大胆なモデルチェンジながら、操作性の良好さが光るクッションモンスター
米国No.1ランニングシューズブランド、BROOKS(ブルックス)。トレイルランニングシューズは多くないものの、スピード、オールラウンド、厚底とあらゆるランナーに対応できるラインナップを揃えています。今回紹介するのは厚底モデルの「CALDERA 6(カルデラ 6)」。フルリニューアルして、ブランド史上最も柔らかく厚底なトレイルシューズとして生まれ変わりました。
アッパーは通気性、速乾性、耐久性に優れたサンドイッチエアメッシュ。トウボックスは前作に比べると自然なラウンドになっています。サイドは3Dフィットプリントによる補強だけのように見えますが、裏側から見るとシューレースを通すケージがソールまで伸びていてホールド感を高めています。この手法は前作の「CALDERA 5」にも採用されていました。ソールと接続されたタンはパンチング加工されたフォームで通気性とフィット感を両立。タンについているゴムバンドは余ったシューレースを束ねられるようになっています。
注目のソールを見てみます。スタックハイトはフォアフット26mm、ヒールフォアフット26mm、ヒール32mm(実測値)、ドロップは6mmです。ミッドソールは液化窒素ガスを混ぜて臨界発泡させて成型したDNALOFT v3を採用。従来の「DNALOFT」クッションと比較して、28%の軽量化、クッショニングは16%、反発力は17%向上しています。サイドウォールを盛り上げたバスタブ形状にし、さらにヒールの幅を拡張したワイドボディにすることで安定感を高めています。アウトソールは粘着性のあるTrailTackラバー。ラグの高さは4mmとなっています。
足入れしてみると、横幅は広々、ヒールカップもゆったりしているので、窮屈に感じることはないと思います。
トレイルを走ってみると、フカフカ&モチモチ感は想像以上でした。ミッドソールのクッション性は最大級です。そして、ソフトなだけではなく、リバウンドもしっかりと得られるので、テンポの良い走りでもリズムを作りやすく感じました。
この厚さだとさすがに路面感覚が鋭いとは言えませんが、その分、砂利くらいの凸凹はミッドソールがほとんど吸収してくれるので、何も気にせずに進むことができました。
ワイドでフレア形状のヒールは安定感があり、直進性も優れていますが、ヒールの外側から接地した時のスムーズさが損なわれたり、凸凹の路面を走った時に左右へ大きく振られたりすることがあります。「CALDERA 6」はセンターに大きなグルーブを入れることで、ヒールが左右独立して動けるようになり、このようなリスクを減らして、常にスムーズに進むことができました。
一番楽しいのは下りです。ミッドソールが沈み込んでも底打ちすることがないので足への負担が最小限で済みます。アウトソールのラグも適度に粘って吸い付くようにグリップしてくれました。
トレイルランニングシューズもこのところ厚底シューズが増殖している傾向にありますが、「CALDERA 6」はそれらと比べても、マックスに振り切った大胆なシューズです。フカフカ&モチモチファンの方は要チェックのニューモデルといえます。
CALDERA 6
(カルデラ 6)
・価格:¥17,600(税込)
・サイズ:Men’s 25.0-29.0cm / Women’s 22.5-26.0cm
・スタックハイト(実測値):ヒール 26mm フォアフット32mm
・ドロップ:6mm
・重量:320g(27.0cm/片足)
BROOKSの記事一覧はこちら↓
■BROOKS http://www.brooksrunning.co.jp/ |