ワイルドな外観に反しスムーズで快適。推進力も兼ね備えたマックスクッションシューズ

MERRELL（メレル）のトレイルランニングシューズは、これまでショートからミドルディスタンス向けのモデルが多い印象でしたが、ついに、マックスクッションのロングディスタンス向けモデル「MTL ADAPT MATRYX」が発売されました。しかも、MERRELLグローバルアスリートと共同開発したフラッグシップラインMTL（メレル テストラボ）から登場したことからも、その本気度がうかがえます。

「MTL ADAPT MATRYX®」のアッパーは、MTLの他の2モデルと同様に、ケブラー繊維と高強度ポリアミドのマルチフィラメントで、軽量で耐久性に優れたMATRYX®を採用。MATRYX®は強靭なため補強パーツの数を減らすことができ、軽量化にも貢献しています。このため、オーバーレイの補強は最小限でトウとヒール、そしてシューレース周りに施されています。

また、アッパーは2レイヤーになっていて、インナーレイヤーはタンと一体化されたブーティー構造で、ソックスのように足を包み込みます。タンは薄めながらしっかりとしたパッドが入っています。そして、シューレースを通すループはアッパーの二層の間でソールと接続されているという凝った作りになっています。

履き口のパッドの厚みはそれほどありませんが、上部のみではなく下の方まで広範囲に配置されています。ヒールにはしっかりと補強されており、安定感を高めています。

マックスクッションシューズらしく、ソールは存在感を主張しています。スタックハイトはフォアフット30mm、ヒール36mm。ドロップは6mmです。ミッドソールはフロートプロ™︎をベースに、窒素を注入した超臨界発泡フォーム、フロートプロプラス™︎を採用。軽量性、耐久性、推進性、クッション性を高めています。外側から見てわかるフレックスグルーブの他に内部にも溝が刻まれており、柔軟なフレックスとトーションを確保しています。

セグメント化されたアウトソールのコンパウンドは抜群の信頼性を得ているVibram®のメガグリップ。横に何本も走るフレックスグルーブをまたぐように配置されています。ラグの高さは4mm。形状はV型とX型を組みあわせているほか、ラグの側面にマイクロラグをつけたトラクションラグを採用しています。

足を入れてシューレースを締めるとミッドフット全体が均一に包み込まれます。Matryx®を使用したアッパーはやや硬めですが、その下層はソフトな素材のため快適な履き心地です。スペースは全体にゆとりがあり足指の自由度も高いです。

トレイルを走ってみた印象は、ワイルドな外観とは裏腹にスムーズです。マックスクッションシューズですが、柔らかすぎずしっかりとした張りを感じ、クッション性と安定性のバランスが優れていると感じました。

ヒールのアウトサイドのクッションは柔らかめで、インサイドはしっかりしていて、オーバープロネーションを抑制するセッティングになっているようです。

ソールのロッカー形状はしっかりと感じられ、フォアフット部のフレックスの柔らかさと相まって、母趾球付近から自然に転がってくれる印象です。

フォアフット部分の接地幅は広く、安定感がありますが、ヒールの接地幅は同クラスのスタックハイトのシューズに比べると少し狭いので取り回しがしやすいと感じました。また、厚底の割に足裏感覚がはっきりとしていて、路面の細かい起伏にソールが柔軟にフィットするのを感じることができます。

トラクションラグを備えたメガグリップのアウトソールは、しっかりと路面に食い付いてくれるため、トレイルで不安なシチュエーションはありませんでした。舗装路では若干浮いた感覚がありますが、走りを邪魔することはなく、スムーズに走ることができました。

「MTL ADAPT MATRYX®」は、MERRELLの既存のモデルとは明らかに違うマックスクッションモデルです。ブランドのラインナップを完成させる最後のピースは、最先端のフィーリングと走破性を発揮してくれます。

MTL ADAPT MATRYX®
（MTL アダプト マトリックス®）
・価格：￥26,400（税込）
・サイズ：MEN’S 25.0–30.0cm、WOMEN’S 22.5–25.5cm
・ウェイト：約290g （27.0cm）、約240g（24.0cm）
・カラー：BLOSSAM / MANTIS
・スタックハイト：フォアフット30mm　ヒール36mm
・ドロップ：6mm

■MERRELL：https://merrell.jp/

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