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salomon トレイルランニング

【Report】信越五岳トレイルランニングレース2017(ペーサー編)

100mileのペーサーとして参加して来ました(´・Д・)」選手はジィことMクタさん。ジィのペーサーは昨年の信越五岳(110km)と、今年の彩の国トレニックワールド(100km)に続いて今回で3回目。「今までの実績を考慮して抜擢」とか何とか言っていたけれど、実は他に声を掛けた人々にあっさり断られたからだという事を私は知っている。

それはそれとして、良い機会だし、黒姫のトレイルは好きなので、前向きに捉えてペーサー登録させていただきました。ただでさえ私より断然速いジィ。100mileというトレイルでは自己最長距離に臨むにあたり、地道に練習を積んでいた。私もレベルアップしなければっ! この夏、週末は山へ行き、平日の夜もいつもより頻度を上げて走ってきた。
良い感じに仕上がってきたぞ〜、というところで「台風直撃よもや縦断か⁈」のニュース。
大会運営側の決断は『コース短縮での大会開催』。100mile、100kmともに黒姫エイドステーションがゴール。100mile⇒102km、110km⇒52km に短縮。ペーサーはというと、100mileはアパリゾート上越妙高(56km地点)での合流。もともと、黒姫から合流し、ゴールまで残り58kmを一緒に走る予定が58km⇒46kmへ。選手たちは走る距離が大幅に短縮される中、100mileのペーサーの距離の誤差マイナス12kmで一番少ない。ラッキー⁈
ふと気づく。合流ポイントが手前になったということは….ジィが56kmしか走っていない状態で合流=ジィが疲れていない=速く走る=置いて行かれる!? スタミナ付けてきたつもりだけど、スピードは想定外。100km走ってくれば、いくらなんでも疲れているだろうけれど、50kmそこそこだと怪しい。今回、スピードレースになりそうな予感がする(u_u)

[9月16日(土)]
100mileのスタートは19:30。選手もペーサーも前夜祭には参加は出来ない(T_T) 。仮眠場所の斑尾高原ホテルへ行き、準備や仮眠をして過ごす。着々と準備を進める選手たちが行き交う。にわかに漂う緊張感。ギスギスとんがっているわけでもなく、セカセカ焦った感じでもない。ロングトレイルレースならではの(?) スタート前の独特な雰囲気。
19:30pm いよいよだ。100mile選手のスタートを見送る。いってらっしゃい!
22:30pm ペーサー待機場所へ移動するシャトルバスに乗り込む。
24:00pm コンビニ経由で、待機場所のアパリゾート上越妙高着。

[9月17日(日)]
さて、ジィのタイムスケジュールによると到着は5:30。Trail Searchによると、どうやら30分巻いているようだ。早くても4:00am着かな。仮眠しておかないと。今回は同じく100mileを走るOさんと並走すると言っていた。一緒に来るかなぁ。Oさんのペーサーと待ちわびる。ソワソワして眠れやしない。

1:30am それでも目をつむって床に転がっていると電話がブルブル。ジィからだ。
「もしもし? 今、赤倉に着きました。30分早いかな。O君とは一緒に走って来たけれど、今はぐれた」
「了解、じゃあと3時間半くらいかね。待ってます」

4:55am 来た! リクエストのアンパンを持ってジィの元へ。おつかれさま。ほら、アンパン。「ちょ..ちょっと待って」座り込んでゴニャゴニャ言ってウネウネしている。
「どうしたの? 何が欲しいの?
「麦茶!」
う〜ん…エイドにはない。自販機も見当たらない。
「ごめん、麦茶はないよ」
「眠い。やっぱりジジィは夜はダメだ」
眠たかったのか。
「ちょっと寝たら?」
室内にジィを誘導する。
「O君がくるまで待ちながら寝る」
そう言って横になった。
30分ほど経った頃、ムクッと起き上がり、身支度を整えて、急にエイドのソーメンをガツガツ食べ始めた。Oさんは現れない。何処かで仮眠でもしているのだろうか?

5:40am 夜は明けた。ヘッデンを置き、ペーサーを携えて再スタート! ボランティアで誘導係をしていたラン仲間に挨拶しながら走り始めた。先を行くジィが、
「これくらいで大丈夫だろ、ペース?」
「うん、まぁ」
そう答えながらも、内心は…やや速いような…最後まで保つかな…引き離されるかな……(´ー`)
下り基調。走りやすい道。ロードも多い。いや、べらぼー速い。しかし、ついて行くしかないっ。エッサホイサ。「がんばれ、私〜(´・Д・)」
着ていたウインドシェルとレインはスタートして早々に脱いだ。心配していた雨はまだ降っていないし、寒くもない。むしろ長袖を着てきたことを悔やむ。

8:20am 15km走り、国立妙高青年自然の家に到着(エイド:71km地点)。温かいトマトスープだ♪ 美味しい。子供たちとハイタッチをしてエイドを出る。

熊鈴は必携品ではなかった。けれど、アパリゾートで大会スタッフが「熊鈴を持っている方は必ず使用してください」とアナウンス。出るのかっΣ(゚д゚lll)⁈  熊よけに音を立てながら先に進む。雨はまだ降っていないけれど、風が強めに吹き、木々がざわめく。走っていると暑く、風は心地良い。台風の事など忘れて、むしろトレイル日和、と思えるほど。

登りでは疲れが見え始めたものの、下り..しかもロードに入ると俄然ペースアップするジィ。下り切った先、79km地点にボランティアのK君がいるはず…… いた! おーい、来たよ〜♪ 挨拶をして10km先だという次のエイドを目指す。
「ダメだ、やっぱり眠い(@_@)」
登りで蛇行しながらジィが呟く。
「少し寝たら? エイドもまだ先みたいだし、この辺草でフカフカだよ」
「5分だけ寝るか」
ウロウロと寝床を探して転がった。そしてジャスト5分後、ガバっと跳ね起きた。
「どれくらい寝た? 20分位⁈」
「いやいや、5分ぴったりだよ!」
ほどなくして、横殴りの雨が降って来た。いよいよ台風到来かっ!?  覚悟はしていた。どんと来い。でも出来れば来ないで……。 頭はビシャビシャでも、喉はカラカラ。湧水を補充する。『赤倉清水~復活の泉~』ですって! これでジィも復活か…美味しい水が手に入って良かった♪ 横殴りの雨も一瞬で、すぐに雨足は弱まり、そして次第に止んだ。

12:00pm 赤倉に到着(エイド:89km地点)。先のトイレに行って何か食べようとテントに行くと、ジィがなにかを食べている。ラーメン! 麺を箸で摘み上げた状態で、自分の持っているどんぶりを差し出してきた。
「もうコレしかないって」
え~!? ジィの食べかす…いや、背に腹は代えられない。ありがたく、頂こう。温かい。塩味も身に染みる。ジィの食べかすラーメンを堪能していると、スタッフの方が「ココからゴールまであと13km。トップ選手で2H掛かっています」それを聞いて動揺するジィ。
「間に合わないかもしれないけれど、ゴール目指します!」
と言ってエイドを出ようとしている。え? だってあと3.5Hあるよ。間に合うんじゃない? ラーメン食べて、まだ水飲んでないよ……。致し方ない、走りながら、さっさきの湧水を大切に飲むか。

全般的にロードやゲレンデが多いこのコース。この後、そのゲレンデを登ったところで横断させられ、下り始めたと思ったらまた登り返すというゲレンデぐるぐるゾーンに突入。精神的に滅入る。レース後、選手たちが口々に

「100mileのコースはエグイ」
と言っていた所以。珍しくジィのペースも落ちる。なので珍しくジィの先を歩いてみる。
「さすがに、あと3Hあるからゴールまで残り10kmいけるよね?」
「いや、下りだけならいいけれど、登りもあるから分からない」
何処が痛いでも、調子が悪いでもないはずなのに、弱気なジィ。ゲレンデぐるぐるにやられているのかな。

途中、私設エイドである『宴会隊』で美味しい梨をむさぼり食う。美味しいったらない。もはや止まらない。エイドはゴールまで2箇所しかないと思っていたので嬉しかった。
「梨食ってて制限時間に間に合わなくなるかも」
まだ言うかね。油断は出来ないけれど、大丈夫でしょうよ。
黒姫に入り、このコース上で最後の登り坂を登り切ったところでジィが振り返る。
「これで登りはおしまいだよね」
そうだね。ココから下るのみ…始まるか? シフトチェンジしたように感じた。100km走ってきたジィの脚はまだ残っている。案の定、べらぼー速い。先にいる選手たちを抜いて行く。最後の2km走りに走って…… ゴール!

おつかれさま。そして、おめでとうございます。 “マイラー”の称号はお預けになってしまったけれど、きっとジィなら100mileでも走り切ってたね。走れちゃうトレイル、私は46kmだったけれど堪能しました(ゲレンデ除く)☆

Report/Miho KANAYA

 

 

 

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