2019年の大河ドラマは金栗が主人公!
日本のマラソン人口は約2000万人と言われ、空前のランブームと言われる。「ランナーズ」などの雑誌では、市民ランナー向けの技術論などが語られ、一方で、エリートランナーでも先日のシカゴマラソンで大迫選手が日本記録を打ち立てるなど、日本のマラソンに関する話題は、事欠かない状況だ。
金栗四三は、1912年のストックホルムオリンピックから始まり、4期連続でマラソン代表となり、一方で富士登山駅伝や箱根駅伝の創始者となって日本全国のマラソン普及に尽力したことから「マラソンの父」とも呼ばれる。
金栗は、何の練習法も確立していない時代から、独自でその手法を考え出し、一時はマラソンの世界記録を作ったこともある。いまある練習法、そしてメンタル面の向上策も、あらゆるものが金栗氏にルーツを見るものである。本書では、金栗の人生をなぞりながら、そのランニング技術が確立した背景を追い、あらためて、なぜそれが今でも有効なのか、わかるものとなっている。
金栗の練習法・技術に迫る
例えば、電信柱練習法。これは電信柱を目安に、ダッシュとジョグを繰り返すという練習法で、現在の「インターバルトレーニング」のはしりだ。最初に出場したストックホルムオリンピックでは、いきなりのスタートダッシュに金栗は面くらい、後塵を拝したことから、スピード練習の必要性を感じ、電信柱の間でスピード練習を行った。単にダッシュを繰り返すのではなく、ジョグを交えて長い距離を走ることで、スタミナをつけることができることは、現在のスポーツ科学でも実証されている。
金栗四三の生涯走れるランニング術
■価格/¥1,728
■本條 強 (著)
■単行本(ソフトカバー)/192ページ
■出版社/日本経済新聞出版社
■発売日/2019/3/21