【Review】Amazfit ｢Amazfit T-Rex 3 Pro 48mm｣

タフネス・高精度GPS・ロングバッテリーにAIをプラスした未来型アウトドアGPSウォッチ

Summary

・100マイルレースにも対応可能なロングバッテリーライフ
・オフラインマップを搭載した充実のナビゲーション機能
・LEDフラッシュライト、各種アウトドア機能を網羅
・マイク&スピーカーとAIで通話や操作が可能

Amazfit（アマズフィット）から、最新モデルGPSウォッチ「Amazfit T-Rex 3 Pro 48mm（ティーレックス 3 プロ 48mm）」が登場しました。サファイアガラスとグレード5チタンを採用したミリタリーグレードのタフな外装に、3000ニトの高輝度を誇る1.5インチのAMOLEDディスプレイを搭載し、デュアルバンド対応の6衛星測位、オフライン地図とターンバイターンナビゲーション、さらにウルトラトレイルにも対応できるバッテリー寿命を備えた、注目の製品です。

スポーツモードは180種類以上が用意されており、もちろんトレイルランニングもプリセットされていますが、各データを表示するデータページは柔軟にカスタマイズすることが可能なので、ぜひ使いこなしたいところです。

データページは1画面に1項目から最大6項目まで自由に設定でき、必要に応じて画面を追加していくこともできます。数値だけでなくグラフ表示にも対応しており、心拍数やペース、高度、トレーニング効果、体温などをビジュアルで把握できるページを作成できます。また、運動アシスタントでは、距離、心拍数、ペース、ケイデンス、水分補給、エネルギー補給などのアラートを設定することもできます。

バッテリー性能はスマートウォッチとしての通常利用で最大25日間の連続駆動を実現。トレーニングやレースで使用するGPSモードは、高精度GPSモードで最大38時間、GPS長時間バッテリーモードで最大85時間使用が可能です。さらに、測位の精度とバンドをカスタムで設定することも可能です。また、バッテリーマネージャーを使用すればウォッチの様々な設定を変更し、電池の持ちを細かく設定でき、レースやトレーニング内容に応じて柔軟に運用することが可能です。マイナス30℃の低温環境下でも約10日間動作するモードも用意されており、冬山や降雪時の行動でも安心感があります。

「Zeppアプリ」の画面。（左）GPSの設定。（右）オフラインマップのダウンロード画面。

測位システムはGPS、GLONASS、Galileo、BeiDou（北斗）、QZSS（みちびき）、そしてインドのNavICに対応し、最新のデュアルバンドGNSSを搭載しています。円偏波アンテナに最適化され、谷や森林、ビル街といった受信条件が厳しい環境でも安定した精度を確保できる設計です。

（左）「Zeppアプリ」で作成したルート。ウェイポイントも記録可能。（右）作成したルートもインポートしたルートも「マイルート」でまとめて管理。

ナビゲーション機能も飛躍的に進化しました。事前にダウンロードしたオフライン地図は、ベースマップ、等高線入りのコンターマップ、そしてスキーマップの3種類が利用可能で、いずれもスマートフォンに接続せずに使用できます。

アプリでルートを作成したり、YAMAPやヤマレコからルートデータ（GPXファイル）を取り込み、ウォッチに同期することも可能です。ルートナビゲーションではターンバイターンの案内に対応し、オフラインマップ上でも進むべき方向を更新され続けます。

また、ナビゲーションリマインダーでは、コース逸脱アラート（20m・50m・100mに設定可能）、ターンリマインダー、ウェイポイントリマインダー、勾配リマインダーも設定可能です。ロードランニングでは、曲がり角を案内してくれるターンバイターンナビゲーションや、目標距離と進行方向を設定するだけでルートを提案してくれる周回ルート作成機能が威力を発揮します。

主に街での利用がおすすめですが、わざわざGPXデータでルートを作らなくてもコンビニやトイレなどをリストから探してナビゲーションしてくれる「周辺スポット検索」機能や、地図上の任意の場所をタップしてそこまでのルートをナビゲーションしてくれる機能、目標距離と進行方向を設定するだけで、周回ルートを自動生成してくれる機能も便利でした。

（左）行きたい場所をタップすると、（右）自動でルートを作成してナビゲーションしてくれる。

アウトドアでの使い勝手を高める工夫も備わっています。本体には高輝度LEDフラッシュライトが内蔵されており、明るさは最大で300ルクス。夜間の補給や足元確認用の簡易ライトとして実用的に使えます。セーフティーライトとして日没後に自動で点滅させることもできます。さらに赤色光やSOS点滅にも対応しており、緊急時の安全確保にも役立ちます。

防水性能は10ATMで、最大45mの潜水にも対応。その他、アウトドア機能としてストームアラートや高地アラート、コンパス、気圧計を内蔵しています。

スピーカーとマイクを搭載したことによりBluetooth通話にも対応しました。また、AI機能も充実しています。OpenAI社のGPT-4oを統合したZepp Flowでは音声による操作が可能で、メッセージの返信やウォッチの設定の変更を音声で行うことができます。

「Zepp Flow」を起動して「タイマーを1時間に設定」してみた。ボタンやタッチで操作するよりも早い。

AIを使った面白い機能としては「Zepp App Food Log」という食事記録機能があります。食べ物の写真を撮るだけで自動的にカロリーや栄養素を分析してくれるので、ロングトレイルでの補給の管理にも利用できそうです。

もちろん、日常生活を支えるスマートウォッチとしての機能も充実しています。スマートフォンと連携すれば、着信やメッセージ、アプリからの通知を手元で確認でき、内蔵マイクとスピーカーを利用してBluetooth通話を行うことも可能です。さらに、26GBの大容量ストレージを備えており、音楽を本体に保存してBluetoothイヤホンで再生できるため、スマホを持たずにランニングや移動を楽しめます。

ヘルスケア機能も豊富で、心拍数や血中酸素濃度、ストレスレベル、睡眠の質を常時トラッキングし、日々の健康管理に役立ちます。また、歩数や消費カロリー、体温の記録にも対応しているため、トレーニング時以外のライフログとしても有用です。加えて、天気予報、アラーム、カレンダー表示など、日常を快適にする便利機能も備えています。

「Amazfit T-Rex 3 Pro 48mm」は、精度の高い測位とオフラインマップを使用したルートナビゲーション、そしてバッテリーというトレイルランニングに必須の三本柱がしっかり押さえられており、価格と機能のバランスに優れた選択肢といえます。

Amazfit T-Rex 3 Pro 48mm
・価格：59,900円（税込）
・カラー：ブラックゴールド、タクティカルブラック
・ケース素材：グレード5チタン合金＋ポリマー合成素材
・ガラス：サファイアクリスタル
・ディスプレイ：1.5インチ AMOLED（解像度454×454 / 最大3000nit）
・サイズ / 重量：48×48×13.5mm / 約59g（ストラップ含まず）
・防水性能：10ATM（45mダイビング対応）
・衛星測位：デュアルバンドGNSS、GPS / GLONASS / Galileo / BeiDou / QZSS / NavIC対応
・センサー：光学式心拍 / 血中酸素 / 気圧高度計 / コンパス / 加速度 / ジャイロ / 温度
・バッテリー：典型使用最大25日、高精度GPSモード最大38時間、GPSロングバッテリーライフ最大85時間、低温モード最大10日
・バッテリーマネージャー：各種機能のオン / オフを細かく設定可能
・ストレージ：約26GB
・フラッシュライト：白色LED（200 / 300ルクス相当）、赤色光、SOS点滅
・耐環境性能：マイナス30℃動作保証、MIL-STD準拠テストクリア
・接続：Bluetooth、Wi-Fi
・スマート機能：Zepp Flow（音声AI）、Zepp Coach（AIトレーニングプラン）、AIフードログ、Bluetooth通話、音楽保存・再生