
ザック・ミラーが来日時に惚れ込んだ、日本企画の名品たち
THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)というと、グローバルブランドというイメージが強いと思います。実際、VECTIVシリーズなどのシューズはグローバル企画で世界中のアスリートが使用しています。しかし、アパレルやバックパック、一部のシューズには日本企画の商品が多く存在します。
日本企画の商品は、他国では販売していないし、グローバルアスリートの公式使用用品にはならないため、世界的な露出も少ないです。ところが、その性能の高さは海外のトップアスリートたちから高い評価を得ています。先日来日したトップトレイルランナーのザック・ミラー(USA)も、日本企画のプロダクトに触れ、その完成度の高さに驚きを隠せない様子でした。

毎日履きたくなるシューズ
「ALTAMESA RD 500」

トレイルランニングシューズ「Altamesa500(アルタメサ500)」はグローバルモデルですが、そのロード版である「ALTAMESA RD 500(アルタメサロード500)」は実は日本企画のシューズ。ザックが来日中、最も興奮していたのがこのシューズでした。滞在中は毎日平均15kmほど走っていましたが、自身の持参したシューズは使わず、常に「ALTAMESA RD 500」を履いていました。
「CRAZY COMFY !(本当に最高)」
彼がこう叫んだのは、着用時のストレスのなさ、そして毎日履きたくなる快適性でした。特にミッドソール部分のクッション性の絶妙なバランスを高く評価。アッパー部分のフィット感も、足を入れた瞬間にピタッとしっくりくるとのこと。
「Altamesa500」のジオメトリーをデイリーランニング向けにアレンジした「ALTAMESA RD 500」は、柔らかな履き心地で反発性とクッション性を重視した厚底ロードランニングシューズです。ミッドソールには、軽量でありながらクッション性と反発性の高いDREAMフォームを採用。接地面積を広くしたワイドミッドソールジオメトリー構造で、安定感を向上させています。
アッパー素材には通気性が高いエンジニアードメッシュを採用。アッパーと砂除けが一体化してフィット感を高めたガセットタン構造が、シューズ内で足がズレるのを軽減します。
プレートのないボトム構造により、ミッドソールの柔らかい履き心地をダイレクトに感じながら、安定感のある走りが可能。アウトソールは接地面が多いフラットなラグパターンで高いグリップ性のSurfaceCTRLアウトソールラバー(10%天然ラバー配合)を採用し、スムーズな走行をサポートします。
実はザックは足の怪我を抱えており、「VECTIV Enduris 4(ベクティブ エンデュリス 4)」をカスタマイズしていましたが、踵部分が柔らかすぎるという課題がありました。「ALTAMESA RD 500」のインターナルヒールカウンターの適度なホールド感が、彼にとって理想的だったのです。
デイリーユースから軽いトレーニングまで、幅広く対応できる一足として、日本でも注目すべきモデルです。

ロールポケット+ヘルメットポケットに注目
「TR ROCKET」

「TR ROCKET(TRロケット)」は本格的なトレイルレース用のランニングベストとして進化を続ける、軽量性と収納性を備えたTHE NORTH FACE SUMMIT SERIESの代表モデル「TR」の大型(14L:Mサイズ)パックです。メインファブリックは、耐久性と軽さを両立した素材を使用。また、ストレッチ素材を使用することで収納スペースを確保しています。
背面は、通気性が高く保水しにくいモノメッシュを採用。ムレ感や濡れによる重量増を軽減し、快適な背負い心地が持続します。背面の肌面のモノメッシュとバインディングには、銀イオンによるポリジン・ステイフレッシュ加工をすることで抗菌・防臭性を備えています。
また、ショルダー部分には、上段の可動式ストラップを加えた3本のチェストストラップを配置し、フィット感とホールド性を向上。大きく開口するロールトップ式の本体は、荷物の量によって容量を調整でき、スムーズな収納が可能。本体内部へのアクセスファスナーを備え、ロールトップを開閉することなく収納することもできます。
本体上部には走りながらでも収納可能な引手の長いファスナー付きポケットを装備。ショルダーハーネスにボトルポケットを、両サイド脇下にはストレッチスリットポケットを備えています。本体下部のストレッチポケットには左右どちらからでもアクセス可能な設計。夜間をまたぐレースシーンを中心に、日帰りの登山まで活用できる汎用性と機能を結集しています。
ザックは、ロールトップ式で容量調整がしやすく、耐久性と軽さを両立した実用性の高さには強い関心を示していました。ヘルメットを入れる外ポケットも気に入ったようでした。
軽量性と機能性を両立
「Trail EMERGENCY Hoodie」

ザックは、アスリートから一般ランナーまで幅広い層に支持されているコアアイテム、「Trail EMERGENCY Hoodie(トレイルエマージェンシーフーディ)」とパンツも入手。軽量性と高い機能性のバランスに感心していました。
「Trail EMERGENCY Hoodie」はトレイルランニング時の実用的な使いやすさと機能を追求して開発したウィンドシェルです。素材は、リップストップナイロンの一枚地。手のひらサイズのコンパクト性を誇るわずか約90g(Lサイズ)の軽さながら、生地の裏面に施したスパッタリング加工のチタンコーティングによって保温効果を発揮します。
無駄を省いたデザインで、ファスナーはフロント下部の1カ所のみ。ポンチョのように着脱できる必要十分な長さのファスナーは、上下から開閉することができ、ベンチレーションの代わりと内部へのアクセスを可能にします。また、背面部にゆとりを設けることで、パックを背負ったまま着用できます。
冬場はウィンタースポーツも楽しむというザック。スキーでの着用も想定していましたが、パンツのジップ位置が非常に高く、シューズを履いたまま着脱可能な設計に実際に試して納得の表情を見せました。細部まで考え抜かれた実用性の高さが、日本企画ならではの配慮です。

丈が短いショーツを好むザックにとって、「ENDURIS RACING SHORT(エンデュリスレーシングショーツ)」では少々長すぎたよう。一方、「ENDURIS Trail Very Short(エンデュリストレイルベリーショーツ)」は理想的な丈でした。
軽量性と収納の利便性を追求した「ENDURIS Trail Very Short」は、雨や霧などの影響を受けにくいはっ水加工を施した軽量ナイロン素材を採用。裾口は縫い目のないフリーカット仕様で、肌当たりが少なく軽快に脚上げできます。
ウエストにはストレッチ性の高い素材を使用した6つのポケットを配備。幅広い面で体にフィットさせて収納できるため、ジェルやエナジーバーなどの行動食や、スマートフォンなどの小物の揺れを抑えながら携行できます。背面にはアウター収納用ベルトがあり、脱いだジャケットを走りながら収納可能。
ザックは高いストレッチ機能を持つ6ポケットの便利さと機能性を絶賛。USモデルはポケットが少ないため、この充実したポケット配置は日本企画ならではの細やかな配慮です。補給食やスマートフォンなど、トレイルランニングに必要なアイテムをしっかり収納できる実用性が光ります。
日本企画の真価
ザックはラフな見た目と裏腹に、サイズ感や着用感、使い方など、実はギアのスペックに非常にこだわっていました。そんな世界トップレベルのアスリートの目が認めた日本企画のプロダクト。細部まで考え抜かれた設計、日本人の体型や使用環境を想定した仕様が、結果的に世界で通用する高性能を生み出しています。グローバル展開されていないからこそ知られていない名品が、THE NORTH FACEの日本企画には数多く存在します。

ザック・ミラー(Zach Miller)
1988年10月30日生まれ。アメリカ・ペンシルバニア州出身。幼少期をケニアで過ごし、20代前半にはクルーズ船での仕事を通じて世界各地を転戦。現在はコロラドとオレゴンの2拠点でミニマルな生活を送りながら山とともに暮らすトレイル&ウルトラランナー。大学では機械工学を学び、クロスカントリー競技を経験。2013年の「JFK 50」と2014年の「Lake Sonoma 50」の2つのレースで優勝した。2015年には、UTMBのCCC(101km)でアメリカ人男子選手として初めての優勝を遂げる。それ以来、ポルトガルの「Madeira Island Ultra Trail(MIUT)」、カリフォルニアの「THE NORTH FACE 50」(2015、2016年2連覇)で優勝し、2023年の「UTMB Mont-Blanc」(170km)では2位となるなどの活躍を続けている。The North Faceの製品開発にも深く関わり、機能や耐久性に対して独自の哲学を持っている。
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