トレイルのために生まれたデュアルカーボンプレートが反発と不整地対応力を両立
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ロードランニングシューズを席巻しているカーボンプレートですが、ついに、HOKA（ホカ）のトレイルランニングシューズにもカーボンプレート搭載モデル「TECTON X（テクトン エックス）」が登場しました。軽く、高反発のカーボンプレートとトレイルは果たしてどのようにマッチングするのでしょうか？
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アッパーは薄く、軽量で通気性が良く、適度な張りがあるエンジニアードジャカードメッシュのシングルレイヤー。トウにはしっかりしたバンパーが付いていますが、それ以外に補強は見当たりません。履き口のパッドは薄目でしっかりしたタイプ。ヒールにはカウンターが内蔵されていないため、指で潰せるくらいしなやかです。
薄く、肉抜きされたシュータンはかなり前方から取り付けられていて、リサイクルポリエステルのシューレースで広い範囲を締めることができます。もちろんタンはマチ付きでソールと接続されています。
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ソールスペックはフォアフット27mm、ヒール32mm、ドロップ5mm。同ブランドのベストセラー「SPEEDGOAT 5（スピードゴート 5）」にかなり近い数値です。ソールの接地幅は「TECTON X」の方が全体に5mm程度狭くなっています。
ミッドソールは2層構造で上層は柔らかく、下層はレスポンスが良いフォームを採用。そして、内部には2枚のカーボンプレートをトウからヒールまで長軸方向に平行に配置しています。
アウトソールは下地の部分の厚みを押さえたライトベース仕様のビブラムメガグリップ。ミッドフット部分以外をカバーしています。ラグの高さは4mmです。
「TECTON X」の重量は240g（27cm）。「SPEEDGOAT 5」が291gなので、なんと51gも軽量化されていることになります。
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足入れしてみると、薄く、しっかりしたアッパーと薄いタンのおかげで自分の皮膚のように足に張り付きます。足の自然な動きを妨げない替わりに、ガイド機能はないので、しっかりと走れるランナー向けと言えるでしょう。幅は「SPEEDGOAT 5」より少しだけタイトに感じられました。
立った時のバランスは「SPEEDGOAT 5」とあまり変わりませんが、走り出した瞬間からレスポンスの違いを実感できます。HOKAの厚底ランニングシューズは、マシュマロクッションと評されますが、「TECTON X」を例えるならば、グミに近いです。つまりエネルギーリターンが高く、反応も速いのでテンポ良く走ることができます。カーボンプレートを搭載している割にスイートスポットが広く、ミッドフット付近に荷重すると適度な反発を感じます。特に平地、緩い下り、走れる登りではシューズに助けられる感覚がありました。
トレイルではカーボンが意図しない場面で反発してしまうのでは？ という心配は、デュアルカーボンプレートが解決しました。カーボンプレートを２枚にしたことで、トレイルに多いカーブや凸凹による横揺れに対して適度に力を逃してくれ、過剰な反応を抑えているため、扱いやすいシューズに仕上がっています。
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アウトソールのラグはしっかりしていて変形しにくく、硬い路面でも走りやすく感じました。ソフトな路面ではしっかりと噛んでくれるので、トレイルでの不満はありません。メガグリップなので濡れた岩でも安心して進むことができました。
「SPEEDGOAT 5」をテクニカルトレイルにも対応するロングディスタンス向けとするならば、「TECTON X」は厚底の特徴を持ちながらもレスポンスが良く、もう少し条件の良いサーフェスを中心としたショートからミドルディスタンス向きのスピードシューズと言えそうです。
デュアルカーボンプレートを備えた「TECTON X」は、カーボンの反応をうまく引き出しながら、扱いやすさも加えた「トレイルシューズ＋カーボン」の一つのお手本となりそうな完成度に仕上がっています。
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TECTON X
（テクトン エックス）
・価格：¥29,700（税込）
・展開
Men’s （25.0–29.0, 30.0cm・1色・240g/27cm） ソールスペック： オフセット5mm/ヒール32mm/フォアフット27mm
Women’s（22.0–25.0cm・1色・196g/24cm） ソールスペック：オフセット5mm/ヒール30mm/フォアフット25mm
・カラー：Men’s Persimmon Orange/Radiant Yellow、Women’s Camellia/Blue Coral
■HOKA https://www.hoka.com/jp/
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