ハイクッションのロングディスタンスモデルで
トレイルもロードもいけるハイブリッドシューズ
軽量で鉄の200倍の強度がある夢の素材、グラフェンをアウトソールに搭載した世界初のシューズとして、2018年7月に発売されたinov−8(イノヴェイト)の3モデル。その中の「TERRAULTRA G 260 UNI(テラウルトラ G 260 UNI)」から、グラフェンとアッパーのケブラーを別の素材に変更したシューズが、今回紹介する「TERRAULTRA 260」です。
グラフェンとケブラーを採用しなくても新しさは満載で、とても興味深いシューズです。
アッパーはラウンドした広めのトウボックスでボリュームは充分にあります。「TERRAULTRA G 260 UNI」のケブラーで補強されていた部分は通常のシームレスの補強となっていて、見た目の印象はワイルドさが取れてスマートになりました。シューレースはinov−8としては珍しい丸紐。前回紹介した「X-TALON ULTRA 260」も丸紐ですが「TERRAULTRA 260」は伸縮が少なくしっかりしたタイプです。
足首周りの薄めのパッドとヒールカウンターを内蔵しないこだわりは、すべてのラインナップで一貫性を貫いています。変えるべきところは細かい部分も変え、変えないところは頑固なまでに踏襲するこだわりが感じられます。
ミッドソールにはEXTEROFLOWを採用。POWERFLOW+よりも衝撃吸収性と反発性に優れています。内蔵するシャンクは足裏の靭帯板の形状に合わせたDFB(ダイナミック・フェイシア・バンド)。シャンクというと硬いプレートをイメージするかもしれませんが、上の写真のように簡単に折り曲げられるほどしなやかなのが特徴です。
4mmのフラットなラグを持つアウトソールは新しいスティッキーグリップが採用されています。ドロップ(つま先と踵の高低差)はゼロで、完全にフラット。厚底シューズを除くと、inov−8に限らず、ソールが厚くなるほどドロップが大きくなる傾向があります。つまり、薄底のシューズでゼロドロップが採用されるケースが多いのですが、「TERRAULTRA 260」はしっかりとした厚みがありながらもゼロドロップに設定しているのが新しいところです。この結果、シューズのクッションをしっかりと感じながら、足は素足に近いバランスで走ることができます。
足入れしてみると、大きめのトウボックスのおかげで、フィットにはかなりゆとりがあります。アッパーは全体にしなやかですが、ヒールのサイド部分はしっかりしています。ゼロドロップとフラット感の高いソールのおかげで、極めてナチュラルなポジションとなります。ゼロドロップに慣れていない方は、つま先の方が高く感じるかもしれません。走り出すと、いつもよりも踵が路面に引っかからないように感じるでしょう。さらに、つま先と踵部が反り上がったロッカー形状ぎみになっているため、スムーズな接地をすることができます。
クッションはフカフカというほどでもなく、適度に反発してくれるので、テンポよく走ることが可能です。アウトソールのラグがフラットなのでロードでの安定感も抜群。固く締まったトレイル、ロードや林道が多いシチュエーションを得意とします。
前回紹介した「X-TALON ULTRA 260」が柔らかめの路面を得意とするロングディスタンスモデルなので、この「X-TALON ULTRA 260」を併せて揃えておけば、どんなシチュエーションでも完璧に対応することができそうです。
TERRAULTRA 260
■価格/¥16,500+税
■カラー/Men’s:2色、Women’s:2色
■サイズ/Men’s:25.0cm〜30.0cm、Women’s:22.0~25.5cm
■素材/アッパー:合成繊維/合成樹脂 ソール:ゴム底
■inov-8 http://www.inov-8-jp.com
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