容量アップなのに軽量化
相反する課題を解決したレースベスト
NATHAN(ネイサン)のニューモデル「VaporCloud(ベイパークラウド)」は、2013年にデビューしヒット商品となったレースベスト「VaporWrap(ベイパーラップ)」のバージョンアップ版といえるモデルです。レースベストというネーミングからも判るとおり、ウェストのベルトがなく、肋骨の上からストラップをとめることで安定感が抜群なうえ、ストレッチメッシュを多用し、フィット感と荷物の安定感を高めることで高次元の着用感を提供します。
一見すると違いがよく判らないかもしれませんが「VaporWrap」の容量8.19L、重量625g(ハイドレーションパック含む)に対して、「VaporCloud」は容を量11L、ハイドレーションパック含む重量は550gと、容量が2L近く増えながらも、100g以上の軽量化を果たしました。その大きな要因は、ハイドレーションパックをコンプレッションするブラッダーコントロールシステムの仕様変更です。「VaporWrap」はパワーメッシュをでハイドレーションパックを覆い、上下左右の4方向から引き付ける方法でした。しかし、「VaporCloud」では、内部に軽量のリボンを張り巡らせて、下部の左右2箇所から引いて圧縮します。この結果、圧縮効果は維持したまま軽量化を図ることができました。人によってはコンプレッションが弱く感じるかもしれませんが、そんな時は、内部のリボンをつまんで結んでしまえば、簡単に長さを調節することができます。
さらに、新たな機能としてロードリフティングシステムが追加されました。これは、ベストの下部からショルダーまでつながったリボンを引いてコンプレッションするシステムです。この二つの機能を活用する事で、ハイドレーションパックの揺れを防ぎ、また、楽に水を吸えるようになります。軽量化のもう一つのポイントはハイドレーションパックを入れるポケットを廃止したことです。その代わり、背面には結露を防ぎ、身体の熱を反射する素材を採用しました。
メインコンパートメントへのアクセスも変更されています。「VaporWrap」はサイドジッパーからアクセスしていましたが、「VaporCloud」はサイドジッパーがポケットになり、幅広になった上部のジッパーがメインコンパートメントへのアクセスとなります。これにより、上部までしっかりと詰め込めるばかりではなく、ポケットの容量も倍近くに増大しました。形はほぼ変わらないのに容量アップをした理由は細かいパターンの改良によるものです。ストレッチメッシュの特性もうまく考えられているため、荷物もしっかりと安定する設計になっています。
その他のベーシックな機能は「VaporWrap」同様の部分が多いので、過去の体感レポートを参考にしてください。
軽量化と大容量化で、さらに完成度を高めたNATHANのレースベスト「VaporCloud」。リピーターにも新たに試してみるランナーにもお勧めできる逸品です。
NATHAN
VaporCloud
ベイパークラウド
■価格/¥22,000(税別)
■重量/550g (2Lのリザーバーを含む)
■容量/11L
■サイズ/S/M、L/XL
■2Lのリザーバーが付属
VaporShadow
ベイパーシャドー
容量を変えず似に女性用に最適化したサイズ、胸の圧迫を軽減するためのストラップ位置などを調整。フロント左にはジップポケットも。
■価格/¥22,000(税別)
■重量/533g (2Lのリザーバーを含む)
■容量/11L
■サイズ/S/M、L/XL
■2Lのリザーバーが付属
■NATHAN http://www.nathansports.jp