングで、何を、何グラム摂るか、は確かに重要です。でも、普段の食事では、そんなのに厳しくやらずに楽しんで食べることを重視しています」(スコット)
1回のテーブルに数値を持ち込まないようにしているというスコット。1度の食事よりも1日をトータルで考え、バランス良く食べることが大事だと言う。「たくさんの食材を摂ること=長い目で見ると結果的にバランス良くなる」というドミンゴの言葉に静かに頷いていた。

1999年からヴィーガンに取り組んだスコットも、それ以前は、週に何度もマクドナルドに通い、炭水化物のことばかり考えていたという。食生活を一新させたきっかけは、競技者としてではなく、健康を理由に始めたようだ。1年半もの時間を掛けてヴィーガンに移行したことで、実際に何が変わったのか?

「アスリートとしては、回復が早くなった気がします。フィジカルの回復もそうですが、ストレスからのリカバリー、怪我からの治癒も早くなった。競技者としての一貫性を作り上げることができたし、40歳を超えても若さを感じます。肌も同年代に比べたらキレイでしょ?(笑)。でもね、徐々にね、すぐにではないです。長く活動するには続けることも重要です」

しかし、アスリートとしての側面以上に、スコットにもドミンゴにも共通した変化があった。
「ランニングのスタイルとして、トレーニング方法が変わりました。一つのことにこだわり過ぎずにいろいろな方法を取り入れてみようとね。ヴィーガンになって人生の見方も変わったんです。多様な考え、価値観を受け入れられるようになった。それが一番かもですね」(スコット)

「僕はヴィーガンに移行しようとした時と、100マイルにチャレンジしようと決めた時が重なるんですが、変わったのはGPSウォッチをしなくなったことですね。月間走行距離とか、キロ何分とか、そういう数字にも捉われなくなりました。解放されたというか、僕も細かいことに捉われなくなりましたね」(ドミンゴ)

くしくも、ヴィーガンを実践することで二人ともライフスタイルに大きな影響を及ぼしたのだ。しかし、動物性のものを一切断つことは、日々の生活に大きな制限を設けることになる。巷には動物性食材が溢れ、レストランのチョイス一つをとっても、ヴィーガンはハードルが高すぎる。二人はいかにして克服したのか?

「工夫です。限られた中でどうしたら良いのか工夫を凝らすことです。実際にヴィーガンという制限ある世界に移行して、逆に視野が広がりました。食のバリエーションが増えましたし、料理することも覚えました。ヴィーガンに出会って、多様な考え方を発見したと言いますか、日本食やメキシカンだったり、いろんな国の食べ物に出会って、新しいことだらけです。我が家の献立がとても多国籍になりました」(スコット)

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「僕の場合、スコットによって人生を変えられてしまったので、既に成功モデルがありました。迷いはなかったですね。夜中のラーメンをやめたり、間食をやめたり、しっかり3食取ることを心掛けたり、身近なできることから始めました。料理も旅行も昔から好きでしたし、新しい食材を試したりすることに抵抗がなかったのも続けられた理由かもしれません」(ドミンゴ)

“自由度が増すと逆にクリエイティビティは下がり、制限された環境下の方がアイデアは生まれる” そんな格言めいた言葉を実践した結果、スコットもドミンゴも世界が広がっていった。ヴィーガンは、卵、乳製品も使わない。そのため市販品に頼ることはできず、調味料やブイヨンなども自分で作らなければならない。確かに手間がかかる。特にトップアスリートでもあるスコットを支えたのは根気だろうか? そこにはスコット・ジュレクという一人の人間性が存在していた。

「とにかく、結果を求めて焦らないことです。時間をかけてゆっくり取り組むことですね。僕もヴィーガンに移行するのに1年半かかったわけですし、失敗もあります。失敗を恐れず、学びながらチャレンジすることが大切です」
スコットの場合、長いキャリアで培った準備と経験があるが、そうではない未経験な私たちが新しいことにチャレンジするとき、失敗を恐れず、失敗したっていいじゃないかという心構えで取り組むことが大切だと彼は説く。

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このイベントでのエピソードを一つ。参加者からレース中の補給のことを質問されたスコットは、具体的な数字や成分を披露した。
・補給は、20〜30分毎(決めたスケジュールを守る)
・「(体重×0.7)×0.001g」を目安に炭水化物を摂取する(1時間毎)70kg×0.7=(49kg)×0.001(g計算)=49g
・200mg〜300mgの塩分を取る(1時間毎)
・ハードなトレーニング(200km/週)をする時は、1日5,000kcal摂取する(でも、食のメニューはあまり変えない)
・リカバリー時は、ビタミンCやオメガ3などをいつもより多く摂取する

口ぶりは、緻密な研究者のようであり、真理を求める哲学者の顔も覗かせ、何事も追求せずにはいられない性格なのだろう。別の言い方をすると「凝り性」なのだ。数々の栄光を掴んできた”帝王”である前に、”完全菜食主義者”という世間のレッテルの前に、スコットは一人の探求者である。まだ見ぬ自分の可能性を、限界を設定せず、常に新しい自分を探し求める貪欲な好奇心が彼を支えている。

「クロスカントリーをしていた時代は(競技としての)細かい数値ばかりを見ていました。でも、ウルトラランニングを知って、細かいことを気にしなくなったんです(笑)。遠い先の100kmとか先のことは考えられないでしょ? 身近なゴール(スモールゴール)を設定して、個人的なゴールと楽しんで走ること、このバランスを取ることが重要だと気がついたんです」

かつて、ランニングの世界においてカーボローディングは絶対的な存在だった。今や、ファットローディングという考え方があり、グルテンフリーを実践しているランナーもいる。旧石器時代の食事法を再現した「パレオダイエット」があり、低炭水化物食を推奨する本もある。そして、スコットはヴィーガンだ。これまで信じて疑わなかった考えを揺さぶられた時、真逆ともとれる新しい考えを時には柔軟に受け入れ、実践してみることを彼は伝えたかったのかもしれない。

ヴィーガンと聞くとストイックな生き方を想像してしまう。しかし、スコットは自由と多様性を手に入れた。スコットにとってウルトラランニングはチャレンジだったという。ヴィーガンも同様にチャレンジだった。今回の来日で、銀杏と湯葉を知ったようだが「新たな食材と出会った」と嬉しそうな笑みを浮かべ「人生は冒険」と結んでいた。
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●MENU

スコットのレシピ(『EAT & RUN』より) space ドミンゴのレシピ
・ミネソタ風ウインターチリ ・ハーティチリ
・ウエスタンステーツチーズスプレッド ・スモーキーマウンテンチーズ
・ミネソタ風マッシュポテト ・コンソメじゃないスープ
・ホーリーモーリーワカモレ
・チョコレートあずきバー

 

さて、この日の献立は、『EAT & RUN』に掲載されたスコットのレシピを再現したものとULTRA LUNCHオリジナルレシピの2本立て。同じヴィーガン食で比較ができたメニューとしてチーズとチリを挙げよう。

「僕が作るチーズは豆腐と酵母が主材料になっていて、味噌を効かせています。ドミンゴのチーズよりパンチが効いているかもしれない」(スコット)
「びっくりしたのは、主材料が全く同じだったことです。確かに、僕のチーズはスコットのと比べるとマイルドで、スモーキーに仕上げています」(ドミンゴ)

「ドミンゴのチリは、肉っぽいですね。コンテストに出しても入賞するかもしれないね。それだけオリジナリティ高いと思いました。僕のは野菜の味が前面に出ている。お互いに野菜しか使っていないのに違いがあって面白い」(スコット)
「1999年から実践されているだけあって、洗練されているというか、シンプルで彼らしい味がしました。どうして僕のチリが肉っぽく感じられるのか、それには理由(ギミック)があって、ま、ULTRA LUNCHに食べに来てください(笑)」(ドミンゴ)

料理人として刺激し合う二人の表情は楽しそうだった。最後にドミンゴが付け加える。「僕はあまりマッシュポテトを作らないんです。マッシュポテトはバターで練るのが基本なので。でも、スコットのマッシュポテトはライスミルクを入れていました。しっとりしていて粘りも出ていて、新しい発見でした。めっちゃ攪拌させましたけどね!(笑)」

ドミンゴも新たな発見を得て、さらなる好奇心を掻き立てられていた。スコットのレシピは同じ食材を揃えれば誰でも再現できるという。ぜひ著書と睨めっこしてお試しあれ。

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■text/山田洋

■BROOKS http://brooksrunning.co.jp
 BROOKS CLUB http://tagclub.jp/brooks_club

ULTRA LUNCH”GO SLOW” http://www.ultralunch.com/


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