扱いやすさとハイパフォーマンスを絶妙にバランスしたスピード系オールラウンド
・DNA FLASHミッドソールはロードシューズ並みの反発力
・足さばきに有利な細身のボディ
・オールラウンド性に優れた3.5mmのラグ
BROOKS(ブルックス)のスピード系トレイル ランニングシューズとして2021年にデビューした「CATAMOUNT(カタマウント)」。2023年にはフルリニューアルした第二世代「CATAMOUNT 2」に生まれ変わりましたが、2024年に早くも「CATAMOUNT 3」が登場しました。今回のアップデートは、定評のあるの基本的な構成要素を踏襲した上で、さらなる性能向上を求めた形になっています。
アッパーのメッシュは「CALDERA 7」でも採用しているTPEE(熱可塑性ポリエステルエラストマー)ですが、「Catamount 3」の場合はシングルレイヤーなので、より薄くダイレクトなフィット感を得られます。トウキャップ、サイド、ヒールにはオーバーレイとアンダーレイの十分な補強が施してあります。
マチ付きのタンは薄めですが保護力が十分にあるパッドが入っていて足を適切に包み込みます。新しいギザギザのシューレースはほどけにくく使いやすいです。タンにはシューレースホルダーもついています。履き口周りの薄めのパッドやしっかりしたヒールカウンターは前作と同様です。
ソールのスタックハイトは、実測値でフォアフット25mm、ヒール31mm。ドロップは6mmです。
ミッドソールは前モデルと同様のDNA FLASH。窒素を注入して超臨界発泡で成形されているため、弾むようなエネルギーリターンを得られます。さらに、ミッドソールには、SkyVaultトレイルプレートが内蔵されていてよりダイナミックな走りを可能にします。
ちなみに、厚底トレイルシューズ「CALDERA 7」のミッドソールはDNA LOFT v3で、こちらも窒素を注入していますが、より柔らかいクッションとなっています。二つのミッドソールの大きな違いはセル構造です。DNA FLASHはより小さなセル構造で反発を得やすく、DNA LOFT v3はより大きなセル構造で優れたクッショニングを実現しています。
アウトソールはBROOKSのオリジナル素材Green TrailTackにアップデート。リサイクル素材を25%使用していながら、粘着性と耐久性はTrailTackラバーと遜色がありません。ラグは前作と同様のシェブロン形状で、高さは3.5mmです。
履いてみた印象は、スリムな見た目通り足にピッタリとフィットしてくれますが、前作と比べると全体の柔軟性とフォアフット部のゆとりが少し増したように感じました。アッパーがシングルレイヤーになったことも関係していると思います。
「CATAMOUNT 3」が得意なのは、やはりパワーのあるミッドソールを生かして、条件の良いトレイルを適度にスピードを上げながら駆け抜けるようなシチュエーションでしょう。ソールの幅が広くないので俊敏性が高いけれども、ソールの一番端の部分にも十分にラグが配置されているのでグリップは安定しています。ヒールのエッジ部分がラウンドしているため接地も滑らかです。また、SkyVaultトレイルプレートのおかげで、登りでは蹴り足をアシストしてくれ、下りでは突き上げからの保護を実感できます。
グリップ性能は極端に難易度が高い場所でなければ、踏み固められたトレイルから、ややぬかるんだトレイル、岩場までおおむね良好です。舗装路でもロードシューズと遜色がないスムーズな走りが可能です。
「Catamount 3」は軽量で接地感と反応が良いので、パワフルなトレイルシューズを探しているランナーにとって確かな選択肢となります。しかし、さまざまなペースでの混合地形にフィットする万能性も持ち合わせており、快適性も犠牲にしていないので、意外と幅広い層のランナーに対応できるのではないかと思います。
CATAMOUNT 3
カタマウント 3
・価格:¥ 24,200(税込)
・サイズ:Men’s 25.5-29.0cm、Women’s 22.5-26.0cm
・カラー:Men’s 1色、Women’s 1色
・ミッドソールの厚さ:フォアフット22mm、ヒール16mm
・ドロップ:6mm
・重量:275g(27cm/片足)