TrailRunner

suunto トレイルランニング

【Review】SALOMON 「S/LAB SENSE 8」「S/LAB SENSE 8 SG」

速く走るために最新技術で最適化した
リアルレーシングマシン ブラザーズ


SALOMON(サロモン)のレーシングモデルの頂点とも言える、「S/LAB SENSE(エスラボ センス)」のバージョン8が登場しました。従来通りハードグラウンド用の「S/LAB SENSE 8」とソフトグラウンド用の「S/LAB SENSE 8 SG(ソフトグラウンド)」の展開となります。

「S/LAB SENSE 8」と「S/LAB SENSE 8 SG」の相違点は、アッパーの履き口の高さとアウトソールのラグです。まずはそれ以外の共通点からチェックしていきましょう。

(左)通気性と疎水性が高いシングルレイヤーメッシュアッパー。
(右)ボトム付近、サイド、ヒールは内側から補強。

 

アッパーは目が荒く、通気性抜群のシングルレイヤーメッシュ。トウ、サイド、ヒールの補強は内側に施してあります。トウの補強は、ぬかるみや渡渉などでシューズ内に入った水を排出するために部分的に肉抜きをしてある細かな配慮も見受けられます。

(左)アッパーと一体化し伸縮性が高いタン。
(右)タンのセンター部分にのみパッドが入っている。

 

注目すべきはアッパーとタンが一体化していること。アッパーは伸縮性がほとんどありませんが、タンはしなやかなニットで、さらに足首周りまで一体化し、ソックスのようにフィットし、細かい異物の侵入を防ぐ構造となっています。

パッドはタンのセンター部分とくるぶしより下の部分のみ。最小限の範囲にとどめられています。ヒールカウンター(踵部に内蔵された補強プレート)はありません。インソールもないので、アーチサポートやヒールカップもなく足の下はフラットです。これにより軽量化できるのはもちろん、足の動きを制限することがなく、裸足のように自由に足を動かすことができます。また、足裏感覚も高まるので、路面状況を的確に把握することができます。

(左)レースポケット。足首の動きに干渉する場合は使用しないという選択肢もある。
(右)くるぶし下の最小限のパッド。

ミッドソールはクッション性と安定性、モーションコントロールに優れたデュアルデンシティミッドソール。高いクッション性と高反発性を両立したエナジーセル プラスも採用されています。新バージョンではフォアフット部分のクッション性が向上しました。トレイルの突き上げから足を守プロフィールフィルムもインサートされています。アウトソールのコンパウンドは乾いた路面からぬかるみまでバランスよくグリップするコンタグリップMAを採用しています。

(左)インソールはないのでアーチもヒールカップもない。
(右)ヒールカウンターがないので簡単につぶせるほど柔らかい。

それでは、それぞれのシューズを見ていきましょう。まずは「S/LAB SENSE 8」から。

足入れした感じは見た目通りタイトですが、想像以上に様々な足のボリュームを許容してくれます。通常のシューズはアッパーがタンをオーバラップする幅を変えることで足のボリュームに合わせることができますが、「S/LAB SENSE 8」はタンのニットがよく伸びるのでソックスのようにフィットしてくれます。

また、薄いタンにクイックレースが食い込みすぎないように、タンのセンター部にある細長いパッドがうまく圧を逃がしてくれるので程よいフィット感となります。

インソールがないのでヒールカップはありませんが、シューズ自体がヒールカップの役割を果たしているようにタイトにピタリと収まるので、特に違和感はありません。

走ってみて感じるのは、やはり軽快さです。200gを切る重量、タイトにフィットしたアッパーと薄いソールは、他のシューズとは明らかに違うリアルレーシングシューズと言えます。さらに、自分の足とほとんど変わらない幅のアウトソールは、シビアで細かい足さばきにきちんと応答してくれます。まるで自分の足にクッションがついたようなフィーリングです。アウトソールは乾いたトレイルではしっかりとグリップしてくれ、舗装路もロードシューズのように走ることができます。

しかし、このシューズで長距離となると、やはりそれなりの走力が必要となります。ショートからミドルディスタンスでの足にゆとりがある距離で使用すれば、気持ちよく走ることができ、強力な武器になることでしょう。

左「S/LAB SENSE 8」、ラグは4mm。右「S/LAB SENSE 8 SG」、ラグは6mm。

さて、もう一足の「S/LAB SENSE 8 SG」はぬかるんで滑りやすい路面用ということで、アウトソールのラグが2mm程高く、ラグの間隔も広くなっている点と、アッパーが上部まで伸びてゲイター一体型になっている点が違いです。

フィット感については「S/LAB SENSE 8」と同様ですが、アッパーがくるぶしの上までカバーしてくれるので、むしろ足との一体感は高く感じました。

また、ラグが高い分、幾分クッションも良く感じられますが、アスファルトなどの固い路面での安定感は「S/LAB SENSE 8」の方が上です。

本領を発揮するのはもちろんマッディなコンディションです。ラグが高いのはもちろんですが、ソールの幅が狭いのでその分体重が集中してソールにかかり、アウトソール全体がより深く路面に食い込みます。

ゲイター一体型というよりはソックスに近いフィーリングの「S/LAB SENSE 8 SG」

また、「S/LAB SENSE 8」も同様ですが、アッパーの疎水性と排水性が高いのも大きなアドバンテージです。水を含みにくいので濡れた時の重量増を最小限に抑えることができます。くるぶし上まで伸びたゲイター部分は、後付けのゲイターと違い、ソックスのようなフィット感で、泥の侵入も完璧に防いでくれます。「S/LAB SENSE 8 SG」は、泥んこトレイルでこそ、その真価を発揮するでしょう。

レーシングシューズということで、快適な装備は省いて、少しでも軽く鋭い感覚で走るために設計されているので、なかなかハードルが高い2足のですが、「S/LAB SENSE 8」はショートからミドルディスタンス用として、「S/LAB SENSE 8 SG」はマッディコンディション全般用としてチャレンジしがいのあるシューズだと思います。

S/LAB SENSE 8
エスラボ センス 8
・価格:¥20,000+税
・サイズ:23.0-28.5cm
・カラー:1色
・重量:195g
・ドロップ:4mm

S/LAB SENSE 8 SG
エスラボ センス 8 ソフトグラウンド
・価格:¥20,000+税
・サイズ:23.0-28.5cm
・カラー:1色
・重量:215g
・ドロップ:4mm

■SALOMON http://www.salomon.com/jp/
■SALOMON日本公式情報サイト http://timetoplay.salomon.jp/

>>>トレイルランニング グッズ体感レポート」 一覧を見る

  • モントレイル トレイルランニング
  • RL トレイルランニング
  • brooks トレイルランニング
  • hoka トレイルランニング
  • merrell トレイルランニング
  • ESS トレイルランニング
  • ultimate direction トレイルランニング
  • okumusashiトレイルランニング
  • NOZAWA4100Dトレイルランニング
  • rigトレイルランニング
  • hakubaclassicトレイルランニング