TrailRunner

【Review】THE NORTH FACE 「VECTIV Forward(ベクティブ フォワード)」

トレイル育ちのロードシューズは、バランス重視のハイスピードモデル

 

Summary
・トレイルのフラッグシップ「Summit VECTIV Pro 3」の思想をロード用に最適化
・厚底でもグラつきにくい、3Dプレート+ロッカーの推進力と直進性
・気持ちよく転がるのに無理がなく守備範囲が広い
・ロード用でありながら、足運びに“山の経験値”が滲む一足

 

THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)のトレイルランニングシューズといえばVECTIVが真っ先に思い浮かびますが、そのVECTIVシリーズになんとロードランニングシューズが2モデル加わりました。
一つは今回レビューする「VECTIV Forward(ベクティブ フォワード)」で、「Summit VECTIV Pro 3(サミット ベクティブ プロ 3)」の機能性やジオメトリーをベースに開発されたハイスピードモデルです。そしてもう一つが「VECTIV Versa(ベクティブ バーサ)」で、「Summit VECTIV Sky 2(サミット ベクティブ スカイ 2)」のソールシステムをベースとしたマルチランニングモデルです。

 

 

アッパーは通気性を優先したブリーザブルメッシュ。汗抜けがよく、蒸れを引きずりにくい印象です。トレイルモデルと比べると、高耐久補強を前面に出していないぶん、ストレッチ性が高く足当たりがスムーズで、ロードの快適性をきちんと押さえています。

 

しなやかなアッパーと厚いミッドソール。ミッドフット部からはウイング形状のプレートが顔を出している。

 

トウ周りは、締め付けすぎず余りすぎない設計。細身すぎるラストではなく、足指が自然に広がる余地を残しているのは「Summit VECTIV Pro 3」と同様で好印象でした。ヒールは、着地時の安定を重視した構造。カップの深さと形状がしっかりしており、かかとが逃げにくい作りです。履き口は、くるぶし周りの当たりがソフト。硬さで固定するというより、面で支えるタイプです。タンもズレにくく、シューレースの圧が一点に集中しづらい構造。長時間のランで快適性が落ちにくい要因のひとつです。

 

タン、履き口共に薄く、足首をしっかりホールド。パッドは内側に付く。

 

そしてこのシューズの核になるのがソールユニット。スタックハイトはフォアフット29.5mm、ヒール35.5mm、ドロップは6mm。「Summit VECTIV Pro 3」よりも3.5mm低いものの、しっかりとした厚みがあります。ミッドソールは超臨界発泡のDREAMフォーム。ロードランニング用にクッション性を重視した硬度となっています。

 

(左)3Dプレート(中)ミッドソール(右)アウトソール。

 

「Summit VECTIV Pro 3」ではミッドソールの上下にプレートを配置しているのに対して、「VECTIV Forward」では上部のみに安定性を高めるカーボンとPebaxを配合した立体形状のプレートを搭載しています。アウトソールは、天然ゴムを10%配合した粘りのあるコンパウンド。接地面積が広く、安定感に寄与しています。

 

ソールのセンターには深いグルーブ(溝)が刻まれている。

 

さらに、ミッドソールのセンター部分は大きくくり抜かれていて、上部のプレートが顔を出しています。プレートを減らし、ミッドソールを大きくくり抜いたことは軽量化にも大きく貢献しており、「Summit VECTIV Pro 3」よりも約40g軽く仕上がっています。

足入れした印象は「Summit VECTIV Pro 3」と似ていて、ダイレクトなフィット感ですが、アッパーのメッシュがいくぶんしなやかなため、より優しく包まれる感覚です。トウボックスには十分なスペースがあります。

 

タンはソールと接続されて包み込まれるようなフィット感。

 

ライド感は柔らかすぎず、跳ねすぎず。ハイテンポでバランスよく走ることができました。3Dプレートが着地時の横ブレと中足部のねじれを抑制してくれるため、着地から蹴り出しまでの動線が整い、安定感を強く感じられます。そして、しっかりと反り上がったロッカー形状によって次の一歩が自然と前に出て、接地時間が短くなり、脚への負担も軽減されます。ロングランで脚が疲れてきた時にありがたく感じられました。

 

(上)「VECTIV Forward」(下)「Summit VECTIV Pro 3」。

 

「VECTIV Forward」は、トレイルシューズのジオメトリーをロードへ持ち込みつつ、必要以上の“山仕様”を外した結果として、軽快で扱いやすい一足。ロードでの快適性が前に出た印象です。前へ進む感覚が非常に素直なので、自分で無理に蹴らなくてもいい。足を置くだけで自然と前へ転がってくれる感覚があります。バネ感でスピードを出すというより、一定ペースで走り続けるための“省エネ推進”が得意だと思います。テンポよく走れるのに脚を守りながら、走りを崩さない。そんな一足だと感じました。

 

 

VECTIV Forward
(ベクティブ フォワード)
・価格:27,500円(税込)
・サイズ:23.0-29.0cm
・カラー:3色
・重量:255g(27.0cm)
・ドロップ:6mm
・スタックハイト:ヒール35.5mm、フォアフット29.5mm
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