圧巻のグリップ力とクッション性が両立
万人が履ける不整地用モデル
inov-8(イノヴェイト)の特徴は何と言っても圧倒的なグリップ力です。ベストセラーであり、ロングセラーでもある「X-TALON」は、強力なグリップとダイレクトな接地感が人気の秘密です。しかし、もう少しクッションが欲しいというランナーの声も確かにありました。そこで、強力なグリップを維持したまま、クッション性を高めたモデルが登場しました。それが「X-CLAW 275」です。
アッパーの素材は「X-TALON」と同様の目が詰まった丈夫な素材。フィットはスタンダードで前足部に余裕があり、幅広いランナーに受け入れられるタイプです。ソールの厚みがある割にフレックスは柔らかく、ヒールカウンター(踵部の補強)もないのはinov-8流。足の自然な動きを最優先しています。スタンドハイトは前足部が8mm、踵部が16mm、ドロップ(前足部と踵部の高低差)は8mm。「X-TALON 212」は前足部が6mm、踵部が12mm、ドロップ6mmですからワンランク厚みがあるということになります。
足入れしてみると、ダイレクト感の高いinov-8のシューズとしては珍しく、フワッと浮くような感覚があります。しかし、硬い路面を走ってもラグが腰砕けになるようなことはなく、安定感は十分です。また、ラグがアウトソールいっぱいまで張り出しているのでフラット感はかなり高くなっていますが、足の前方へのローリングはアシストしてくれるようなバランスに仕上がっています。
グリップは強力です。特にぬかるんだトレイルでは何事もなかったかのように走り続けることができます。これだけ、グリップ力が高いと、下りで路面に噛みすぎて逆に足に負担がかかってくるのではないかと心配しましたが、新しい三角形のラグパターンは、そんな心配を払拭してくれます。登りではしっかりと踏ん張ってくれますが、下りではラグが適度に潰れて、あまりガッチリ掴みすぎないように、いい意味での遊びを作ってくれます。このおかげで一気に長い距離を下っても疲労を最小限に抑えることができました。
また、「X-CLAW 275」のアウトソールはミッドソールのクッション性を違和感なく増幅しているように感じました。「X-TALON」よりもアウトソールの土台が柔らかいので、ラグが潰れすぎずに沈み込んでくれます。これは、同じ厚みのミッドソールを持つ「TERRACLAW 250」と比べるとよく判りますが、クッション性は「X-CLAW 275」の方が数段高く感じられます。
足の動きを妨げないアッパー、強力なグリップ、ダイレクトな接地感。この三つがinov-8の大きなポイントでしたが、「X-CLAW 275」はダイレクトな接地を快適なクッションに置き換えて、より多くの人に履いてもらえるような性能に仕上がっています。
不整地がメインのウルトラトレイルやロングツーリングなどに威力を発揮する一方、下りが苦手な初心者にもマッチするシューズだと思います。
X-CLAW 275 MS(Men’s)
X-CLAW 275 WMS(Women’s)
■品番
Men’s IVT2651M2/BBR
Women’s IVT2652W2/BTB
■価格/¥14,000(税別)
■カラー
Men’s BLACK×BLUE×RED
Women’s BLACK×TEAL×BERRY
■アッパー/合成繊維/人工皮革/合成樹脂
■アウトソール/ゴム底
■サイズ
Men’s 25.0~30.0cm
Women’s 22.0~25.5cm
■ドロップ/8mm
■inov-8 http://www.inov-8-jp.com
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