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【REPORT】ララムリから学ぶ、走る生き方 #1 ララムリの里、ウリケの町

#1 ララムリの里、ウリケの町

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メキシコ北西部。”母なる山脈”という意のシエラ・マドレ山脈の西側に大峡谷地帯がある。その山脈が連なる中心にバランカ・デル・コブレ(銅峡谷=英語名コッパーキャニオン)と呼ばれる彼の地があり、その大きさはグランド・キャニオンの4倍にも達する。
ここに自らのことを「ララムリ=走る民」と呼ぶ世界最強の走る民族・タラウマラの人々が住んでいる。2013年2月の末、僕たち8人は彼らに会いに、そして彼らと走るために日本を旅立った。3月3日にレースが行われるウリケという田舎町に向けて。

ウリケに行くルートはいくつかあって、犬のチワワの産地でもあるチワワ州チワワまで空路で行き、そこから陸路で向ったり、アメリカから長距離ドライブで現地入りする者もいた。
僕らはロス経由で3つの飛行機を乗り継ぎ、ロスモチスというメキシコ西部(太平洋側)の小都市へ向かう。ロスからの機上で国境を超えると風景は一変する。茶色い荒涼とした大地が眼下に広がるのを見て、僕らの気持ちは高ぶった。

ロスモチスからは、チワワ太平洋鉄道に乗ってバウイチーボという小さな駅で降り、そこからバンに乗り込んで峡谷を目指す。公式な記録によるとチワワ太平洋鉄道の建設は1880年にまで遡り、全線開通したのが1961年。険阻な地形に阻まれて鉄道の建設は難航し、建設費用が高騰したため80年以上も要した。

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アエロメヒコ航空から見た
メキシコの大地
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チワワ太平洋鉄道のロゴマークは
ワラーチだ!
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メキシコ内陸部のチワワ州チワワと太平洋沿岸のシナロア州ロスモチスを結ぶ全長約650km もあり、途中で37の橋と86のトンネルを通過し、急行列車でさえも片道の所要時間は約15時間に及ぶ。某TV番組ばりの車窓が広がる景色に一同は興奮を禁じ得なかった。

im04-thumb-250x187 奥深い峡谷を縫うように走る
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凸凹したダートを3時間、車に揺られながら森を抜けると標高差2000mもあろうかという切り立った峡谷群が突如として姿を現した。

「ええぇぇぇぇ!」
「うわ!な、何この景色!」
「いやいやいやいや…、、いやいや。。

「ちょっ!」

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言葉にならない奇声めいた声しか出ない。実際にグランド・キャニオンに行ったことがある仲間によると、そのスケール感、足もすくむ谷の深さ、そして存在感は比じゃないという。

来たんだ。ここがコッパーキャニオンか…。インターネットも繋がらない文明社会と隔絶された辺境の地。山脈が幾重にも帯重なり合い、それこそ無数のV字の谷が一大峡谷群を演出しているようだった。

こんなところにララムリは暮らしているんだ。僕らは、何もかもに圧倒されていた。

目的地のウリケに辿り着く。谷の底にへばりつくように佇む小さな田舎町だった。これから過ごす5日間。大きな2つの目的。そしてレースとララムリの走る姿。日本を出発しておよそ38時間の疲れた身体にウリケの爽やかな風が出迎えてくれた。

写真と文/山田洋

『onyourmark』でも今回の旅の模様をレポートしています。
sports travelling メキシコ コッパーキャニオン
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       #1 ララムリの里、ウリケの町
       #3 ララムリと走る

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