ＡＳＩＣＳ GEL-FujiTrabuco 3 G-TX

奇をてらわず、ベーシックを極めた
万人向け防水モデル

２０１３年より、トレイルランニング用アイテムに「ＦｕｊｉＴｒａｉｌ」の名を冠したアシックス。今回紹介するのは2014 FWモデルで、ゴアテックス仕様の防水・透湿シューズ、「ＧＥＬ－ＦｕｊｉＴｒａｂｕｃｏ　３Ｇ－ＴＸ（ゲルフジ　トラブーコ　３Ｇ－ＴＸ）」です。

Ｔｒａｂｕｃｏというモデルは、もともとアシックスの海外専用モデルでしたが、数年前から日本でも発売されるようになっていました。

幅にゆとりがあり、ランニングに適応したラストで、サイドには厳重に補強が入っていて、荷重時の足の膨らみを抑えてくれます。ＦＵＪＩＴＲＡＩＬのロゴをあしらった、ガッチリしたヒールカウンターも装備され、ヒールのぶれも抑えてくれます。

このしっかりとしたアッパーがあるからこそ、ソフトなクッションが生きてきます。ミッドソールには踏み付け部、ヒール部ともに、衝撃緩衝性の高いＴ－ＧＥＬを採用。前モデルの「ＧＥＬ－ＦｕｊｉＴｒａｂｕｃｏ　２Ｇ－ＴＸ」では踏み付け部に発泡シートタイプのＰ－ＧＥＬを使用していたので、衝撃緩衝はさらに上がっています。低反発で厚めのインソールとの相乗効果でとてもふんわりとした接地感覚です。しかし、前述の通りアッパー部がしっかりしているために、ランナーの足がねじれて沈み込むような癖が出にくくなっています。トレイルの下りで衝撃もしっかりと緩衝してくれたうえで、しっかりと足を前に進めてくれるという印象でした。

（上）新しいラグパターンを採用。
（下）タングのレースポケットに
余ったシューレースを収納可能。

ゴアテックスを採用しているだけあって、防水性能は万全。透湿効果も高く、足の湿気もにがしてくれます。また、ゴアテックスモデルを感じさせないしなやかなアッパーも好印象でした。ただし、メッシュ素材の凸凹は水をためやすいので撥水性能を常に保つようなメンテナンスは必要です。

アウトソールは従来のラバーと同等の軽量性、グリップ性をもちながら、約３倍（アシックス社比）の耐摩耗性を発揮するアウターソール素材、エーハープラスを採用。ラグのパターンは「ＧＥＬ－ＦｕｊｉＴｒａｂｕｃｏ　２Ｇ－ＴＸ」とは違いますが、オールラウンドな印象には変わりありません。防水モデルだけにウェット時のグリップ性能もしっかり考えられているというフィーリングでした。トレイルからの付き上げの対策も硬度の高い樹脂プレートを挿入することでクリアしています。

「ＧＥＬ－ＦｕｊｉＴｒａｂｕｃｏ　３Ｇ－ＴＸ」は、際立った個性はありませんが、ベーシックな走る性能に関してのあらゆる次元の完成度が高いと感じられるシューズです。クッションが良く、ソフトなフィーリングなので、はじめてトレイルランニングをはじめる方にからロングディスタンスを楽しむランナーまでお勧めできるモデルといえます。ロードランニング用のシューズからはきかえても、違和感はまったくないといえるでしょう。

（左）ヒールには大きなゲルのクッション。
（中）FujiTrailのマークをあしらった大型のヒールカウンター。
（右）サイドにはいくつものの補強を施してある。

GEL-FujiTrabuco 3 G-TX
ゲルフジトラブーコ 3 G-TX
■品番／TJT114
■価格／￥14,000（税別）
■サイズ／MEN’S 25.0～29.0ｃｍ　WOMEN’S 23.0～25.0cm
■カラー／MEN’S 1色　WOMEN’S 1色
■アウターソール／ゴム底
■アッパー素材
本体：合成繊維製（ラッセル構造）
補強：人工皮革製
■インナーソール：取り替え式