携帯性と機能の絶妙なバランス
信頼性の高い防水透湿シェル
近年、トレイルランニング用装備のウルトラライト化には目を見張るものがあります。ウインドシェルなら100g以下、防水透湿シェルなら200g以下というのは、もはやスタンダード。これによって、ランナーはより小さなバックパックで走ることができるようになりました。しかし、軽量化と使い勝手や耐久性は相反するものです。レース用のスペシャルな装備を用意するのか、それとも、普段も使いやすいような、機能や耐久性をとるかのバランスは、各ランナーのスタイルやポリシー、懐事情にも関係してくることでしょう。
今回紹介するマウンテンハードウェア(MOUNTAIN HARDWEAR)の「ガイストライトジャケット(Geist Light Jacket)」は、機能性や耐久性と重量が絶妙にバランスしたシェルです。
防水透湿システムはマウンテンハードウェアのオリジナルテクノロジー、ドライQコアの2.5レイヤーを採用。ドライQコアは、耐水性能はもちろんのこと、透湿性能にも優れていて、トレイルランニングのようなアクティブなシーンでも内部の湿気を積極的に排出してくれます。さらに、耐久性にも優れているため、高い信頼性でアスリートの期待に応えています。しかも、このシェルを構成する生地は、すべて自社開発というこだわりなのです。
着用してみると、アジアンフィットだけあって袖の長さや着丈がしっくりきます。その次に感じたのはファスナーの軽さです。多くの防水透湿シェルで採用されている止水ファスナーは上げ下げにスムーズさを欠き、ランニング中のストレスになることも。しかし、「ガイストライトジャケット」のファスナーは軽い力で上下できました。
生地にストレッチ性はほとんどありませんが、その分しっかりしていて、対摩擦性もあり長く愛用できそうです。フィット感は、トレイルランニング用だけあって、タイトですが中に重ね着できる程度のゆとりはあり、腕振りもスムーズに行えます。ポケットは胸に一つ。かなりたっぷり入ります。また、ポケットの裏地はメッシュなのでベンチレーションとしても活用することができます。袖にはベルクロ、裾にはドローコードでフィット感を調整することができます。2.5レイヤーの裏地はさらっとしていて、ペタペタ感はかなり低減されています。
走ってみると、通気性の良さはすぐに実感できました。もちろん限界はありますが、蒸れはかなり抑えられています。
試着の時にフードまで被っている方は多くないかもしれませんが、防水透湿シェルの場合、フードの使用感は大切です。頭にきれいにフィットするかはもちろん、走りながら首を上下左右に振っても視界を妨げないこともチェックポイントです。「ガイストライトジャケット」は後頭部からドローコードを調節する仕組ですが、コードの先端は耳の上あたりにあり、そこを起点にテンションをかけるようになっているので、頭にきれいにフィットして激しい動きにも追従してくれます。
「ガイストライトジャケット」は一芸に秀でた商品というわけではありませんが、実際に使用するランナーの立場に立って丁寧に作り込まれたジャケットです。ウルトラトレイルの必須装備としてはもちろん、普段のトレーニングの防寒用、レイン用ジャケットとして長く使用したい商品です。
Geist Light Jacket
ガイストライトジャケット
■価格/¥19,000(税別)
■特徴/防水防風シェル、シームシーリング、ジッパー付きチェストポケット、小さめのスタッフサック付き
■素材/ボディ:20DドライQコアライトウェイトリップ(ナイロン100%)
■サイズ/S、M、L、XL
■重量/175g(M)
■着丈/70cm(M)
■カラー/010(Black) 321(Backcountry Green)675(Rocket)
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