あいにくの天候で山頂コースのゴールが五合目に変更されてしまった、2016年の富士登山競争。その女子優勝者、スティービー・クレマー、男子3位のジョナサン・ワイアットら、SALOMONの海外アスリートと走る「SALOMON AMAZING RUN IN MT.FUJI」が御殿場口のトレイルステーションで開催されました。
前半は御殿場登山口~二子山のトレイルツーリング。スティービー、ジョナサンに加え、ケガで富士登山競走不出場だったレミ・ボネ(2015スカイランニングバーティカルチャンピオン)、マルティナ・バルマッソイ(サロモン アスリート)、グレック・ボレー(サロモンランニング・マーケティングマネージャー)が同行する豪華なツーリングとなりました。
もちろん、登り、下り、ポールワークの講習もあり。
「今、トップのトレイルランニングシーンでは、登りで大きな差をつけることはなかなか難しくなっています。ですから、登りではなるべく体力を温存して下りで勝負をかけるのが世界の戦い方になっています。そこで、急な上り坂で多用されるのがパワーハイクです。走るのと変わらない、場合によっては走るよりも速く登れて、消耗を最小限に抑えるパワーハイクを是非身につけてください」
とグレッグ。また、ポールワークではスキーの選手でもあるマルティナが、ポールを交互に付く登り方と、同時に着く登り方をのコツを披露。トップ選手の走りを短に感じることができた、貴重な体験となりました。
午後からは御殿場ルートの大砂走りまで登って100mのダウンヒルチャレンジ。トレイルランナーでも大砂走りを全力疾走したことのある方はほとんどいないはず。あまりの落差に足の回転が付いていかずに転倒する方もいらっしゃいました、それでも皆、楽しそう! 練習するうちに慣れてきて安定感が増したところで、タイムトライアル。トップは10秒強で駆け抜けていました。
■ダウンヒルチャレンジの写真はFACEBOOKページのアルバムをご覧くだだい。
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ジョナサン・ワイアット
−− 日本の山の印象を教えてください。
「日本には10回以上来ていますが、クロスカントリーやロードランニングをしていたので、日本の山を本格的に走るのは今回が2回目(前回は2013年、富士登山競争で優勝)です。ニュージーランドの山と似ていて火山が多く、自然の威力を感じました」
−−今年の富士登山競争はいかがでしたか?
「4年前に優勝した時は暑さにやられた感じでしたが、今回は雨で、ゴールも五合目になってしまったので、これはスピードレースになるな、と思いました。ロードを走り込んでいる人のダッシュとペースアップが必要となるのは判っていましたが、自分の強さは登りなので、最後までペースダウンせずにゴールできたのですが、いい結果に結びついた思っています」
−−登りの秘訣はなんですか?
「第1ははリラックスして、普段と同じような呼吸を心がけること。テンションを上げすぎると呼吸も乱れてきます。2つ目は小さなステップを刻みながらトウを使って登り続けること。3つ目は腕をしっかりと大きく振ること。4つ目はなるべく遠くに視線を置くことですね」
−−トレイルランニングのモチベーションを保つためにどんなことをしていますか?
「違うスポーツをしたり、旅行をしたりとオンとオフをしっかり分けることですね。そうすればランのパフォーマンスも上がってくると思います」
−−ありがとうございました。
Jonathan Wyatt
ジョナサン・ワイアット
ニュージーランド
2012富士登山競走 山頂コース 優勝
1994アトランタオリンピック 5000m 出場
2004アテネオリンピック マラソン出場
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スティービー・クレマー
−−富士登山競走優勝おめでとうございます。レース運びはいかがでしたか?
「本当は3時間から5時間程度のレースが得意です。ですから今回の富士登山競走は少し短かったですね。私は前半は押さえて走るタイプなのですが、距離が短かったこともあり、他の選手はかなりハイペースでした。ちょうどロードセクションが終わってトレイルセクションに入ったところで、ウォームアップが終わって、スイッチが入ってきたので、そこから一気にプッシュして優勝することができました。周りに左右されずに自分のスタイルで走れたことが優勝につながったのだと思います」
−−トレイルランニングの他にはどんなことをしていますか?
「ランのトレーニングで追い込みすぎると怪我をするので、違うスポーツをうまく取り込むようにしています。私はサイクリングやスイムなどを取り入れています」
−−ありがとうございました。
Stevie Kremer
スティービー・クレマー
アメリカ合衆国
2013/2014スカイランニング ワールドシリーズ チャンピオン