アッパーのリニューアルでフィット感が一新
万人を受け入れる高性能スタンダード
トレイルランニングシューズの老舗として長い間親しまれてきた「Montrail」は2017年に「Columbia Montrail」としてリブランドしました。トレイルランニングを知り尽くしたシューズ作りにコロンビアの最新テクノロジーが融合し、どんなシューズを送り出してくれるのか、期待したいところです。
まずはその第一弾、2017SSモデルから「CALDORADO Ⅱ(カルドラド Ⅱ)」をご紹介します。「CALDORADO」は2016年にデビューし、あっという間にラインナップの中心的なモデルとなったシューズです。
今回のアップデートは主にアッパーです。メッシュ素材は目が細くなり、細かいゴミが侵入しにくくなりました。サーモプラスティックの補強が廃止され、全体がよりしなやかになった印象です。そして、最も変わったのは甲周りです。シューレースは平紐に変更され、さらにハトメの部分が強い素材になっているので、シューレースを締め上げると足に巻きつく感じが高まりながらも、しなやかさも感じることができます。
足あたりを快適にしているのは、シュータンの接合部分の改良です。近年はシュータンがアッパーと一体になっているシューズが増えていますが、その手法は様々です。前作の「CALDORADO」ではシュータンの接合部分にマチがあり、様々な甲のボリュームに対応していましたが、その分、シュータンとアッパーの重なり部分がもたついた感じがありました。「CALDORADO Ⅱ」では、シュータンとアッパーの間に遊びがなく、重なりもほとんどありません。また、シュータン自体も薄くなっているので、まるで一枚のアッパーに包み込まれているようなフィット感を得ることができました。この結果、足の屈曲に違和感なく追従してくれる完成度の高いアッパーとなりました。
履き口の改良も見逃せません。前モデルと比べるとシューズを履くときの足の滑りが素晴らしく、踵がスルッとシューズに収まります。そして、ランニング中の足首周りの擦れも大幅に軽減されています。シューズというよりもソックスに近づいたフィット感と言えます。
実際にトレイルを走ってみた印象ですが、ソールシステムに変更がないため、フィット以外のフィーリングは初代「CALDORADO」を継承しています。オールラウンド性の高いアウトソールはアスファルトからテクニカルトレイルまで対応。登りはしっかりとトレイルをつかみますが、下りでは噛みすぎることもなく、適度にずれて衝撃を逃がしてくれる印象がありました。ソールの接地面積が広いので安定感があり、直進性も良好です。クッションはソフトな部類に入ると思います。特にヒール部のセンターを外して荷重するとふわっと沈み込む感覚があり、この特性を利用してコーナーリング時の方向性も出しやすいと感じました。
オールラウンド性の高さはそのままに、足との一体感を高めた「CALDORADO Ⅱ」。まさに定番と呼ぶにふさわしいシューズです。
Columbia Montrail(コロンビア モントレイル)
Caldorado II(カルドラド II)
■価格/¥14,500+税
■サイズ/MEN 25-29、30cm WOMEN 22.5-26cm
■重量/MEN 297g WOMEN 245g
■ドロップ/19mm/11mm
■アウトソールラグ/4mm
■素材/ポリエステルメッシュ、TPU、シンセティックレザー [ミッドソール] EVA [アウトソール]合成ゴム
■カラー/MEN 2色 WOMEN 2色
■コロンビア モントレイル http://www.montrail.jp
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