登山アプリのヤマレコは、ユーザーの登山体験をより直感的かつ安全にする新機能「音声ガイド」をリリースしました。
音声ガイド機能を使えば、予定ルートから外れる前に分岐の存在に気づくことができます。
この音声ガイドは、スマートフォンから音声による読み上げを行い、以下のような案内をします。
1. 分岐アナウンス:分岐の手前で「まもなく分岐です。ご注意ください。」とアナウンスし、ルート間違いを未然に防ぎます。1.
2. 地名アナウンス:登山口や登録された地点が近づくと、「まもなく登山口です。」「まもなく〇〇(地点名)です。」と案内します。
3. 山頂アナウンス:山頂に近づく際には、「まもなく〇〇山、山頂です」と案内します。
4.スポットアナウンス:ユーザーが事前に設定した特定の地点が近づくと、「まもなく〇〇スポットです」と通知します。
スポットアナウンスのスポットとは地図上に自分だけの目印を登録できる機能です。
今回の新機能「音声ガイド」と組み合わせればスマートフォンを何度も確認する必要がなくなり、例えば次のような効果があります。
・間違いやすい場所や分岐を事前に登録しておけば、その場所に近づいたら音声で案内するので道迷いを防ぎます。
・トレイルランニングなどで目安となる場所を登録しておくことで、時間の確認だけで目標ペースからの遅れを把握できます。
・休憩したい場所を事前に登録すれば、音声が鳴るタイミングに従い計画的に休憩を取れます。
・毎年見る植物や撮影スポットを事前に登録し、見逃さないようにします。
・例えば「〇〇峠の到着時刻が13時を過ぎていれば下山する」など、登頂を諦めて引き返す判断をする場所をあらかじめ登録しておくことで、その地点での通過時刻を基準に引き返す決断ができます。
登山者は分岐を見落としたり、意図せず登山道から外れてしまい、道迷い遭難に陥ることがあります。ヤマレコでは無料プランの登山者でも、予定ルートから外れた後に間違えたことに気が付ける「ルート逸脱警告」を利用できます。そのうえでプレミアムプランの音声ガイド機能を使えば、予定ルートから外れる前に分岐の存在に気づくことができます。
多くの道迷い遭難は下山中に発生しています。予定ルートから外れたことに気づくことが遅れると、日没が迫っていたり、疲労が溜まっていたりという理由から、登り返して正しい道に戻ることをためらうリスクがあります。そのような状況では正しい判断ができなくなり、状況が更に悪化する行動を取ってしまった事例もあります。
この音声ガイドを使うことにより、より確実に道迷い遭難を防ぎ、安全に登山を楽しむことが期待できます。音声ガイド機能は、ヤマレコの有料プラン「プレミアムプラン」に加入すると利用できるようになります。本機能は本日リリースのiOS版アプリ「ヤマレコ」バージョン6.83以降でご利用いただけます。Android版アプリは今後のアップデートでリリースする予定です。
将来的には、この技術を利用して、危険地点での音声による注意喚起や、ルート上の見どころを説明する機能を実装する計画です。
現状の課題と今後の改善予定
<分岐の案内について>
ヤマレコの音声ガイドはヤマレコの計画機能「らくルート」に登録されている登山道(ルート)のデータから3つ以上のルートが交差するポイントを「分岐」として案内します。この分岐の判定はヤマレコに蓄積している膨大な登山者の軌跡を活用しております。このような登山道の分岐を判定し、分岐の手前でアナウンスを行う機能は日本初の取り組みになります。
しかしながら、現状の「らくルート」では、利用者が少ないルートや一般登山者には推奨できない難路などのルートは登録対象から除外しており、全ての山のルートが登録されているわけではありません。そのためルートが3つ以上登録されていないポイントは分岐と判断されず案内ができません。
今後はルートの情報を拡充したうえで、意図的に除外している分岐も判断対象に入れることで、より多くの分岐点での案内が可能となるよう改善を進めていきます。
<地名の読み上げ精度について>
山頂アナウンスや地名アナウンスは、漢字の地名を使って文字を読み上げる機能を使用しています。そのため実際の地名の読み方と異なる読み方のアナウンスをする場合があります。今後は自社で地名のよみがなのデータも整備し、読み上げの精度を高める予定です。
■音声ガイド機能の詳細:https://youtube.com/shorts/IE-R_XiX7Ds