TrailRunner

【Review】MERRELL 「TRAIL GLOVE 8」 「VAPOR GLOVE 7」

最高純度かトレイル適性か、目的とフィールドで選ぶ最新ベアフットシリーズ

 

Summary
・両モデルとも0mmドロップのベアフット設計
・「TRAIL GLOVE 8」はトレイル安定性重視の構造
・「VAPOR GLOVE 7」は6mm厚の極薄ミニマル設計
・用途は“走破性”か“純粋な裸足感覚”かで分かれる

 

 

カーボンプレートや厚底ミッドソール、強いロッカー構造を備えた高反発シューズが登場し、ランニングシューズは「効率よく速く走らせる道具」へと大きく進化しました。一方で、こうしたシューズは推進力や安定性をシューズ側が担う分、足本来の動きや筋力を使う機会が減りやすいという側面も指摘されるようになっています。

現在、再びベアフットシューズやミニマルシューズが注目されている背景には、「走らされるシューズでは鍛えにくい足を、あらためて育て直す」という目的があります。足裏感覚、足趾の使い方、足首から下の安定性といった要素を意識的に取り戻すためのトレーニングツールとして、ベアフットシューズが再評価されているのです。レースで速く走るためのシューズと、身体の土台を整えるためのシューズを使い分けるという考え方が、いま改めて広がりつつあります。

 

(左)「TRAIL GLOVE 8」(右)「VAPOR GLOVE 7」

 

今回レビューするのは、3年ぶりにリニューアルしたMERRELL(メレル)の「TRAIL GLOVE 8(トレイル グローブ 8)」と「VAPOR GLOVE 7(ベイパー グローブ 7)」です。トレイル対応力を高めた「TRAIL GLOVE 8」と、限界まで薄さを追求した「VAPOR GLOVE 7」は、同じ裸足感覚を掲げながら、その役割は明確に異なります。

 

(左)「TRAIL GLOVE 8」(右)「VAPOR GLOVE 7」

 

メインのアッパー素材は両モデルとも高通気メッシュを採用。また、インサイドがアッパーと結合され、アウトサイドはソールと接合されたブリトーシュータン構造も共通です。

 

「TRAIL GLOVE 8」のブリトーシュータン構造。

 

「TRAIL GLOVE 8」はTPUの補強を配置し、トレイルでの使用を前提にホールド感を高めています。素材自体はしなやかですが、VAPOR GLOVE 7と比べると明らかに剛性感があります。

 

十分に補強されている「TRAIL GLOVE 8」。

 

「VAPOR GLOVE 7」は100%リサイクルメッシュを採用し、非常に柔らかく足に沿う素材感が特徴です。足入れ直後から包み込むような感覚があり、足との距離が極端に近い印象です。補強は少なく、まさに「布にソールを貼った」ようなミニマルな仕上がりです。

 

「VAPOR GLOVE 7」のアッパーはシンプル。

 

ソールのスタックハイトは「TRAIL GLOVE 8」が14mm、「VAPOR GLOVE 7」が6mm。ドロップはどちらも0mmです。

 

ミッドソールがあっても十分な柔軟性がある「TRAIL GLOVE 8」。

 

「TRAIL GLOVE 8」のミッドソールには、トレイルランニング用に開発された軽量・高反発で復元も速いフロートプロ™︎を採用しています。さらにフレックスグルーブを刻み柔軟性を高めたフレックスコネクト™︎も採用されており、前作よりもしなやかなソールに仕上がっています。

 

「VAPOR GLOVE 7」はアウトソールがフットベッドと直結しているため、裸足に近い足裏感覚が得られる。

 

「VAPOR GLOVE 7」はミッドソールがなく、地面の凹凸がそのまま足裏に伝わります。接地の正確性が問われる設計で、フォームの誤差がそのままフィードバックされます。

アウトソールは両モデルともMERRELL専用に開発されたVibram TC5+を採用しています。薄くても十分な耐久性を確保でき、路面の情報を遮断しすぎず、過度に硬くならずに屈曲性を保てるため、ベアフットシューズとの相性は良好です。ラグの高さはどちらも2.5mmですが、パターンは異なります。

 

(左)「TRAIL GLOVE 8」(右)「VAPOR GLOVE 7」。トレイルへの適性が向上したアウトソールのラグパターン。

 

「TRAIL GLOVE 8」はよりトレイル寄りのラグ設計で、岩場やガレ場、傾斜地でのグリップ安定性が高く、下りでも安心感があります。ベアフットでありながら、アウトソールは走れるトレイル仕様です。

「VAPOR GLOVE 7」は舗装路から軽いトレイルまでをカバーする仕様です。接地面積が広く、地面追従性に優れますが、マッドや荒れた路面では限界があります。

実際に履き比べてみると、見た目以上に差があることがわかりました。

 

 

「TRAIL GLOVE 8」はホールド感を高めながらも、トレイルでの横ブレを抑える設計です。足指は自然に広がりつつ、中足部の安定感は強めです。ベアフット思想と安定性のバランスが取れています。裸足感覚を保ちながらも実戦的で、林道やテクニカルなシングルトラックでも安心感があります。下りでのコントロール性も高く、ベアフットの哲学を維持しながらトレイルを走破することを優先したモデルと言えるでしょう。

 

 

 

「VAPOR GLOVE 7」は足と一体化するような密着感が特徴です。足の骨格がそのままソールを動かす感覚で、余白はほとんどありません。足裏感覚を最大限活かした仕上がりです。裸足で走る感覚に近く、舗装路では接地の衝撃がダイレクトに返り、トレイルでは石の形状がはっきり伝わります。フォーム矯正や足部筋群の強化には最適ですが、長距離トレイルでは疲労が蓄積しやすい側面もあります。ベアフットシューズに慣れている方はもちろん、ウォーキングからベアフットを取り入れてみたい方にも適していそうです。

 

 

 

Trail Glove 8
(トレイル グローブ 8)
・価格:¥17,600(税込)
・サイズ / カラー:
[MEN] 25.0 – 30.0cm / BLACK, RATTAN, OOLONG, COMET
[WOMEN] 22.5 – 25.5cm / BLACK, WHITE, CASPER
・スタックハイト:ヒール 14mm – フォアフット 14mm /ドロップ0mm

 

 

 

 

Vapor Glove 7
(ベイパー グローブ 7)
・価格:15,400円(税込)
・サイズ・カラー:
[MEN] 25.0 – 30.0cm ・ BLACK, WHITE SAGE, BLACK/COMET
[WOMEN] 22.5 – 25.5cm ・ BLACK, WHITE, STUCCO/CASPER
・スタックハイト:ヒール 6mm – フォアフット 6mm /ドロップ0mm

 

 

■MERRELL:https://merrell.jp/

 

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