アメリカのトレイルランニング界のカリスマ、ウエスタンステーツを7度も制覇しているスコット・ジュレク選手のインタビューが実現しました。石川弘樹選手や鏑木毅選手との親交もあり、日本に対して友好的なスコット選手の素顔の断片をご覧ください。
いつもどんなトレーニングをしているのですか?
「普段は1週間で100から120マイルくらいを走っています。多い週は150マイルくらい走るときもあります。70マイル程度のレースのシミュレーションでは二日続けてきついトレーニングをするようにしています。たとえば、5時間走った次の日に、6から7時間走るという具合です。ロードでのトレーニングもしますが、トレイルでよく行うのはマックスの85%のペース(フルマラソンよりも速いペース)で傾斜のきつい坂を50分の登ったら下るというのを3回繰り返すトレーニングです」
ベジタリアンだということですが、体力的には問題ないのですか?
「そうですね、まったく問題ありません。むしろトレーニング後、レース中、レース後のリカバリーが早いです。現在も体調はとても良いですよ」
行動食はどんなものを食べているのですか?
「日本の石川弘樹選手に教えてもらった、おにぎりがお気に入りですね。寒い日には味噌汁も飲みますよ(笑)」
レース中はどんなことを考えているのですか?
「短い距離を走るのと100マイルを走るのでは精神的に大きな違いがあります。ですから、スモールゴール、つまり、小さな目標を設定しています。たとえば、次のエイドステーションまで頑張ろうとか、あの山のピークまでとか、前にいるあの選手を抜こうとかという具合です」
いままでに印象に残っているレースは?
「ウエスタンステーツ100マイル、ウルトラトレイル デュ モンブランなどですね。ウエスタンステイツでは7回優勝していますから。ウルトラトレイル デュ モンブランは観客も多くてモチベーションが上がりますね。とても大きな達成感も得られました」
1位でゴールしても、最後の選手がゴールするまでゴールエリアで応援し続けているとききましたが、本当ですか?
「はい、本当です。ウェスタンステイツではそうでした。それが私のポリシーです。ゴールで寝袋に包まって応援します(笑)」
日本のトレイルの印象を教えてください。
「ハセツネCUPには出場したことがありますよ。非常にテクニカルなコースで難しかったですね。傾斜がきつくてスイッチバックが多いトレイルでした。ハセツネCUPはできればまた出たいですね」
ブルックスのトレイルランニングシューズ「カスケディア」の開発に携わっているそうですが、一番重点を置いているのはどんなところですか?
「まずは軽量化ですね。そして、デザインはシンプルに。アウトソールやミッドソールなどを毎年見直して、軽くて最高のパフォーマンスを発揮できるシューズを目指しています。環境負荷の少ないエコな素材を使用することにも重点を置いています」
ありがとうございました。
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