【Review】HOKAO ONE ONE「SPEEDGOAT 4（スピードゴート 4）」

ダイレクト感の高いアッパーとさらなるグリップを
手に入れたテクニカルトレイルシューズ

ＨＯＫＡＯＮＥＯＮＥ（ホカオネオネ）の「ＳＰＥＥＤＧＯＡＴ（スピードゴート）」は１００マイルレースで多くの記録を保持するカール・メッツァーが開発に携わり完成させた理想のシューズ。自身のニックネームである“ ＴｈｅＳｐｅａｄｇｏａｔ”の名を冠しています。今回はその最新モデル「ＳＰＥＥＤＧＯＡＴ４」をレビューします。

「ＳＰＥＥＤＧＯＡＴ４」は写真では前作とあまり変わらないように見えるかもしれませんが、アッパーからソールに至るまで、ほぼリニューアルされています。

目が細かいアッパー。写真では見にくいが、サイドの補強の他にボトム付近にも透明の補強を施してある。

それではアッパーから見ていきましょう。ボディのメッシュは前作に比べると薄く、目が詰まっています。伸縮性が良いわけではありませんが、その分ホールド感が高く、足がブレ難しいなっています。トウボックスは前作よりもゆとりを感じます。アッパーのしっかり感をさらに増強
しているのがタングです。「ＳＰＥＥＤＧＯＡＴ」はもともと薄めのタンを採用していましたが、新作はさらに深くなりました。また、足首周りのクッションも薄くなっており、アッパー全体の設定をダイレクト感を高める方向に振っているようです。

極薄のタンで通気性は最高。サイドで本体と繋がれているが、前作よりもしっかりした素材を使用している。

ソールスペックはフォアフット２８ｍｍ、ヒール３２ｍｍ、オフセット（ドロップ）４ｍｍ。テクノロジーは前作同様です。ミッドソールは厚いだけではなく横幅も広く、体積が大きい「ミッドソールボリューム」、フォアフット部とヒール部のソールが反り上がった船底形状で、転がるように自然に足が前に運ばれる「メタロッカージオメトリー」、ミッドソールの縁が盛り上がっていて足の下部を包み込んで安定感を高める「アクティブフットフレーム」を採用。

数字とテクノロジーは前作と変わりませんが、素材や形状はアップデートされています。ミッドソールのＥＶＡはより反発力を高め、アウトソールも新設計です。ラグは配置を若干変更した他、一つひとつのラグには積み重ねたようなギザギザがつけあります。

左が「SPEEDGOAT 4」、右が「SPEEDGOAT 3」。ラグの形状、高さは変わらないが、新しく段が付いている。

走ってみた印象は、前作、もしくはその前の世代から「ＳＰＥＥＤＧＯＡＴ」を愛用しているランナーの期待を裏切ることはありません。ワイドボディで手厚いクッションと低ドロップは、厚底でありながら自然なフィーリングで走ることができます。特に下りで雲の上を走るような気持ち良さは癖になります。しかし、「ＳＰＥＥＤＧＯＡＴ４」が本当に得意なのは少し難しいシチュエーションです。岩が多い地形やマッディな路面での走破性はＨＯＫＡＯＮＥＯＮＥのラインナップ中でもピカイチです。

全体のバランスは変わらず、フィット感やクッション性がアップデート。前作から違和感なく履き替えられる。

アップデートによって変化したフィーリングは、まずはアッパーのしっかり感です。メッシュ素材の伸縮性が少なくなったこと、そして極薄になったタンとの相乗効果によって、不安定なトレイルでの足のブレが軽減また、見た目以上に通気性が良く、前作よりも蒸れ難しい感じました。

クッションに関しては反発性の向上を感じましたが、ソフトなフィーリングは失なわない程度に調整されています。グリップ性能は確実にアップしました。ラグについたギザギザのおかげで特に下りでのトラクションの向上が見られます。

マックスクッションのソフトなフィーリングを残しながら、足のホールド感がよりソリッドになり、安定感が向上した「ＳＰＥＥＤＧＯＡＴ４」。テクニカルトレイルで是非トライしていただきたいです。

SPEEDGOAT 4
（スピードゴート4 ）
・価格：￥19,000+税
・展開
メンズ：25.0–30.0cm・3色・312g / 27cm　ソールスペック：オフセット4mm /ヒール32mm /フォアフット28mm
レディース：22.0–25.0cm・2色・263g / 24cm　ソールスペック：オフセット4mm /ヒール30mm /フォアフット26mm
・テクノロジー：ミッドソールボリューム/メタロッカージオメトリー/アクティブフットフレーム