ウルトラトレイルに注力したたニューライン
トレイル入門、ナチュラルラン入門にも最適

ナチュラルランニングをコンセプトに掲げるｉｎｏｖ８（イノヴェイと）から、ロングトレイルを強く意識したニューモデル「ＲＡＣＥ ＵＬＴＲＡ ２９０」がリリースされました。フォアフットで推進していく走法のナチュラルランニングは、その習熟度が上がってくれば、ドロップ（つま先と踵の高低差）は０に近くなり、シューズのサポートは減っていきます。しかし、ウルトラトレイルのような超長距離を走る場合、疲労は極限に達し、身体を支えるためにシューズのサポートやクッションが必要になってくるのも事実です。その辺のバランスをどのように取ったのか、見ていくことにしましょう。

ｉｎｏｖ-８のシューズはクッションとドロップの度合いを「ショックゾーンレベル」という４つの段階に分けています。「ＲＡＣＥ ＵＬＴＲＡ ２９０」はショックゾーンレベルⅡでドロップが８ｍｍとなっています。８ｍｍは通常よりも少し低めという程度で、どんなランナーでも違和感なく履くことができるはずです。フィット（ラスト）はスタンダードタイプ。足の形に合わせた自然な形状で、着地時のつま先部分の広がりにも対応した、余裕のある設計です。

アッパーは他のｉｎｏｖ-８シューズと同様にサイド部に軽量フィルムを融着加工した、ＭＥＴ－ＣＲＡＤＬＥというサポートシステムを採用。強すぎず、弱すぎず、適度なホールド感を得ることができます。くるぶしの下あたりにあるスリッドは付属のリムーバブルゲイターのフックをつけるのに使用します。

注目すべきはしっかりしたヒールカウンター（踵部の補強）です。ｉｎｏｖ-８のシューズはナチュラルランニング用に最適化されているため、踵のホールドはあまり重視されていませんでした。ミッドフットからフォアフットで着地するナチュラルランニングでは、踵を強く打ち付けることはないから、それほど補強はいらないというわけです。しかし、「ＲＡＣＥ ＵＬＴＲＡ ２９０」では踵の周りをしっかりと補強することで、どのような走り方にも対応できるようになっています。例えば、レース後半に疲れて踵に強く荷重した走り方になったとしても、ぶれることなく前に推進してくれます。もちろん、これはトレイル初心者にも優しい仕様といえます。

ミッドソールは重厚感があり、しっかりと衝撃を吸収してくれますが、決してふわふわではありません。前述の通りヒールホールドも効いているので踵着地をしても左右のブレは少なく、安心感があります。内蔵されているメタシャンク（ＧＥＮＥＲＡＴＩＯＮⅢ）は足の骨の形状と近い形になっているため、不自然な硬さはなく、程よくフレックスとねじれをコントロールしてくれています。

アウトソールは新しいラグパターンが採用されています。ＴＲＡＩＬＲＯＣシリーズと同様、３種類の硬さのラバーを配置。赤い部分は不整地の傾斜をしっかりと捉えるための柔らかいラバー。黒い部分は耐久性とコンフォート性を考慮。踵部分は高密度ラバーを配合しています。しっかりグリップしてくれて、しかも引っかかり過ぎない、ロングランに合った、疲れにくいラグパターンだと感じました。

「ＲＡＣＥ ＵＬＴＲＡ ２９０」はｉｎｏｖ８が走り方に対しても、距離に対しても、より多くのランナーに門戸を開いたシューズといえます。どんなランナーにも優しいシューズに仕上がっているので、ウルトラトレイルを走る方はもちろん、短い距離で使いたいビギナーにもお勧めしたい一足です。

 

RACE ULTRA 290
レースウルトラ 290
■品番／IVT2512M2/RED、VT2513W2/RAV
■価格／￥16,000（税別）
■カラー
Men’s : RED
Women’s : RAVEN×OCEAN
■アッパー／合成繊維×人工皮革×合成樹脂
■ミッドソール／合成樹脂（INJECTED EVA）
■アウトソール／ゴム底
■インソール／6mm
■ドロップ／8mm
■サイズ
Men’s : 25.5～30.0cm
Women’s : 23.0～25.0cm
※ｉｎｏｖ-８のシューズは２０１５年モデルよりサイズ表示が変更になりました。
お買い求めになる前には、試し履きされることをお勧めいたします。

※2015年掲載価格やスペックは変更になることがあります。

 

 

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