トレイルとランニングが融合するバンクーバー

「世界で住みたい街」のアンケートで常にトップにランキングされるバンクバー。カナダのブリティッシュコロンビア州南西部に位置するこの都市は、山と海が近接する風光明媚な地形と夏涼しく緯度の割には冬暖かい気候から、ランナーにとって絶好の環境を持つ都市とも言える。バンクーバーマラソン、サンランなど大きなランニングのイベントもいくつか開催されており、街に出れば時間を問わず多くのランナーとすれ違うランニングの街でもあるのだ。そしてバンクーバーでは、ほとんどすべてのランナーがロードと同じようにトレイルランニングを楽しんでおり、トレイルランニングも市民に深く浸透している。

その最大の理由は、山と海が近接する地形。街の中心部を囲むように発達している住宅街の外側はすぐに山。市民にとっては目と鼻の先にトレイルがあるため、自然に足はトレイルへと向かう。また、中心部近くにある巨大な公園スタンレーパーク内にもトレイルはあり、気が向いたときにすぐにトレイルを走れる環境があるのだ。また冬も標高の高い場所では積雪があるが、低い場所は積雪が少ない。そのため1年中トレイルランニングを楽しむことができる。

このため、市内に数多くあるランニングショップのほとんどは、トレイルランニングのグッズも充実させており、また、これらのショップなどが主催するトレイルランニングの大会やセミナーも数多く行われている。地元のショップによれば年間で約40レースほどのトレイルランニングの大会が行われ、もっともポピュラーな30マイル（約50キロ）のレースでは、定員が200名前後に絞られているために抽選で参加者を決定するケースが多いという。