「第4回白馬国際トレイルラン」のスペシャルスポンサーともなっている、デサントが率いる「Team Inov-8 × DESCENTE for trail」。昨年4月の結成以来、多くの大会に参加し好成績をおさめていますが、今回も、男子2位、女子1位という素晴らしい結果を残しました。そこで、ロングコース男子で2位となったコーチの半田佑之介選手、ロングコース女子1位の湯浅綾子選手、さらに、海外招待選手、Joanne Brischetto(ジョー・プリシェット)選手の3人に、レースの感想をうかがいました。
海外招待選手、ジョー・プリシェット(オーストラリア)
「日本のトレイルはワイルドでしかも美しく、
最高に楽しめるコース!」
Q 今回のレースの印象を聞かせてください
「実は2ヶ月前に脚を骨折して、リカバリーがまだ完全ではないまま日本に来たの。だから体調はパーフェクトではなかった……。それにレース中、蜂に刺されてアレルギー反応が出てしまったので、ちょっと辛いところもあるレースだったわ。でも今、振り返ってみると天気も良く、素晴らしい1日になったわね。もちろん、コースとシューズ(X-TALON 212)の相性も良かった。起伏の激しい区間でも、安心して走れたわ」
Q 日本のトレイルを走るのは初めてと聞いていますが、どんな感想をもちましたか?
「とてもきれいで、素晴らしいコース! オーストラリアに比べたら、山はスティープ(険しい)だし、ワイルドかつ美しいコースだと思う。私は、アップダウンの多いコースが好きだから、日本の山は最高ね! 私は高校生のときに選択科目で日本語をとっていたの。もともと日本の文化や食べ物が大好きだったから、今日も本当に幸せだわ」
Q トレイルとロードは、どのくらいの割合で走っているのでしょう?
「8割がトレイルですね。得意なのは50kmから100km。このくらいの距離が一番楽しく走れるのよ。100マイルとかになっちゃうと、辛さと仲良しにならなくちゃいけないから大変ね(笑)」
Q 今年、参加を予定しているレースについて教えてください
「12月にニュージーランドである60kmのレース、これは起伏が激しくて私好みのコースなので楽しみにしているわ。私には3人の子供がいるのだけど、家族旅行とレースを兼ねて行く予定なの。9歳の長男は5キロを26分で走るのよ。彼はすでにトレイルランニングの魅力を知っているわ(笑)。日本のレースでは、UTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)に興味があるの。来年はぜひ出たいと思うわ」
Joanne Brischetto(ジョー・プリシェット)
オーストラリア、Team Inov-8インターナショナル所属 2013年の三田(さんだ)インターナショナルマスターズマラソン(ハーフ)で女子2位、「2014 The North Face 50 Australia」の50kmで2位、「2013 The North Face 100km」で2位の実力をもつ。トレイルを非常に得意とし、日本語が堪能で、日本人ランナーとの交流がある
ロングコース男子2位、半田佑之介
「レース前半で感じたわずかな『余裕』が、
最後になって響いてしまった…」
Q レースを終えての印象はいかがですか?
「いったんトップで走っていたので、抜かれたのは率直に悔しいですね。去年は、後半でのペースダウンが響いてしまい、納得できる結果が残せなかったので、今回はそれを踏まえて、後半まで力を温存するように心がけていました。ただ、中盤で身体が温まったこともあり、『このままいけるかもしれない!』という気になり、ついペースを上げてしまったのが失敗だったかもしれません。スタートのときは涼しかったので、あまり給水を取らなかったんです。ところが、途中で思っていた以上に気温が上がり、前半で給水を取らなかったのが響いてしまった。これも反省点ですね」
Q 今回使用したシューズは、「TRAILROK 245」ですね。フィーリングはいかがですか?
「去年は『ROCKLITE 243』を履いたのですが、今年は『TRAILROK 245』を使用しました。その理由としては、スキー場の下り部分で石がとても多く、路面からの衝撃をよりやわらげてくれるシューズが適していると考えたからです。『ROCKLITE 243』に比べて『TRAILROK 245』は、ソールが少し固めで、路面からの衝撃には強いのです」
Q Team Inov-8の活動も年々充実してきていますね
「昨年から始まった活動も、二期目の選手が入ってきて、本当にレベルがアップしていると実感します。やはり、チームメンバーが増えれば各自に競争心も芽生えますし、それが非常に良い方向に働いているのでしょう。私自身もトレーニングに参加して選手達にアドバイスしていますが、チーム内の雰囲気は良いですね。私はアスリートであると同時にコーチという立場でもあるので、メンバー全員のスキルを底上げできるよう心がけています。『楽しむ』という段階から『勝つ』というレベルに選手達のモチベーションを高めるのも私の役割だと思います」
Q チームのコーチングをしながら、自分の練習もするというのは大変だと思いますが……
「実は今回も、あまり練習できないまま参加したのです。コーチングはしていても、それがそのまま自分の練習になるわけではないので、そのあたりのバランスは難しいですよね。レース勘のようなものが常に維持できれば、ペース配分も上手くいくし、少ない練習時間でも実戦を意識するような気持ちで取り組んでいきたいと思います」
半田佑之介(はんだゆうのすけ)
Team Inov-8所属 福島県県出身。高校時代から陸上を始め、インターハイなどで活躍した後、國学院大学に進学。2005年からは国体にも出場。筑波大学大学院で体育学を専攻した頃からトレイルランニングを始め、多くのレースで優勝、入賞を記録する。Team Inov-8では、コーチ兼選手としてリーダーシップを発揮している。
ロングコース女子1位、湯浅綾子
「ペース配分の大切さを改めて
教えてくれたレースでした」
Q 優勝おめでとうございます。レースを振り返ってみて、印象はどうでしたか?
「ありがとうございます。岩岳エリアの遊歩道を走る区間は路面がソフトで、とても快適でした。途中、集団でコースロストしたときは、気力が途切れそうになりましたが、まわりの選手達と励まし合って乗り切りました。全体的には天気にも恵まれ気持ち良く走れましたが、最後の上り(夢農場エイド手前)は本当に苦しかったですね。登っても登っても頂上に着かないといった感じで。ただ、そこで踏ん張ったおかげで、小川比登美選手から逃げ切ることができたのだと思います」
Q 今回使用したシューズは、『TRAILROC 245 WMS』ですね。実際にレースを走ってみて、感想はいかがですか?
「今まで履いていたモデルよりもソールが薄いシューズにしたのですが、手に取ってみると確かにクッション性はやや低いように感じました。でも、実際に使用すると違和感はまったくなくて、足との一体感を感じながら気持ち良く走ることができました。それに私は、このシューズのカラーが気に入っているんです(笑)。好きなシューズだと、それだけ信頼感も高まると思っています」
Q もともと、マラソン出身でロードも走っているそうですが、トレイルランニングでは、どのくらいの距離が得意なのですか?
「30kmから40kmですね。あまり短か過ぎると速い選手を追い込むチャンスが生まれませんし、かといって超長距離になるとまだ力不足だと思います。また、どちらかというと上りがきついほうが好きですね。ロードはフルマラソンで3時間11分が自己ベストです」
Q 今後は、どのようなレースにトライしていきたいですか?
「実はUTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)に応援に行ったんです。二晩はさすがに長いなあ、と思いました。今の自分では一晩くらいが丁度でしょうね。ただ、100kmくらいの距離は、積極的に走り込んでいきたいとと思いますし、少しずつ自分の限界値を高めていって、たくさんのレースにチャレンジしたいと考えています」
湯浅綾子(ゆあさあやこ)
Team Inov-8所属 埼玉県出身。ランニングは、ロード(フルマラソン)から始め、現在はトレイルランニングの大会にも積極的に参加している。三浦半島縦断トレイル優勝、上越国際トレイル優勝、道志村トレイルレース3位などのほか、北丹沢12時間山岳耐久レース、富士五湖112Kでも完走。また、ホノルルマラソンにも参加している。
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