マイルドなのにハイグリップ、洗練された接地感のテクニカルトレイルシューズ
HOKAのトレイルランニングシューズのルーツとも言える「MAFATE(マファテ)」。その流れをくむ「MAFATE SPEED(マファテ スピード)」がバージョン4にアップデートしました。ハイグリップで、テクニカルトレイルに対応するという方向性は維持しながら、アッパーからソールまでフルリニューアルして大きく進化しています。
全面的に刷新されたアッパーはサステイナブルなジャカードメッシュを採用。快適なフィット感と高い通気性と提供します。しっかりしたトウキャップはついているものの、サイド部には前作のような補強はなく、アッパー素材のしなやかさを生かせる作りになっています。マチ付きでソールと接続されたシュータンは前作の極薄仕様から変更され、適度な厚みを持たせています。履き口のパッドは適度なボリュームで、前作と遜色ありませんが、ヒール上部が尖った形状になりプルタブとしても機能します。ヒールカウンターは硬いプレートではないので、指で踵を潰せるくらいしなやかになりました。
ソールシステムも刷新されていますが、スタックハイトはフォアフット29mm、ヒール33mm、ドロップ4mmで前作同様です。ミッドソールはPROFLY™を採用したデュアルデンシティ仕様で、上層が柔らかく、下層がしっかりした作りになっています。ソールの接地幅は前作よりも全体に少しスリムになりました。
アウトソールは必要なゾーンにのみ貼られていますが、前作よりもカバーする面積が広く、フルレングスに近くなっています。コンパウンドはハイグリップで定評があるビブラムのメガグリップ。ミッドソールに張り付くベースの部分の厚みを押さえ、軽量化を図ったライトベース仕様です。ラグの高さは5mm。ラグの立ち上がり部分には細かい段差やトゲのようなマイクロラグが刻まれています。これは「SPEEDGOAT 5」にも見られる(「MAFATE SPEED 4」の方がより複雑)HOKAならではの手法です。
アッパー全体のフィット感はしなやかさを重視した印象。前作よりもトウボックスのゆとりを感じました。また、タンの厚みが増したため、シューレースを締め込んだときの圧はマイルドになりました。サイドの補強が減っているため、足が屈曲してもストレスが少なく自由に動けます。
ミッドソールの厚さは十分にあるのでクッション性はもちろん高いのですが、HOKAのトレイルシューズの中ではエネルギーリターンは強めの印象で、弾みで体が前に押し出されるようにも感じられました。
5mmのラグを持っているだけあって、グリップはどんな局面でも強力です。また、ラグに新たにつけられた段差とそこから突き出したマイクロラグのおかげで、ソール全体の摩擦係数が上がっているのも感じられます。前作ではフォアフット中央部分のグリップが強く、“ガツン”とグリップする印象でしたが、「MAFATE SPEED 4」はラグの形状が変更された他、アウトソールの面積が広がったためか、粘りつつ噛んでくれるイメージになりました。マイルドに感じながらも、トータルのグリップ力は上がっていいます。
HOKAのトレイルシューズの中ではベストセラーの「SPEEDGOAT 5」が近いポジションと言えます。どちらも同じスタックハイトで、アッパーは前作に比べてしなやかなになり、マイクロラグも新たに備わっています。ポイントはオールラウンドな「SPEEDGOAT 5」か、よりテクニカルな「MAFATE SPEED 4」か、ということになってきます。ただ、「MAFATE SPEED 4」がライトトレイルでも使いやすく進化したというのが悩ましいポイントです。グリップを重視するなら「MAFATE SPEED 4」にチャレンジしてみるのがお勧めです。
MAFATE SPEED 4
(マファテ スピード 4)
・価格:¥27,500(税込)
・展開:Men’s 25.0–29.0, 30.0cm・295g/27cm、Women’s 22.0–25.0, 30.0cm・241g/24cm
・ソールスペック:Men’s ヒール33mm/フォアフット29mm オフセット4mm、Women’s ヒール31mm/フォアフット27mm オフセット4mm
・カラー:Men’s CERAMIC / DIVA BLUE、 Women’s CERAMIC / DIVA BLUE
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