快適性を保ちながら280gの超軽量を実現した
快走志向のオールラウンダー
2009年秋冬に登場したニューモデル。「XT HAWK(XTホーク)」は、サロモンファンならば、トップモデル「XT WINGS」の流れを汲むモデルだと思うでしょう。しかし、単なる廉価版と片付けていい代物ではないことがよく判りました。
まずは重量ですが、なんと280g(27cm)。これは、サロモンのトレイルランニングシューズ中最軽量。「XT WINGS」「XA PRO 3D ULTRA」よりも110gも、あの軽快そうな「SPEEDCROSS 2」よりも10g軽いのです。サロモン以外のブランドを見渡しても、最軽量の部類に入ります。これほどのライトボディの実現に大きく寄与しているのがクッションシステムの軽量化です。「ACSライト」と呼ばれるテクノロジーは「XT WINGS」で採用された「ACS」よりも、2層構造のミッドソール上層の硬いフレームをコンパクトに作っています。
フィッティングですが、ヒールカップが細身で、しかもラウンドしているので、しっかりと踵を合わせてからシューレースを締めていくと、きっちりと足をホールドしてくれます。ヒールカウンターもしっかりとしています。シューレースはサロモン得意の「クイックレース」。ストラップを引っ張るだけのワンタッチで締められます。しかし、足全体に均一にテンションをかけようと思うなら、シューレースがクロスしている部分を一番下から順に引っ張って締めこんであげることをお勧めします。それでもたいした時間はかかりませんから少しの手間を惜しまなければ格段にフィット感が向上します。また、「XT WINGS」はシューレースが2本に分かれている仕様だったのですが、「XT HAWK」の場合は通常のシューズと同じように1本のシューレースを折り返す形になっています。「XT WINGS」は親指の付け根辺りにシューレースの始点があるため、少し違和感を覚えていた人でも「XT HAWK」なら問題ありません。
さて、走ってみるとどうでしょう。「XT WINGS」との一番の違いは踵にあると思います。「XT WINGS」は踵の下から地面に向かってハの字に開いて接地しているため、荒れた路面などでの安定感は目を見張るものがありました。しかし、「XT HAWK」の踵はストレートに近くなっているので、不安定な場所でも強力にセンタリングしてくれる感覚は弱まっていますが、その分、足首を傾けて荷重しても、スムーズに前に蹴り出せる軽快感があります。ゆえに、快適なトレイルをリズム良く飛ばすのが一番合っていると思います。ロードでもまったく違和感はありません。目隠しして履いたらロードのモデルと勘違いしそうな程です。「XT WINGS」をエンデュランス系とするならば、「XT HAWK」はもう少しスプリント系に寄ったシューズという印象を受けました。
オールマイティーで軽量なシューズをお探しの方、スピード系のシューズが欲しいけど、あまりソールが薄すぎるシューズは履きこなす自身のない方、ロードの経験はあるけれど、トレイルのシューズをはじめて買う方等にお勧めしたいシューズです。
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XT Hawk(XT ホーク)
■価格¥13,545
■カラー/ブライトレッド/ブラック/ケイン、ブラック/オートバーン/クレメンタイン
■サイズ/25.0 – 29.0cm
■重量/280g (SIZE 27.0cm)
■ライニング/テキスタイル
■ソール/2層構造EVA、Agile Chassis System Lite、OrthoLite、プロネーション・コントロール、Running Contagrip
■アッパー/アシンメトリカル・レーシング、速乾メッシュ、ガセット・タン、レースポケット、マッドガード、プロテクティブ・ラバー・トゥーキャップ、クイックレース、Sensifit
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