トレイルランナーの感性にジャストミートする
ヘビーデューティなコンデジ
↑ ボディ上面のシャッターボタンは大きめにデザインされていますから、グローブを着けたままでも快適に操作できます。引っ掛かりの少ないボディデザインのため、ポケットなどへの収納性も抜群。
TG-820に新しく採用された「iHS」テクノロジーは、高感度性能に飛躍的向上をもたらしました。従来は考えられなかったISO6400までの高感度撮影が可能となり、暗いシーンや動きの速い被写体にもしっかり対応してくれるようになっています。そこで、実際にトレイルに持ち出して、その実力をチェックしてみました。テスト当日はあいにくの雪模様でしたが、TG-820の性能を確かめるにはむしろ好都合。実際、カメラが雪で濡れてもまったく気にすることなく撮影できました。さて、気になる高感度での画質ですが、従来モデルとは明らかな差が実感できました。小雪のなかのトレイルということで、ISO1600でやっと1/100秒というなかなか厳しい条件でしたが、納得のいく画質を得られたといって良いでしょう。そして電源オフからの起動時間も圧倒的に速く、撮りたいと思ったときにすぐに撮影に写れる速写性は素晴らしいものがあります。オートフォーカス性能も大きく向上しています。暗い場所でも素早く被写体を認識してくれるので、シャッターチャンスを逃がしません。また、今回は時間の都合で試せませんでしたが、近接撮影時にLED光を被写体に照射するスーパーマクロLEDも搭載されています。ストロボと違って常時点灯する光なので撮影イメージもつかみやすく、花や昆虫を撮るときに重宝しそうな機能です。全体的な画質はオリンパスらしいキレの良いもので細部の表現力も豊かです。定評ある「オリンパスブルー」(青空の抜け)を味わえなかったのは残念でしたが、撮影モードも豊富で、実に奥の深いデジカメと言えるでしょう。
旧モデルTough TG-810。なかなか検討していますが、樹の質感や細部のディテールまでは再現できていません。中央部は比較的クリアですが、周辺部はかなり甘い描写になってしまいました。
Tough TG-810
約3.14MB / 3,216 × 4,288 / 1/100 秒 / F5.9 / 0EV / ISO1600 / 25mm
Tough TG-820。光にメリハリのない状況だったため、ややコントラストが低いものの、樹や葉のディテールはよく残っています。また旧モデルよりも速いシャッターが切れていることから露出傾向もやや明るめになっているようです。
Tough TG-820
約3.05MB / 3,968 × 2,976 / 1/160 秒 / F5.9 / 0EV / ISO1600 / 25mm
低感度に設定して水の流れを表現。優秀な手ブ
レ補正が1/5 秒というスローシャッタ撮影を可
能にしてくれます。
Tough TG-820
約2.16MB / 3,968 × 2,967 /
1/5 秒 / F5.0 / 0EV / ISO100 / 18.5mm
次回は、いよいよトレイルランナー奥宮俊祐選手のレポートをお送りします。
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