Appleは、画期的な安全サービスである衛星経由の緊急SOSを、2024年7月30日より提供開始しました。
「iPhone 14」と「iPhone 15」のすべてのモデルで利用できるこの革新的なテクノロジーにより、ユーザーは携帯電話通信やWi-Fiの圏外でも緊急通報サービスに情報を共有することができます。さらに、携帯電話通信やWi-Fiの電波が届かない所に出かけている時に、友人や家族に居場所を知らせたい場合は、「探す」アプリを開いて衛星経由で位置情報を共有できます。このサービスは、7月30日より2年間、または新しい「iPhone 14」または「iPhone 15」のラインナップに含まれるすべてのモデルのアクティベーション時から2年間無料で利用できます。
2022年の発表以来、衛星経由の緊急SOSは、提供されている16か国ですでに人命救助に役立ってきました。「iPhone 14」「iPhone 15」の独自に設計されたハードウェアと緊密に連係するソフトウェアの組み合わせにより、衛星に直接接続できます。衛星経由の緊急SOSは、緊急SOS、メディカルID、緊急連絡先、「探す」の位置情報の共有など、iPhoneユーザーにとって不可欠な既存の機能を基盤としており、衛星に接続して重要な情報を緊急通報サービス、家族、友人と共有できるようにします。
この革新的なサービスにより、ユーザーはAppleによるトレーニングを受けた緊急対応専門スタッフがいる衛星中継センターとつながり、スタッフがユーザーが必要な助けを得られるようにユーザーの代わりに緊急通報サービスにただちに連絡します。
衛星経由の緊急SOSの仕組み
iPhoneではすでに、ユーザーが助けを必要としている場合、110、118、または119に発信できなくても、緊急SOSスライダが表示されるまでサイドボタンといずれかの音量調節ボタンを長押しすることですばやく簡単に緊急通報サービスに電話をかけることができます。衛星経由の緊急SOSでは、携帯電話通信やWi-Fiの電波が届かないために緊急通報サービスに接続できない場合に、ユーザーが衛星接続を利用して助けを得られるように、使いやすいインターフェイスがiPhoneに表示されます。簡潔な質問が表示され、ユーザーは何回かタップするだけで重要な質問に回答できます。これらの回答は、ユーザーの状況と位置情報を迅速に把握できるように、最初のやりとりで通信指令台に伝達されます。
Appleは、緊急通報サービスに連絡する最も一般的な理由を特定するために、専門家と緊密に連携して標準の質問と手続きを検討しました。
質問のあと、直感的なインターフェイスによって、衛星に接続して最初のメッセージを送信するためにiPhoneを向けるべき空中の方向をユーザーにガイドします。このメッセージには、ユーザーの質問への回答、位置情報(高度も含む)、iPhoneのバッテリー残量、メディカルID(有効になっている場合)が含まれます。ユーザーの緊急連絡先が情報を把握できるように、衛星中継センターの専門スタッフとのやり取りの記録を緊急連絡先と共有することもできます(iOS 16.4以降とiMessageを使用する最大10件の緊急連絡先に、ユーザーの位置情報、緊急事態の種類、緊急通報サービスとのやり取りがリアルタイムで書き起こされて送信されます。iPhoneを使っていない緊急連絡先と、iOS 16.4以降またはiMessageが搭載されていないiPhoneのユーザーには、ユーザーの位置情報と緊急事態の種類が表示されます。ユーザーは、緊急連絡先との情報の共有をいつでも停止できます。衛星中継センターや、ユーザーの場所に最も近い通信指令台への連絡のために、位置情報はAppleとも共有されます)。
衛星の動きは高速で、帯域幅は小さく、位置は地球から1,000キロメートル以上離れているため、短いメッセージでも届くまでに数分間かかることがあります。Appleが独自に設計および構築した部品とソフトウェアにより、「iPhone 14」と「iPhone 15」は大きなアンテナがなくても衛星固有の周波数に接続できます。また、メッセージの平均サイズを3分の1に縮小して可能な限り体験を高速化するテキスト圧縮アルゴリズムも開発されました。衛星経由の緊急SOSでは、ユーザーは視界が開けた条件下ではわずか15秒でメッセージを送受信できます(接続と応答にかかる時間は場所、現地の状況、その他の要因によって変わります)。
ユーザーは、内蔵されている衛星経由の緊急SOSのデモを使って、緊急通報サービスへの連絡は行わずに範囲内の実際の衛星に接続し、iPhoneで衛星接続をテストできるので、プロセスを体験してサービスに慣れておくことができます。
衛星経由の緊急SOSでは、ユーザーは視界が開けた条件下ではわずか15秒でメッセージを送受信できます
携帯電話通信やWi-Fiの圏外にいるユーザーは、緊急事態が発生していない場合でも、この先進的なテクノロジーにより、「探す」を使って衛星経由で自分の位置情報を共有できます。「探す」アプリでは、ユーザーは「自分」タブを開き、上にスワイプして「衛星経由の位置情報」を表示して、「自分の現在地を送信」をタップできます。「iPhone 14」と「iPhone 15」の衛星接続は、衝突事故検出や転倒検出など、iPhoneとApple Watchで利用可能なほかの安全機能とも連係します。
・衛星経由の緊急SOSと衛星経由の「探す」は、日本のほか、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ニュージーランド、ポルトガル、スペイン、スイス、英国、米国で現在利用可能です。
・衛星経由の緊急SOSと衛星経由の「探す」を利用するには、iOS 17.6以降が必要です。