ロードシューズのライド感に推進力とトレイルでのグリップをプラスした次世代ハイブリッドシューズ

ロードランニングシューズをラインナップしていなかったMerrell（メレル）は、2024年に初めてロードからライトトレイルまで幅広く対応できるハイブリッドシューズ「MORPHLITE（モーフライト）」を発売しました。今回レビューするのは、その上位モデルと言える「PROMORPH（プロモーフ）」です。「MORPHLITE」が持っていた軽快さと汎用性を引き継ぎつつ、より本格的なスペックをまとった意欲作の実力を見ていきます。

アッパーは通気性の高いシンセティックメッシュを採用した2レイヤー構造。インナーレイヤーはタンと一体化されており、足を包み込むようなフィット感を実現します。サイドを取り巻くオーバーレイによる補強に加え、ミッドフット部のフィットパネルはソールと接続され、シューレースと連動して安定感を高めます。

やや厚めでソフトなタンにはシューレースホルダーが付き、履き口のパッドは中程度の厚さながら下部までしっかりとカバー。ヒールカウンターには硬いプレートを使用せず、柔らかめに仕上げられています。

ライニング、シューレース、フットベッドカバーにはリサイクル素材を採用。フットベッドはEVAの50%にリサイクル材を使用し、さらにカバーにはCleansport NXT™防臭加工が施されています。

スタックハイトはフォアフット26.5mm、ヒール32.5mm、ドロップは6mm。ミッドソールは「MORPHLITE」のFLOATPRO™をベースに、超臨界発泡で窒素を注入したFloatPro+™へと刷新され、軽量性・耐久性・反発力が大幅に向上しました。さらに内部には碁盤の目状に縦横の溝を刻んだFLEXconnect®を採用し、しなやかで路面を掴むような足裏感覚を提供します。

アウトソールにはトレイルランニングシューズでも定評のあるVibram XS Trek Evoをほぼフルレングスで搭載。フレックスグルーブが刻まれ、ラグは高さ2.5mmで小さめながら密に配置。トウとヒールにはクライミングゾーンのようなフラット部分も設けられています。

フィッティングは通常のサイズ感で問題ありません。トウボックスは程よくゆとりがあり、サイドからヒールにかけてしっかりとホールド。履き口やタンの適度なパッドが足当たりを柔らかくしています。

舗装路を走ってみると、厚底のロードトレーナーとしての完成度の高さに驚かされます。衝撃吸収とエネルギーリターンが高いレベルでバランスされ、ロッカー形状との相性も良好。未舗装の林道では厚いソールが小石の凹凸を吸収し、快適に走行可能です。さらに登山道に入っても、ライトトレイルであれば問題なく走れました。細かく配置されたラグが地面をしっかり捉え、グリップ力も十分。緩やかな上りではロッカー構造が推進力を生み、下りではミッドソールの反発が効いてスピードが乗るため、出し過ぎに注意が必要かもしれません。厚いミッドソールのおかげで長距離走行でも疲労は最小限に抑えられます。

「MORPHLITE」が舗装路から軽トレイルを軽快に走る“入門的ハイブリッド”であったのに対し、「PROMORPH」はVibramアウトソールやFloatPro+™フォームを搭載し、よりタフな路面やロングディスタンスを想定した“次世代ハイブリッド”。ロードランナーがトレイルに挑戦する入り口としてはもちろん、ロードと林道を組み合わせたトレイルレースでも、そのポテンシャルを存分に発揮してくれるでしょう。

PROMORPH
（プロモーフ）
・価格：￥20,900（税込）
・スタックハイト：ヒール 32.5mm – フォアフット 26.5mm
・ドロップ：6mm
■メンズ：25.0 – 30.0cm［約260g（27.0cm/片足）］
カラー： ホワイト/フレア, ケルン, ブラック
■ウィメンズ：22.5 – 25.5cm［約210g（24.0cm/片足）］
カラー： ホワイト/フレア, エクリュ/ハニーデュー, ブラック

■MERRELL：https://merrell.jp/

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