レーサーライクな反応と厚みを増したクッションが融合した正統派ソリッド系オールラウンダー
「PULSAR(パルサー)」「ULTRA(ウルトラ)」「CROSS(クロス)」などSALOMONのトレイルランニングシューズには多くのシリーズがありますが、忘れてはいけないのが「SENSE(センス)」です。その中心とも言える「SENSE RIDE(センスライド)」にメジャーアップデートを施され、より存在感を放つモデルに生まれ変わりました。
アッパーは3D エンジニアードメッシュの2レイヤー。裏地が張りのある素材なのでしっかりしています。トウキャップは2層の補強が入念に施されています。サイドは前作より広範囲に入念な補強がされていますが、ヒール部は逆にオーバーレイの補強はなく、内蔵のヒールカウンターもないため指で潰れるくらいしなやかです。先端が左右非対称にカーブしたタンは適度な厚みがあり低反発でしかり甲を覆ってくれます。また、インナーフィットスリーブでソールと接続されているため、ずれを抑え快適なフィットを約束します。
スタックハイトはフォアフット 21.3mm、ヒール29.6mm。ドロップは8.3mmです。前作がフォアフット19mm、ヒール27mmなので2mm以上は厚みを増しています。ミッドソールは素材を変更。EVAとオレフィン[OBC]を配合した軽量のエナジーフォームフォームを採用し、長時間のクッション性とバランスの良い反発性を発揮します。路面からの突き上げを緩和するプロフィールフィルムもインサートされています。インソールは前作のオーソライト製からEVAフォームに変更しています。
アウトソールはSalomonが独自に開発したオールテレーンコンタグリップ。濡れた路面や、岩場や泥道など、あらゆるコンディションで高いグリップと耐久性を発揮します。前作ではフレックスグルーブが数ヶ所に刻まれていましたが、「SENSE RIDE 5」は完全なフルレングスとなっています。ラグの高さは3.5mm。前作よりも0.5mm低く抑えられています。ラグ形状はより緻密になっています。
足を入れてみると、細身のラストとホールド性の高いアッパーによって足とシューズの一体感が生まれます。トウが少しテーパードしているので人によっては通常よりハーフサイズ大き目を選んでもいいかもしれません。クイックレースは伸縮性がなく、しっかりしていますが、低反発のしっかりしたタンが当たりを和らげてくれるので甲が圧迫されることもなく、しっかりと足をロックダウンすることができます。
トレイルを走り出すと、ミッドソールが厚くなった分、クッションは良くなりましたがしっかりと反発も感じられて、全体としてはソリッドなフィーリングでした。フォアフット部の適度なロッカー形状が走りをアシストしてくれ、安定感が高く、プロテクションもしっかりしているのでテクニカルトレイルも苦にしません。
グリップの信頼性も高まった印象です。一つひとつのラグが小さく、アグレッシブな形状になったために、急登ではより噛み付くような感覚が強く、硬めの斜面では粘りながらトラクションを得られるようになりました。舗装路でも違和感は感じなかったので、どんなシチュエーションでも安心できます。
「SENSE RIDE 5」はどんなシチュエーションでもこなす懐の深さも持っていますが、一番気持ち良いと感じたのは踏み固められたトレイルをアップテンポで走ったときでした。
お勧めしたいランナーの指向は、レースシューズライクなフィーリングとクッション性を両立したシューズを履きたい方、荒れた路面で安定感のあるシューズが欲しい方、厚底シューズやふわふわしたクッションが苦手な方など。
オールラウンドシューズとして、ショートディスタンスからロングディスタンス、ツーリングからレースまで活躍してくれそうです。
SENSE RIDE 5
センスライド 5
・価格:¥18,700(税込)
・サイズ:Men’s 25.0-28.5cm、Women’s 22.0-25.0cm
・カラー:Men’s 5色、Women’s 5色
・前足部高さ:21.3mm
・かかと部高さ:29.6mm
・ドロップ:8mm
・重量:247g / 24cm、286g / 27cm
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