軽快感と重厚さがのバランスが絶妙にとれている高機能テクニカル・トレイルシューズ
トレイルランニングシューズの開発に力を入れて、着々とラインナップを拡大しているMERRELL（メレル）。今回紹介する「AGILITY PEAK 4（アジリティー ピーク 4）」は、洒落たバリエーションモデルもあり、ハイクやタウンで使用するユーザーからも注目を集めているものの、トレイルランニングの機能には一切妥協していないハイスペックモデルです。前回紹介した ｢MTL LONG SKY 2（エムティーエル ロング スカイ 2）｣と比べると、厚底系のしっかりしたシューズです。
アッパーは目が詰まったジャカード織りの2レイヤー。サイドは外側からも内側からも念入りに補強されています。タンは｢MTL LONG SKY 2」と同様のガセットタンを採用。伸縮性とクッション性があり、ソックスのように甲を包み込みます。
「AGILITY PEAK 4」では、さらにタンの上位部から両サイドにウェビング（平たいコード）が伸びて、アッパーの外側に回り込み、シューレースと接続しています。この独特のレースシステムによって、ガセットタン、ウェビング、シューレースで３重に甲を包み込み、強力に足をロックダウンすることができます。
強力にと言っても局部的にキツくなることはありません。ウェビングがかなり下の方まで回り込んでいるため、シューレースを締め込んでも圧がきれいに分散されます。「AGILITY PEAK 4」は全体的に広めでゆったりとしたラストですが、このレースシステムのおかげで、足幅が細いランナーでもしっかりとしたホールド感を得られるはずです。
ソールのスタックハイトはフォアフット24mm、ヒール30mm。ドロップは6mmです。ソールが厚くなると接地幅も広くなる傾向にありますが、「AGILITY PEAK 4」の接地幅は｢MTL LONG SKY 2」よりも狭く設定されています。
ミッドソールには軽量で反発性、機能持続性にも優れたFLOATPRO™（フロートプロ™）を採用。地面からの突き上げの防止や面安定性を高めるロックプレートも内蔵しています。また、縦と横にいくつものグルーブ（溝）を配置したフレックスコネクト™によってソール全体が足の屈曲を綺麗に追随してくれます。
アウトソールのコンパウンドにも妥協はなく、Vibramのメガグリップを採用。ラグの高さは5mm。パターンはV型のいわゆるシェブロンラグですが、その大きさ、形状、向きはさまざまで、部分ごとに細かく変化をつけているのが特徴です。
では、トレイルを走ってみた印象を説明します。
ミッドソールのクッション性は十分にありますが、ふわふわではなく、適度な反発をもらえます。ゾーンごとに見ると、ヒールは柔らかめでしっかりと衝撃を吸収してくれます。フォアフットの方がしっかりしていて推進力をアシストしてくれる感じでした。また、フロントのロッカーはアーリーライズで、早い位置から緩やかなローリングを感じられるため、重心移動をタイミング良くサポートしてくれました。
接地幅が抑えられていることと、フレックスコネクト™の縦横のグルーブのおかげで、ソールが厚い割に俊敏性があり、足と路面の一体感もある程度感じることができるので、厚底シューズが苦手な方にもお勧めできそうです。
グリップは強力で、乾いていても、ぬかるんでいても、荒れていても、不安になることはありません。岩場やガレ場でラグが負けてしまうこともありませんでした。
「AGILITY PEAK 4」は平らなトレイルや舗装路も苦手ではありませんが、最も得意なシチュエーションは、やはりタフなテクニカルトレイルでのロングディスタンスだと思います。
しかし、別の見方をすると、たとえばトレイルに恐怖心や苦手意識がある初心者は、このくらいしっかりしたシューズを履けば安心感も高まるので、そういうチョイスもありだと思います。
「AGILITY PEAK 4」はトレイルランニングの多くのシチュエーションで安心感をもたらしてくれるシューズと言えそうです。
AGILITY PEAK 4
アジリティー ピーク 4
・価格：￥15,400（税込）
・スタックハイト：ヒール 30mm – つま先 24mm /ドロップ 6mm
■メンズ：25.0-28.0cm, 29.0cm, 30.0cm［約290g（27.0cm/片足）］
カラー：ブラック/ハイライズ
■ウィメンズ：22.5-25.0cm［約240g（24.0cm/片足）］
カラー：ジェイド, ムーンビーム
■MERRELL：https://merrell.jp/
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