TrailRunner

【Rossignol】雪山の名門が新たな挑戦。本格トレイルランニングシューズを新開発

 

スキーメーカーからマウンテンスポーツのトータルブランドへ

フランスアルプスを拠点に1世紀以上の歴史を誇るスポーツブランド、Rossignol(ロシニョール)が、トレイルランニングシューズを発表し、ヨーロッパで注目を集めています。スキーやスノーボードの分野で世界的な名声を確立してきたブランドが、トレイルランニングシューズの開発に至った経緯、そして商品について紹介します。

Rossignolは1907年、フレンチアルプスの麓、イゼール県ヴォアロンで木工職人アベル・ロシニョールによって創業されました。当初は木製のスキー板製作からスタート。

1950年代にはオリンピックや世界選手権で使用されるようになり、数多くのメダリストがRossignol製品を使用してきたことはよく知られています。革新と品質へのこだわりを持ち続け、スキー界のリーディングカンパニーとしての評価を不動のものとしてきました。

 

(左)Rossignolブランドは1907年に誕生。(右)1970年代には世界トップのスキー板メーカーとなる。

 

1990年代以降はスノーボード、フリースタイルスキーなど、新しいスポーツ分野への積極的な参入も行っており、常に変化に柔軟に対応してきました。

Rossignolは現在、スキー業界では世界最大手のグループ企業の一つとして、アルペンスキー、ノルディックスキー、スノーボードなど幅広い製品を展開しています。特にアルペンスキーの分野では、プロフェッショナルからビギナーまで様々なレベルのスキーヤーに対応する製品開発力が高く評価されています。

近年、Rossignolは新たなフィールドに挑戦しています。それがトレイルランニングです。ウインタースポーツだけでなく、オールシーズンで山を楽しむスタイルが世界的に広がる中、Rossignolはマウンテンスポーツのトータルブランドへと進化を遂げようとしています。

 

 

山という環境を舞台に、季節を問わず楽しめるスポーツアウトドア全般に、ブランドの活動範囲を広げていきます。テクニカルウェア、マウンテンバイク、ハイキングシューズなどの発売に続き、2025年に初のトレイルランニングコレクションを発表しました。

 

 

Vezor

 

Rossignolにとってこの展開は自然な流れでした。Rossignolが長年の活動の拠点としてきたフレンチアルプスは、ヨーロッパのトレイルランニングの聖地でもあります。UTMBをはじめとする著名なトレイルレースが開催されるこの地域で、山岳環境に適した製品開発を行ってきた経験は、トレイルランニング用品にも活かされています。

 

 

Rossignolのトレイルランニング製品開発は、プロアスリートとの密接な協力関係の上に成り立っています。フランスを中心とした自社契約アスリートからのフィードバックを直接製品設計に反映させる開発サイクルを確立し、実際の山岳環境での使用に耐える高機能な製品開発を行っています。とくにシューズの開発においては、スキーブーツ設計で培った足部解剖学や素材工学の知見と材料工学の専門性が活かされており、安定性と推進力のバランスに優れたモデルが高い評価を得ています。

トレイルランニングシューズ「Vezor(ベイザー)」は3年間の研究開発と徹底的なフィールドテストを経て誕生しました。軽量で安定性が高く、スピードも抜群のこのシューズは、最も険しくテクニカルな地形にも対応し、トレーニングや本格的なレースに最適です。

 

 

競技志向の高性能フラッグシップモデル「Vezor」

 

詳細を見てみましょう。アッパーの構造は3レイヤー。外側に通気性のあるエアメッシュ、中間に防汚層、最下層はTPUの補強を施して中足骨をサポートするとともにプロテクトを強化しています。足首、甲、つま先にそれぞれオプションアイレットを設けており、フィット感を調整することができます。ラストはスリムなフィット感で、正確で足さばきが可能です。

 

(上)通気性のあるメッシュ素材(中)ゴミ・泥除けフィルター(下)TPUラッピングバンド
裏側から見たアッパー。

 

インソールシステムは3層構造。最上部は人間工学に基づいた熱成形インソールで、瞬時に快適な履き心地を発揮。その下層にも取り外し可能なインソールがあり、クッション性とフィット感を向上させるほか、よりパーソナライズされたフィット感を実現。最下層は固定されていて、通気性と排水性に優れています。

 

3層構造のインソール。上の2枚は取り外し可能。

 

ソールのスタックハイトはヒール29mm、トウ23mm。ドロップは6mmです。
ミッドソールは2層構造で間に樹脂プレートを配置しています。上層はEVAハイリバウンドミッドソール。軽快でエネルギッシュな履き心地で、あらゆるストライドをダイナミックかつ効率的に導きます。音叉のような形の内蔵のプレート(ディアパゾン+)は安定感と推進力を生むだけではなく、身体のバランスを維持するための足のポイントを最適な状態に保ちます。最下層は超臨界発泡の窒素注入EVAで、優れたクッション性とエネルギーリターンを実現する、軽量で反発力に優れたフォームとなっています。

 

2層構造のミッドソールとディアパゾン(音叉)の形をしたプレート。

 

アウトソールはタイヤでお馴染みのミシュラン製OCX3ラバー。ミシュラン史上最も粘着力に優れたコンパウンドで、濡れた路面でも乾いた路面でも、あらゆる路面で弾力性と信頼性を発揮します。ラグの高さは4mm。パターンは複雑な形状ですが、すべてのラグに機能が割り当てられており、路面を的確にグリップします。

 

 

ロッカー形状はトレイルの変化にフィットするトウとヒールのロッカーと、走行中の重心移動を助けるセンター付近のロッカーの二つが共存しています。ヒールにはウェッジヒールカットという切れ込みが入っており、不整地の変化するコンディションでも俊敏かつ柔軟に対応。独立したサスペンションのように安定性を提供します。

115年以上のスキー用品開発で培った足部解剖学の知識と、山岳環境における製品開発の経験を結集した「VEZOR」。テクニカルな地形からロードまで対応する汎用性の高さが特徴で、本格的なレースやトレーニングに最適なトレイルランニングシューズです。競技志向のランナーに、より快適なトレイルランニング体験を提供します。

 

(上)MEN’S:Neon Red(下左)MEN’S:Dazzle Blue(下右)WOMEN’S:Peach Cream

 

VEZOR(ベイザー)
・価格:¥36,300(税込)
・サイズ:MEN’S 25.0 – 29.5cm / WOMEN’S 22.5 – 25.0cm
・カラー:MEN’S 2色 / WOMEN’S 1色
・重量:282g(27.0cm)/ 231g(24.0cm)
・スタックハイト:ヒール29mm / トウ23mm
・ドロップ:6mm

 

 

 

Other model

 

(上)UNISEXBlack(下左)MENSAzure-Blue(下右)WOMENSSand-Pink

 

VENOSK(ヴェノスク)
軽量で通気性があり、クッション性に優れた、毎日のトレーニングに最適なファンランニングシューズ。オンロードからトレイルまで対応するためにフィット感、パフォーマンス、グリップなどが調整されています。ゆったりとしたトウボックスと速乾性フレームに、センサー 3 テクノロジーを詰め込んだモノブロック EVA ミッドソールを組み合わせることで、最適化されたクッション、快適さ、サポートを実現。6mmのドロップと低目のスタックハイト、ラグの配置に工夫を凝らしたセンサー アウトソールを備えています。

・価格:¥29,700(税込)
・サイズ:MEN’S 25.0 – 29.5cm / WOMEN’S 22.5 – 25.0cm
・カラー:MEN’S 2色 / WOMEN’S 2色
・重量:265g(27.0cm)/ 218g(24.0cm)
・スタックハイト:ヒール28mm / トウ22mm
・ドロップ:6mm

 

Use & fit  Vezor VS Venosk

 

 

■Rossignol:https://rossignol.co.jp/