[第9回] 神流マウンテンラン&ウォーク
2017年11月12日 @群馬県多野郡神流町
ロングクラス/40km(累積標高差2,976m)に愉快な仲間たちと一緒に参加してきました。昨年、キツイと言われるスーパーロングクラスに無謀にも挑んだ末に、第5エイドステーション:持倉集落(29.1km)でタイムアウト。とても残念……。そんな気持ちを払拭するためのリベンジレース。今年こそは何としてもゴールするぞっ。
【前夜祭】
「神流は楽しい♪」走ったことのある人は大概そう言い、リピートする人も少なくない。前夜祭はその理由の1つだろう。高校の体育館が会場となり、テーブルの上には幕ノ内弁当・おこわ・サラダ・飲み物各種が準備されている。さらに、ビュッフェも用意されていて、うどん・焼きそば・豚汁・おでん・漬物・フルーツ…等々、食べ放題&飲み放題なのだ! 特に、鮎の塩焼きが名物で、お皿にずらっと並べられた焼きたてほやほやの鮎を、スタッフの方々が各テーブルへと回りながら配膳してくれる。鮎1匹、頭からムシャムシャとかぶり付く。
また、神流の山から切り出した竹で作った手作りコップも参加者全員分用意されていて、お土産として持ち帰り可能。竹の香りがほんのりする、この味のあるコップで飲む日本酒もまた美味しい。私の両隣りに座っていたおじさん2人は典型的な“ついつい飲み過ぎる人”。自・己・責・任☆
ステージではジャズの生演奏もありつつ、最後は『トレイル☆ランナー』というこの大会オリジナルソングを聴いて、歌って、盛り上がって…… 撤収~。その後しばらくは♪ 神流マぅンテぇンラン&ウぉ~ク♪ というサビのフレーズが頭の中でリフレインするのであった。
【スタート~A1神流町役場前~A2西御荷鉾山中央登山口(みかぼエイド)】
7:00amスタート。雲一つない。見事なまでの快晴だけど風は冷たく、なにせ寒い。シェルを着たままゆっくり走り出す。しばらくは、ロードが続く。一緒にスタートしたコッシーが「全然、身体あったまらないなぁ。そろそろ山入りたくない?(笑)」2.9km走ったところで、いよいよトレイルに入る。ほどなくして、シングルトラックの登りに。三浦大根のようなふくらはぎをしたコッシーの後ろに付く。登りは延々と続く。三浦大根を追いかけて、えっちらおっちらと登り続ける。身体はじんわり温まってきたけれど、指先が寒い。グローブを忘れたのが悔やまれる。
そうこうしていると、後ろから「スーパーの選手通ります!」の声。6:00amにスタートしたスーパーロングのトップ選手たちが追い付いてきたようだ。端によって道を譲る。トップ選手たちは、こんな急な登りでも淡々と駆け上がって行く。ひょえ~ シングルトラック、左側は崖でしかも手をついてよじ登らなきゃいけないような箇所でもドンドン追い抜いて行く。ぶつかったら落ちちゃう。ちょっと怖いな。
傾斜がなだらかになってきたところで、おもむろに振り向くコッシー「そろそろ走るんで、良かったら使って?」グローブを差し出した。「え? あ、いや、大丈夫。」暖まってきたし、私もそれなりに走るし。これを最後に、コッシーは先へ。そして、私はこの時の判断を後々悔やむことに。くっ
8:53am A2西御荷鉾山中央登山口(みかぼエイド)(10.5km)着。同じく一緒にスタートして、すぐ後ろを走っていたI子さん・サトさんと合流。まだまだ元気な様子。2人はトイレに並ぶようなので、先にエイドを出る。「また後でねー!?」山頂付近は霜が張っている。どうりで冷え込むわけだ。
9:13am 西御荷鉾山山頂(1,287.2m)着。通過の証明として、ゼッケンに(自分で)スタンプを押す。記念撮影を頼むも、指先がかじかんでいて、スマホを上手く操作できない。立ち止まる時間はなるべく短くして先へと進む。下りに差し掛かると人が疎らになり、前後に人が見えなくなったが、道案内の看板やピンクのマーカーが要所要所に設置してあるので、1人になっても比較的安心だ。
下り切ってロードに出たところで私設エイド発見。温か~~いココア。なんて美味しいのだろう♪ 甘さと温かさが染み渡る。一口ずつ大事に飲む。「ごちそうさまでした!」山での温かい飲み物って貴重だなぁ。生き返った。そして、神流が楽しい主たる理由であるふかふかトレイルを赤や黄色に色づく木々を愛でながら走る。
続いて現れた、この大会の姉妹大会である中能登トレジャートレイルランの私設エイドでは、古代米で作ったといううどんをいただく。鏑木さんもその辺に立っていたので、一緒に写真を撮ってもらった。2人で横並びになり、カメラにピースサインしながら「天気、最高に良いですねぇ」「そうですねぇ、でも風が冷たいですよねぇ」と世間話でリラックス。次の公式エイドまでしばらく続く林道を走ったり、歩いたり。
どうしようかな…… 着ておこうかな。歩いている時間も長くなったので、シェルを着ようとザックをガサゴソ。上の方に入れたよな。あれ、下の方に動いたかな。おや、奥へ行ったかな。ガサゴソガサゴソ? ガサゴソガサゴソ?? もしかしてだけど…… ないっ!!!?? 止まって、しゃがんで、ザックの中身を全部出しても、なぁーーーいっ!!!! しまった、落したか。いざって時は、このエマージェンシーシートだな。動揺しながらも、装備を再確認し前へと進む。
【A3~A5持倉集落】
10:37am A3みかぼ森林公園(18.9km)着。関門は12:00pm。昨年、ギリギリで通過したことを思い出す。今回は大丈夫そう。付かず離れずのI子さん・サトさんと再び合流。挨拶を交わしつつ、また私は一足先にエイドを出た。昨年とは異なり、気持ちの余裕はあるけれど、脚には余裕がないみたい⁈ まだ半分なのに、疲れてきた感じがする。脚が動かない。途中の私設エイドで「ビールありますよぉ!よ~く冷えていますよぉ!!」という声を聞いたけれど、残念ながら、よ~く冷えたものを摂取する余裕がなかった。「写真だけ撮らせてください?」と言うと「はい。。」と残念そう。すまんね、青年よ。お気持ちだけいただきます。
11:55am 白髪山山頂(25.1km)。標高はコース最高の1,521m。この辺りでI子さん・サトさんに追い付かれる。「私、うっかりシェルを落としちゃって…… 手がかじかんで動かないから大変で(@_@)」と話したら、I子さんはシェルを2枚持っているとのことで、1枚お借りして…… 手が動かないから、着るのを手伝ってもらって、さらに、サトさんからはグローブを借りて、左右の手に2人掛かりではめていただきました。ご親切に、本当にありがとうございますm(_ _)m 「あの時、コッシーのグローブを借りておけば良かった」
この後も、この親切な2人とは抜きつ抜かれつしながらも、付かず離れず走る。グローブで末端まで暖まり、それが指先ばかりかジワジワと身体全体にまで広まっていき、油を差したかのように脚も動くようになってきた! とは言え、白髪山以降は下り基調。場所によっては、激下りもあったりして。下りの苦手な私にはちょっと大変。この長ぁいつづら折りの道を下り切ったところがエイドだ。怪我をしないように気を付けて進む。
【A5~A6安取峠】
12:35 A5持倉集落(29.1km)着。ココで、一緒に参加している愉快な仲間たちと遭遇。まずは名物の手打ち蕎麦と花豆を、目の前に広がる紅葉した山の景色を眺めながらいただく。これも神流の楽しみのひとつ。
スタート直後から、少し前を走っていたみほこさんとも会えた。顔が真っ白だ。「気持ちが悪くなっちゃって。気が付いたらお腹が減っていたから、ハンガーノックかと思って一生懸命食べたんだけど、治らなくて」体育座りをしている。大丈夫かな。「みほこさん、行かないの? ちょっと歩いてみたら? じっとしていても身体冷えちゃうし」促すと「そうだね。ゆっくり行ってみる。私、この先は歩き倒すことになると思う」と立ち上がった。私も、昨年は回収バスに乗って出たこのエイドを、今年は自分の脚で歩いて出た。
みほこさんの「ゆっくり歩く」は私には早足のスピード。そして「歩くと言いつつ、ココは走る!」と不意に走り出すみほこさん。特に追いかけもせず、私は私のペースで、写真を撮ったりしながらレースを楽しむ。
【A6~ゴール】
13:20 A6 安取峠(32.4km)着。ここのかりんとう美味しかったなぁ。これも名物なのかな。ゴマたっぷりで香ばしく、上品な甘さがコレまた良い。2本だけいただいてゴールを目指す。
しばらくロードを行くと、鏑木さん一押しのコース上最後のトレイルである神丸尾根に突入する。先に述べたように私は下りが苦手。これでもか!という下りに左膝が「痛いよぅ」と駄々をこねだす。困ったものである。あと少しだからね、となだめすかしながらゆっくり進む。
ラスト5kmを切ってから一登りが入ってからのロード。最後の最後で私設エイドがあり、仲間の「是非立ち寄って!」という事前のアドバイス通りに足を止める。下り途中にあるので、後から来るランナーは結構良いスピードで、立ち寄らない人が半分。キュウリの浅漬けをムシャムシャして、走り出す。ゴールへまっしぐら、そして無事フィニッシュ!!!
帰りのシャトルバスに乗る前に、一息ついて、シャワーを浴びるだけの時間の余裕ができるほど。先にゴールしていたみほこさんは回復したらしく、顔色も戻っていた。ヨカッタヨカッタ。落したシェルも、親切な人に拾われて大会本部に届けられていた。アリガタヤアリガタヤ。美しいながらも厳しい山の自然と、人の優しさに触れることの出来た大会だった。
■神流マウンテンラン&ウォーク http://www.kanna-mountain-run.com/