ゼロドップでも構えることなく、長く快適に走れる厚底ロングツーリングモデル
・ストレスがなく快適な履き心地の２レイヤーアッパー
・スタックハイト33mmはALTRAで最も厚底
・テクニカルトレイルにも対応できるプロテクションとグリップ
足指が自然に広がってリラックスできるフットシェイプと、つま先とかかとの高さがないゼロドロップを基本とし、「自然の走り方」を実現するためのシューズ作りを持ち続けているアメリカのALTRA（アルトラ）。今回レビューするのはラインナップの中で最も厚底でクッション性に優れている新作「Olympus 6」です。
ALTRAのラスト（足型）は足指を束縛しない広いトゥボックスが特徴ですが、その中でも3種類のフットシェイプを用意しており「Olympus 6」は最も広いオリジナル フットシェイプを採用しています。
「Olympus 6」のアッパーは２層構造になっていて、タンと一体化したインナーレイヤーを備えています。外側のエンジニアードメッシュは前作よりも通気性がアップ。オーバーレイの補強は２段階の厚みを使い分けて自然なフィット感になるように工夫されています。
前作と比べるとタンは厚みを増していますが通気性は犠牲にしていません。また、シューレースの幅が広くなったことで甲を優しく押さえることができます。履き口のパッドは厚く、とくにアキレス腱周辺は入念にパッドが貼られており、ヒールが浮く心配はありません。
スタックハイトはフォアフット、ヒール共に33mm。ドロップは0mmです。ミッドソールは圧縮成型EVAを採用。ヒール付近のサイドを盛り上げたガイドレイル構造で足のブレを防いでくれます。また、ヒールはボトム部分の幅が広くなったフレア形状になっています。接地幅は実測値でフォアフット117mm、ヒール103mm（28.0cm）とかなりワイドです。
アウトソールのコンパウンドはさまざまなサーフェスで強力なグリップ力を発揮するVibram®のメガグリップ。ラグの高さは4mmで場所によって形状や大きさを緻密に変えています。土踏まず付近は大きく肉抜きされていて、むき出しのミッドソールにもラグがついています。さらに、フォアフット部には足指のラインに、ミッドフットからヒールにかけてはセンターに大きなフレックスグルーブが刻んであります。
シューズに足を入れてみた印象はラグジュアリー。タンと一体化したアッパーのインナーレイヤーはソックスのように足を包み込んでくれます。内部のスペースにもゆとりがありトレイルランニングシューズとは思えないほど優しい履き心地です。
走り出すとソフトなクッション性も手伝って快適指数はさらに上がっていきます。プラットホームが広いため安定感があり、厚底でありながらフレックス、トーション共にソフトなため、足のどこに荷重しても自分が意識しているポイントと実際にシューズが路面をつかむポイントが一致しています。これはある意味、素足に近いフィーリングでした。また、意図しない方向に引っ張られるような挙動がないため、不整地での足さばきは意外なほど軽快です。トレイルの突き上げは感じにくく足はしっかりと保護されています。
メガグリップのアウトソールはドライな路面はもちろん、ぬかるみや岩の上でも的確にグリップします。ソールがしなりやすいので荷重点に力が集まりやすいのもグリップには良い影響を与えているようです。
「Olympus 6」を履いて最も楽しめるのはやはり下りです。ふんわりとしたクッションを楽しみながらペースを上げていくと、いつもよりも足への負担が少なく、快適なダウンヒルを味わえます。ガレたテクニカルなスロープにもしっかりと対応してくれます。
「Olympus 6」は厚底シューズの一番の特徴である快適性を提供してくれるのはもちろん、安定性と走破性も高い次元でバランスしているところが魅力です。いつもより長い距離をより快適に走りたい、最長距離に挑戦するようなレースに出場したいなら、きっといい相棒になってくれると思います。
Olympus 6
（オリンパス ６）
・価格：¥25,300（税込）
・重量：345g（28.5cm）、289g（25.5cm）
・スタックハイト: 33mm
・ドロップ：0mm
・カラー：MENS 4色、WOMENS 4色
・アッパー：Engineered mesh
・ミッドソール：圧縮成型EVAフォーム
・アウトソール：Vibram® Megagrip
