吸い付くような接地感と履きこむほど感じる一体感
アウトドアブランドが本気で作ったロードシューズ
2015年にロードレーシングモデルの「S-LAB X SERIE(エスラブ エックスセリエ)」を発表したSALOMONですが、2016年にはSONICと名乗ったロード用シューズを3モデル発表し、計4モデルのロードランニングシューズを展開するまでになりました。新しく加わったのは「SONIC PRO(ソニック プロ)」と「SONIC AERO(ソニック エアロ)」、そして「S−LAB SONIC(エスラブ ソニック)」の3モデルです。
まずは「SONIC PRO」から見ていきましょう。アッパーは前足部に3Dストレッチ エアメッシュを使用。伸縮性が良く、特に親指や小指の付け根の当たりが出やすい部分を、足の形に密着しながらも優しく包み込んでいます。中足部にはブレッサブル オープンメッシュを採用し、通気性が良くパリッとした質感なので、センシフィットの圧着補強と相まって、ホールド性を高めながら横ブレを防げる素材となっています。足入れした感じは、カチッとしたホールド感が印象的です。ソールからつながったタン(エンドフィット)、遊びが少なくきっちりと締まるクイックレース、くるぶし周りの薄いパッドなどのおかげで、かなりタイトにフィットしてくれます。ただし、ファーストインプレッションでは足の骨が出ているところや、フレックスポイント当たりに少し硬さを感じるかもしれません。しかし、これは10kmほど走るとかなり馴染んできて、そこから距離を重ねるごとに足との一体感が高まってきます。まるでレザー製のシューズを履いているかのように履くほどに馴染んでくるので、愛着が高まってきます。ショップで履いた段階で、少し違和感があっても安易にサイズアップする前に馴染んできたときのことを想定してみてください。
ミッドソソールは超軽量でレスポンスの良い素材が使われています。フワッとするというよりはキビキビとしていて、しっかりとしたリバウンドを得られるフィーリングです。かなりのハイスピードでももたつくことはないでしょう。ドロップ(つま先と踵の高低差)は8mm。アウトソールはロードに最適化されたSALOMON独自開発のコンタグリップ®を採用。黒い部分の小さなラグがしっかりと粘ってくれて、路面を吸い付くようにキャッチしてくれます。SALOMONの歴代モデルの中で、アスファルトと最も相性が良いアウトソールと言えると思います。
「SONIC PRO」の一番の特徴は路面にピタリと張り付くような接地感、そして、そこからあらゆる方向へ蹴り出していけるバランスとレスポンスの良さ。これが走りの軽快感につながっているように思います。タイムに縛られない走りをコンセプトとした「SALOMON RUNNING」を提唱するシューズですが、レースに出場してお、かなりのハイパフォーマンスが発揮できるシューズであることは間違いありません。
もう一つのモデル「SONIC AERO」はトレーニングモデルとして位置づけられていて、アッパーはクイックレースではなく一般的なシューレースを採用しています。さらに、ミッドソールの素材にも違いが見られ、「SONIC PRO」よりも踵部の反発力が若干高くなっています。その他は「SONIC PRO」と同様ですので、大筋として同様のフィーリングとなっていますので、主にシューレースの好みで選んでよいと思います。
■サロモン http://www.salomon.co.jp/softgoods/