クラスを超越したクッション性と安定感を備えた、新世代のピュア レーシングシューズ
・ブーティー構造による一体感が高いフィット
・超臨界発泡のミッドソール+Pebaxデュアルプレート
・このクラスとしては安定感とクッション性が高い
トレイルランニングのあらゆるニーズをカバーするシューズをラインナップするBROOKS(ブルックス)ですが、唯一欠けていたのが純レーシングシューズでした。「Catamount Agil(カタマウント アジャイル)」は、そのピースを埋めるニューモデルです。「Catamount」というネーミングが使用されていますが、既存の「Catamount 3」をベースとしているわけではなく、新しく設計されたシューズです。
アッパーは極薄なエンジニアードメッシュのシングルレイヤーで、部位によって密度を変えてあり、サイドや甲の上部は足が透けるほど薄くなっています。薄いわりに強度は高く、さらにオーバーレイによる補強の他、サイドやボトム付近は内側からも補強が施されています。
独立したタンがなくソックスのようなブーティー構造で、タンから履き口、そしてヒールはニット素材になっています。履き口の内側とヒールにはしっかりとパッドが入っているため踵はしっかりとホールドされます。
スタックハイトは実測値でトウ約18mm、ヒール約24mm、ドロップは6mmです。ミッドソールのコンパウンドは、窒素を注入し超臨界発泡で成型した新素材、DNA FLASH v2を採用。従来の素材と比較してエネルギーリターンが10%向上していながら、路面からの衝撃を吸収する優れたクッション性も持ち合わせています。このミッドソールはロードレーシングモデルの「Hyperion Elite 4(ハイペリオン エリート 4)」にも採用されています。
ミッドソールの最下層にはSpeed Vault トレイルプレートと呼ばれるPebax製のプレートが左右二つに分けて装着されています。そして、そのすぐ下にはフォアフットとヒールで分割されたアウトソールが貼られています。素材はBOOKSが独自に開発したTrailTack Green。適度に間隔を空けて配置されたラグは小さめのシェブロン形状。高さは実測値で約4mmです。
足を入れてみると足型は全体にスリムですがフォアフット部分は少しゆったりしています。アッパーのメッシュは伸縮性がほとんどありませんが、タンと履き口のカラーのニットは伸縮性が高いく張りもあるので、アッパー全体としてのフィット感は抜群で、シューレースを絞めなくても走れるくらいです。足首周りも隙間なくフィットしてくれるので細かい異物の侵入も防いでくれます。
ソールが薄く重量も220g(27.0cm)と軽量なので、走った印象はかなり軽快です。ソール全体が足裏の動きにうまく同調してくれる一体感もありました。Speed Vault トレイルプレートは路面から足が離れる瞬間にスナップが効く感じがします。カーボンのように強力ではないため自然なフィーリングでした。
ミッドソールが薄い割にクッション性は高く、見た目のイメージよりも足へのダメージを抑えてくれます。また、このクラスのシューズにしてはプラットホーム(とくにヒール部)が幅広いので安定感もあります。
トレイルでのグリップは強力です。ラグが小さめなので荷重が集まりやすいため、しっかりと路面に食い込みます。ラグの高さもあり、泥の抜けも良いのでマッディな路面も苦になりません。
「Catamount Agil」はバーティカルやショートレース向けのレーシングシューズであることは間違いありませんが、このカテゴリーとしてはクッション性と安定感が高いので、ミドルディスタンスでも十分に対応できる幅広さを持っています。スピードを出せるコースやぬかるんだコースなどで攻めた走りをするときはもちろん、トレーニングで地足を鍛えたいときにもおすすめのシューズだと思います。
Catamount Agil
(カタマウントアジャイル)
・価格:¥29,700(税込)
・サイズ:24.0 – 28.0cm
・ミッドソールハイト:16-10mm
・ドロップ:6mm
・重量:220g(27.0cm/片足)