「NB minimus」足を原点回帰させるためのテクノロジー

2011年春、いくつかのメーカーからベアフットランニング対応シューズが登場します。ベアフットランニングとは裸足で走ることで足の機能を最大限に生かして効率を高めるという、人間本来の走り方であるともいえます。そのために、シューズの機能は逆に最小限までに削ぎ落とすことが求められます。

その一つの回答がニューバランスの「NB minimus（ミニマス）」です。「NB minimus」は裸足感覚を導き出す、ベアフットランニングコンセプトのフットウェアなのです。「NB minimus」を履くと、ランニングエコノミーによる3 大効果（3S）が期待できます。
●SPEED UP
踵着地よりも、発生する衝撃（＝ブレーキ）が少なく、地面との接地時間が短縮される。
●SAFETY
踵着地よりも、着地直後から足アーチの活用ができ、さらに路面からの反発力を推進力へと利用できる。
●SAVE ENERGY
踵着地よりも、着地衝撃が少なく、足裏全体で衝撃を分散することが可能になるため、故障の予防につながるそれでは、具体的にテクノロジーを見ていきましょう。
ランナーは裸足に近づくほど、ミッドフット着地で走るようにまります。踵着地では着地の衝撃の波が2回あるのに対して、ミッドフット着地になることで衝撃の波が１回に変わります。つまり、ベアフットランニングでミッドフット着地になることで、踵着地よりも、ブレーキ要素が少なく、地面との接地時間が短縮され、スピードアップが図れるというわけです。また、ミッドフット着地は踵着地よりも、着地直後から足アーチの活用ができ、さらに路面からの反発力を推進力へと利用できます。足裏全体で衝撃を分散することが可能になるため、故障の予防につながるのです。

「NB MINIMUS」と通常のランニングシューズの違いはどんなところにあるのでしょうか。まずはラストですが、NL-1という専用のラストが採用されています。これはニュー・ニュートラルラストと呼ばれており、レングスを約10mm（US9.5）短く設計しながらも、実際の足の指のラインに合わせたオブリークの形状にすることで、より裸足感覚でのフィット性を追求しました（図１）。また、前足部の厚みを薄くしながら、ボトムの幅を従来のラストよりも5mm程度広く設計（図２）。これは、裸足でのフィット性を高めるだけでなく、着地時にアーチが落ちることで足が広がるのを考慮した設計となっています。さらに、前足部と後足部の高低差を4mmに設定、足抜けしやすいようにトウスプリングにも修正を加えています（図3）。
その結果、通常のランニングシューズよりもニュートラルで裸足に近い状態を生み出しています。（右図、上・裸足、中・「NB MINIMUS」、下・通常のランニングシューズ）

ヒールカウンター（踵部の補強）を省くことで、足本来の機能性を発揮しやすくなっています。さらに軽量性にも効果があり、シューズを履いていることを忘れさせてくれます。通常のランニングシューズでは考えられない極めてフレキシブルなソール構造は、地面の接地感を高めるとともに裸足のように足の機能を使うことを可能にします。裸足での着用を考慮し、アッパー内側の縫い目を極力減らすとともに、インソールがアッパーと一体化されています。さらに、インソールには抗菌効果のあるAEGISを加工してあります。

　NBアンバサダーであるウルトラランナーとの共同開発から始まり、彼らの走り方を研究することで、裸足で走る必要性やミッドフット着地の重要性が導き出され、「NB MINIMUS」が誕生しました。人間本来の持つ"走るための足の機能"を呼び戻すことで、ランニングを続けているけど伸び悩んでいる人や、次へのステップアップに取り組みたいと思っているランナーに最適なコンセプトのシューズが誕生したのです。

ここで、忘れてはならないことが一つあります。われわれは、今までシューズを履いて生活してきたと言うことです。「NB minimus」は、より裸足に近い感覚を味わえる半面、極端すぎる裸足感覚では、ランナーの方が付いていけなくなってくる可能性をも加味しています。できるだけ自然にベアフットランニングに移行していく架け橋のような役目をもになっていると言えるでしょう。

■new balance　http://www.newbalance.co.jp/minimus/