100キロを超えるウルトラトレイルのレースを何十回と完走し、数々の地獄を乗り越えてきた僕自身の考え方や経験、メンタルの鍛え方を述べた本。
トレイルランニングの話をベースに解説しているので、 トレイルラン愛好者はもちろんのこと、みなさんの仕事にも生かせるように工夫しました。僕自身も、プロトレイルランナーになる前は、15年間サラリーマンをしていたので、そのときの経験も加味してあります。
人生においても、仕事においても、いざというときに真の実力を出せるかどうかは、それまでくぐってきた修羅場の数で決まります。決して強い人間ではなかった僕が、なぜ最も過酷なウルトラトレイルの世界で、トップランナーの仲間入りができたのか。限界を超えて自分の底力を引き出す、絶望的状況の自分を変えるというのは、どういうことか。何回失敗しても折れない心はどうやって育むことができるのか。
目次
はじめに -僕は絶対にあきらめない-
第1章 本番までにできることはすべてやる –成果を出すトレーニング-
すべての準備はパズルのピースととらえる
必要なものは貪欲に取り込む
一つひとつの練習を成仏させる
限界を引き上げる二つのアプローチ
好きなことだから本気で遊ぶ
練習日記をつけ、いまに生かす
イメージトレーニングで極限状態に慣れておく
「こうなりたい」というゴールを先に決める
つねに得意分野をアップデートする
第2章 集中力を極限まで高める –勝負どころのメンタルマネジメント-
本番に向けて気持ちの波を乗りこなす
「誰かのため」と「自分のため」を使い分ける
「ここで死んでもいい」という覚悟が力を生む
失敗してもいいから高い壁に挑む
あらゆる想定で入念にシミュレートする
緊張をリラックスに変える小さなコツ
不安を本番前にどう割り切るか
第3章 つねに考えながら走る –実力を出し切る方法-
自分と対話しながら走り続ける
コントロールできない要素を受け入れる
競争相手のことは忘れて自分に集中する
あらゆる欲望を総動員する
ゼロに落ち込んだモチベーションを立て直す
予期せぬアクシデントを乗り越える
想定内のリスクに備えておく
走ってきた道を引き返す勇気
時には撤退を決断する
ビジョンを共有してチームで戦う
第4章 自分の限界を超える –サバイバルレースを走り抜く方程式-
過去の自分を乗り越え、未来の自分を実現する
自分の限界を打ち破る
限界の向こう側に生まれ変わった自分が待っている
自分を騙して心のブレーキを外す
「誰かのため」だからこそ頑張れる
鏑木毅ならどうするかを意識する
一つのやり方にこだわらない
第5章 結果を次につなげる –本番後の学びと回復力-
真剣勝負を重ねれば心は筋肉のように磨き上げられる
自分から修羅場に飛び込む
落ち込んだらすぐに頭を切り替える
負の感情を前向きのエネルギーに転化する
悔しさを溜め込み、マグマのように燃やし続ける
敗北感が人を育てる
明日はきっとよくなる -心の中の原風景-
キャリアはあとからついてくる
第6章 開拓者として生きる -プロトレイルランナー、レース運営の哲学-
「好き」を仕事にすること
プロに求められる資質
ビジョンを同じくして形にする
一匹狼の個性も生かすチームマネジメント術
最初から100%は目指さない
トラブル処理こそ冷静に
相手が「うん」と言うまで粘り強く交渉する
第7章 これからも走り続ける –50歳からのリスタート-
レユニオンに3度めの挑戦
行く手を阻んだ想定外の二つのトラブル
感謝の気持ちに満たされたゴール
UTMB3位の栄光と呪縛
最後は自分が納得できるかどうか
50歳になっても決してあきらめない
「老い」と向き合う
鏑木毅、ここにあり
「プロトレイルランナーに学ぶ やり遂げる技術 単行本」
・¥1,512
・鏑木 毅 (著)
・単行本:220ページ
・出版社:実務教育出版
・発売日:2018/5/1