ソール厚、プレート、ラグ形状の組み合わせで、あらゆるニーズに対応する「VECTIV™ 2.0」のラインナップ
トレイルランニングシューズに初めてカーボンプレートを搭載したことで知られるTHE NORTH FACE（ザ・ノース・フェイス）のVECTIV™（ベクティブ）。2023年はメジャーアップデートをしてラインナップを一新。4モデルの新商品をリリースしました。そこで、どのようなアップデートをしたのか？ どんなランナーにどのシューズが合うのか？ ゴールドウインの木村さんに直撃しました。
ーーまずVECTIV™の特徴について教えてください。
木村 トップモデルのコンセプトはランニングシューズに集まる力をすべて推進力に変えながらも、なるべく足に負担をかけずに、100kmや100マイルなどのロングディスタンス、ウルトラディスタンスを走り切れるシューズです。
VECTIV™シリーズに共通する大きな特徴は三つあります。
一つ目はプレート。トレイルランニングシューズとしては初めてカーボンプレートを搭載したシューズですが、カーボンプレートが平面ではなく3D形状なのがポイントです。二つ目はミッドソール。ソールがラウンドしたロッカー形状を採用しているため、荷重を前にかけると足裏がローリングして自然と次の一歩が出るようになっています。三つ目がTHE NORTH FACEが独自に開発したサーフェスコントロールというラバーアウトソールです。ドライからウェットな路面までしっかりとグリップしてくれます。また、バイオベースの素材なので環境負荷も軽減しています。
ーーそのVECTIV™が2023年は2.0に進化したわけですね？
木村 はい、まずはプレートのつま先の部分にスリットを入れることで横方向への柔軟性が増して、着地時に路面をしっかりと捉えられるようになりました。また、かかとにもスリットが入っていて、足とシューズの一体感が上がり安定感が出るようになりました。さらに「SUMMIT VECTIV™ PRO」に関してはプレートがソールの外側にまで張り出したウイング形状になっていて、より安定感高める構造になっています。
ミッドソールは二層から一層になり、衝撃吸収性が非常に良くなっています。柔らかさがあって、モチモチしていると感じてもらえると思います。さらに、中央部分にアウトソールを貼らずに、ミッドソールも凹ますことで、軽量化を図っています。また、4モデル中3モデルはラスト（木型）を変更して、つま先側の部分の幅を広げているので、従来よりもゆったりと履いていただけます。
2023年春夏モデルのラインナップは厚底タイプとノーマルタイプの二つに分けることができます。厚底タイプで、より長い距離を疲れずに走りきるための「SUMMIT VECTIV™ PRO（サミット ベクティブ プロ）」と「VECTIV™ ENDURIS Ⅲ（ベクティブ エンデュリス III）」。そして、路面感覚をつかみやすく、ハイグリップでスピードを求めた「SUMMIT VECTIV™ SKY（サミット ベクティブ スカイ）」と「VECTIV™ INFINITE Ⅱ（ベクティブ インフィニティ II）」となっています。モデル名にSUMMITがつくシューズがカーボンプレイートを使用、それ以外がTPUプレートを使用しています。
ーーそれでは、各モデルの特徴を教えてください。
木村 「SUMMIT VECTIV™ PRO」は従来のVECTIVシリーズにはなかったコンセプトのシューズです。柔らかいフィーリングなのに高反発で、足が前にどんどん出てくれます。プレートのつま先の部分をウイング形状にして、サイドに大きくせり出しているのが特徴で、ミッドソールが柔らかくても安定感が高まりました。例えば100マイルレースなら9km/hourくらいで走るトップランナーから6km/hourくらいのエリートランナーに履いていてだきたいシューズです。もう少し短い距離なら一般的なトレイルランナーの方でも十分に使用できると思います。
ーー一般ランナーの方でも30kmとか50kmくらいの距離を速く走りたいなら「SUMMIT VECTIV™ PRO」を履きこなせそうですか？
木村 そうですね。短めのディスタンスで記録を狙っていきたい場合は良い選択だと思います。
ーーもう一つの厚底モデル「VECTIV™ ENDURIS Ⅲ」は、優しいシューズということですね？
木村 はい。ウルトラディスタンスに初めてトライするという方や、完走が目標という方には「SUMMIT VECTIV™ PRO」ではカーボンの反発が強すぎるので、もう少しマイルドなTPUプレートを採用して、衝撃吸収もしっかりしている「VECTIV™ ENDURIS Ⅲ」がおすすめです。前作よりクッション性も良くなっており、走りをしっかりアシストしてくれます。足あたりも良くて、舗装路も苦にならないのでオールマイティーなシューズです。トレーニング用としても履きやすいと思います。
また、ロングレースの後半での身体へのダメージや、天候の悪化を想定して、２足シューズを準備することはTHE NORTH FACEアスリートの鏑木選手もおすすめしています。例えば、レース前半に「SUMMIT VECTIV™ PRO」、後半に「VECTIV™ ENDURIS Ⅲ」というオプションも有効だと思います。
ーーありがとうございました。それでは、厚底ではないノーマルタイプの2モデルについても教えてください。
木村 「SUMMIT VECTIV™ SKY」はカーボンプレートを採用し、ショートディスタンスでガンガン飛ばしていくアスリート向けのシューズです。昨シーズンまでのフラッグシップモデル「Flight VECTIV™（フライト ベクティブ）」の後継と言えます。ラストも同じで、少し細めのものを使用しています。ミッドソールは薄めですがフォアフット部分にPebaxを配置しているのでしっかりとした反発を得ることができます。ロングディスタンスで使うなら、かなりトレーニングをしている方でないと履きこなすのは難しいかもしれませんが、トップアスリートなら100マイルレースでも使えると思います。
ーー細身で薄底でカーボンプレート！ 履きこなせないと思うけと履いてみたい（笑）
木村 「VECTIV™ INFINITE Ⅱ」は厚底シューズが苦手な方にお勧めできます。また、ラグが5mmと高くハイグリップなので、ぬかるんだトレイルや、岩場などでしっかりと路面をとらえたいなら一番のお勧めです。つま先周りの擦りやすい部分は厚めのTPUで補強してあり、ハードなコンディションにも対応しています。ミッドソールにはスリットを入れたTPUの3Dプレートを内蔵し、フォアフット部に高反発素材のPebaxを入れることで弾むよ
ーー「VECTIV™ INFINITE Ⅱ」はメインのシューズとは別に雨の日やぬかるんだトレイル用として用意しておくのもいいですね。ありがとうございました。
VECTIV 2.0 MATRIX
VECTIV 2.0 SPEC
VECTIV™ 2.0に進化したTHE NORTH FACEのニューモデルトレイルランニングシューズはデイリーユースから大会用までカバーできる魅力的なラインナップとなっています。気になる方には試し履きイベントも開催しているので、気になる方はお近くの会場へGO！
■VECTIV™2.0店頭試し履きイベント
3月4日(土)〜5日(日) Base Camp (佐賀県)
3月11日(土) ART SPROTS本店 (東京都)
3月15日(水)〜22日(水) RUNARX (埼玉県)
3月26日(日) L-Breath新宿店 (東京都)
4月１日(土)〜2日(日) Trail Open Air Demo(東京都)
4月8日(土)〜9日(日) GROUNDROOf (静岡県)
4月15日(土)〜16日(日) 秀岳荘 北大店 (北海道)
4月20日(木)〜23日(日) Ultra Trail Mt.Fuji THE NORTH FACEブース (山梨県)
4月30日(日) RUN-WALK Style (大阪府)
5月6日(土)〜7日(日) GREENHOUSE青森店 (青森県)
5月13日(土)〜14日(日) 好日山荘 横浜西口店 (神奈川県)
5月20日(土)～21日(日) さかいやスポーツ シューズ館 (東京都)
■VECTIV™2.0 スペシャルコンテンツ
https://www.goldwin.co.jp/tnf/special/vectiv/
