足との一体感が増し、シューズの反応をより楽しめるレーシーなスピードモデル
Salomon(サロモン)のトレイルランニングシューズの中で、最もハイパフォーマンスなラインと言えるPULSAR(パルサー)シリーズ。2022年にデビューした「PULSAR TRAIL PRO(パルサー トレイル プロ)」は、レーシングモデルの「S/LAB PULSAR」のコンセプトを受け継ぎながらも、より汎用性を高めたシューズです。そして、2023年には早くもアップデートが施された「PULSAR TRAIL PRO 2」がリリースされました。
今回のアップデートではアッパーがリニューアルされました。
アッパー素材は伸縮性のあるメッシュで、タンはなく完全に一体化された構造です。甲の部分はニットになっているので、さまざまなボリュームの足を綺麗に包み込んでくれます。履き口のカラーは見た目以上に柔らかく、足首にピタリとフィットし、異物の侵入を防いでくれます。ヒールはオーバーレイによる補強が施されていますが、カウンターはないので柔らかいです。今回のアップデートでヒールの形状が見直され、フィット感が飛躍的に向上しました。
ソールのスタックハイトはフォアフット27mm、ヒール33mm。ドロップは6mmで前作と同様です。EVA と オレフィン[OBC]を配合した軽量のエナジーフォームは、長期にわたりクッション性と弾むようなエネルギーリターンを実現します。ミッドソールの内部にはエナジーブレードというTPUのプレートを配置。反応性と安定性を提供します。エナジーブレードはSalomonの他のトレイルシューズにも採用されていますが、シューズの特性に合わせてチューニングされています。「Pulsar Trail Pro 2」ではエネルギーのロスを防ぎながら走りにパワーと安定感を与えます。
アウトソールのコンパウンドはSalomonが開発したコンタグリップ。さまざまなコンディションで的確なグリップと耐久性を発揮します。ラグの高さは3.5mm。ダイヤ形をベースとしていますがセンターにはシェブロン型も採用しています。
履き口は小さく見えますが伸縮性が高いので想像以上に大きく開き、足入れはスムーズです。甲のニットがよく伸びてソックスのように足にフィットします。アッパーが柔らかいのでクイックレースのホールドがダイレクトに足に伝わりますが、甲にはパッドが入っているので適度に遊びを作ってくれます。アップデートされたヒールの形状は踵のラウンドと良くマッチし、あらゆる方向への動きに対してズレを抑制し、ピッタリとフィットするようになりました。ホールド感は高いものの全体がしなやかなため、アッパーのフレックスに癖がなく足は自由に屈曲するのでストレスがありません。
トレイルを走ってみると、ミッドソールとプレートが非常にうまく統合されていて、ソフトな感触でありながらエナジーブレードのおかげで弾むようなきびきびしたフィーリングを得られます。とはいえ、カーボンプレートのような大きなエネルギーリターンではないので扱いやすいのが特徴です。さらに、リバースキャンバー形状による自然な重心移動転も一体となり、流れるようなリズム感で走ることができました。
ヒールがふわっと柔らかくて気持ちがいいのですが、踵には頼リすぎずに、ミッドからフォアフットを中心にダイナミックかつスピーディーに走った方が「PULSAR TRAIL PRO 2」の魅力を引き出せると思います。
路面のグリップは、登りではしっかりと路面を掴んでくれ、下りでは噛みすぎることもなくスピーディーな足さばきを妨げません。乾いたトレイルが最もマッチすると思いますが、ぬかるんだ路面や濡れた岩でもしっかりとグリップしてくれます。また、舗装路でも特に違和感は感じず、自然に走ることができました。
「PULSAR TRAIL PRO 2」はトップアスリート向けのS/LABシリーズを除くと、最もスピーディーなトレイルシューズです。普段のトレーニングやツーリングはもちろん、ショートからミドルのレース用としてもお勧めしたいシューズです。
PULSAR TRAIL PRO 2
(パルサー トレイル プロ 2)
・価格:¥22,000 (税込)
・展開
Men’s(25.0-28.5cm・260g / 27cm)
Women’s(22.0-25.0cm・225g / 24cm)
・カラー:Men’s 2色、Women’s 1色
・かかと部高さ:33mm
・前足部高さ:27mm
・ドロップ:6mm
Salomonの記事一覧はこちら↓