足に張り付く皮膚のようなアッパーが
厚底シューズの走りの完成度を高める
マシュマロのようにふかふかのミッドソールが特徴のHOKA ONE ONE。ロードランニングシューズのコレクションで、最も人気がある定番シューズが「CLIFTON(クリフトン)」です。その最新モデル「CLIFTON 5」をレポートします。
HOKA ONE ONEでトレイルモデルの定番スタンダードモデルといえば「CHALLENGER ATR 4」ですが、「CLIFTON 5」はまさにそのロード版といえます。
今回のアップデートで大きく変更されたのはアッパーです。見た目のボリューム感は前モデルと同様で、一見するとデザインが変わっただけのように感じるかもしれませんが、足入れしてみると大きく進化していることが判ります。
メッシュ素材が薄くなり、ソフトに足を包み込むようにフィットし、足にかかる圧力がより均一になりました。アッパーが足の形状に膜のようにフィットするので、とても自然な履き心地となっています。通気性もかなり向上しているので、足の蒸れが気になる方にも朗報です。タンは前モデルでは少し短く感じましたが、今回のアップデートでは見直され、少し長く、さらに先端の形状がスクエアになったため、安心感が増しました。
また、「CLIFTON 5」ではワイドモデルも展開(メンズ、レディスともにブラック/ホワイトのカラーにのみ)しているので、足幅の問題で諦めていた方もぜひチャレンジしていただきたいと思います。
ソールシステムは基本的に変更なしです。ソールの厚さが目立つシューズですが、実はその厚底を生かすためのワイドボディも大きな特徴です。そして、そのワイドボディ上で足を取り巻くようにミッドソールが反り上がった構造がアクティブフットフレームです。これで足は安定感を得られるわけです。
さらに、ソール全体が船底のように曲線を描くメタロッカージオメトリーのおかげで、自然な体重移動を生かしてシューズがローリングし、省エネルギーで走ることができます。
アウトソールは接地時に摩擦が大きくなる部分を中心に、最小限に配置し、他の部分はミッドソールがむき出しになる手法で、軽量化とソフトな着地フィーリングを実現しています。
さて、走ってみると、人気モデルだけあって、やはりさすがの完成度です。初めて履く方は足裏と路面の距離が離れているので戸惑うかもしれませんが、慣れてくるとマックスクッションが心地よく感じられるようになるはず。
しかし、クッションがいいからといって足を路面に雑に叩きつけるのではなく、ソフトに乗り込んで体重移動をして、シューズを転がすように走るのがポイントです。蹴り込む意識はあまりしないほうがシューズの特性を生かせるでしょう。
新しいアッパーとソールの相性はかなり良好です。ふわっとしたクッションの上に足を優しく包み込んでくれるアッパーが乗ることによって、ソフトな足さばきができるようになります。つまり、アッパーの締め付けが欲しくなるほどの足の力みやひねりを出さないように素直にシューズに乗り込んでいくことが「CLIFTON 5」の機能を生かした走り方なのではないかと思います。
もはや完全に市民権を得た厚底シューズ。「CLIFTON 5」の安定したクセのない性能は、厚底シューズの代表格と評するにふさわしいモデルです。
CLIFTON 5
クリフトン 5
■価格/¥17,000+税
■展開
Men’s:(25.0cm–30.0cm・4色・266g/27cm) ソールスペック:オフセット5mm/ヒール29mm/フォアフット24mm
Women’s:(22.0cm–26.0cm・3色・216g/24cm) ソールスペック:オフセット5mm/ヒール27mm/フォアフット22mm
■テクノロジー/Midsole Volume、Meta Rocker Geometry、Active Footframe
■カラー/men’s:4色 Women’s:3色
■HOKA ONE ONE https://www.hoka.com/jp/