ワンランク上の上質感、SPEEDCROSSの兄貴分が登場
足との一体感が増し、より幅広いシチュエーションに対応
SALOMONのロングセラー「SPEEDCROSS(スピードクロス)」シリーズに新しくラインナップされた「SPEEDCROSS PRO(スピードクロス プロ)」は、「SPEEDCROSS 3」のモデルチェンジ版ではなく、上位モデルとなります。
ソフトやウェットなコンディションが得意なラグパターン、細身のラスト設計など、基本コンセプトは変わりませんが、履いたフィーリングはかなり違います。その辺を詳しく見て生きたいと思います。
写真では判りにくいかもしれませんが、アッパーの圧着による補強(センシフィット)は段差がないため、足との一体感が高い状態でフィットしてくれます。また、平らなので擦れにも強くなっています。「SPEEDCROSS 3」と比べると全体に上質で、洗練された仕上がりとなっています。そして、最も違うのがタンの部分です。タンがソールまでつながっている「エンドフィット」というテクノロジーによってフィット感が向上、さらにタン自体も薄く低反発な素材になっているので、クイックレースを締めたときのタンの厚みによる遊びがなくなり、足が、よりダイレクトにホールドされます。クイックレースを通すホールにはプラスチックのパーツを内蔵しているので、滑りが良くきれいに締まります。これらの贅沢な装備によって、例えば「S-LAB SENSE 4 ULTRA」ほどのしなやかさはありませんが、足との一体感では同等レベルに進化したといえると思います。
新開発のアウトソールは「SPEEDCROSS 3」と同じマッド&スノーコンタグリップというコンパウンド。V字型のラグ形状は新しくなっています。「SPEEDCROSS 3」ではV字の先端が尖っていたためにラグ全体がよくしなり、粘りが生まれていました。「SPEEDCROSS PRO」ではよりスクエアな形状になり、横揺れに強くなっています。接地面積は約22%アップしました。「SPEEDCROSS 3」ではアスファルトを走るとアウトソールの柔らかさの影響で揺れる感じがありましたが、「SPEEDCROSS PRO」では安定感を得られるようになりました。ソール全体もよりもソリッドで反発力が高くなっており、より高速での安定感と加速性が高まっています。
ただし、これらの特徴は一概に「SPEEDCROSS PRO」が優れているということではありません。それぞれに得意なシチュエーションとトレイルランナーの好みやテクニックによって相性があると思います。「SPEEDCROSS 3」は舗装路での走行はほとんど想定しない、柔らかな、もしくはぬかるんだ状態が多いトレイル。特に下りで強力で確実なグリップを要求するランナーに適していると言えます。一方、「SPEEDCROSS PRO」は少し幅広いシチュエーションで使用できます。舗装路も違和感なく走ることができ、ぬかるんだトレイルでもグリップはしっかりしています。そして、下りでのグリップは少しマイルドなので、適度に滑らせる走り方を好むランナーにベストマッチとなることでしょう。
選択肢が増えたことによって、トレイルランナーのよりきめ細かい要求に対応できるようになった「SPEEDCROSS」シリーズ。選ぶほうの楽しみも広がってくるラインナップになりました。
SPEEDCROSS PRO
スピードクロス プロ
■本体価格/¥16,500(税別)
■重量/325g(27cm)、275g(24cm)
■サイズ/メンズ 25.0-29.0cm ウィメンズ 22.0-25.0cm
■カラー/メンズ 4色、ウィメンズ 2色
■サロモン http://www.salomon.co.jp/softgoods/
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