2023年は12月にはタイで開催される「Doi Inthanon Thailand by UTMB」での2位以内に入り、2024年の「ウエスタンステイツ」出場権の獲得を目標に掲げ、国内では5月の「トレニックワールド 100mile & 100km in 彩の国」と9月の「信越五岳トレイルランニングレース」の100mileをいずれもコースレコードで優勝した小原将寿選手。
その足元を支えているのがアメリカのプレミアムシューズブランドSPEEDLAND(スピードランド)です。SPEEDLANDのトレイルシューズはの2つのアルマイト製ダイヤルを搭載したBOA® パフォームフィット™ ラップ構造を備えています。
近年、プレミアムなトレイルランニングシューズに多く採用されている、BOA®フィットシステムについて、小原選手にお話をお伺いしました。
ラップ構造がもたらす極上のフィット感
──小原選手がレースでで履いているSPEEDLANDの「SL:HSV」はどんなシューズですか?
小原 「SL:HSV」はカーボンプレートの反発で走れる感覚です。100km以上走ったレース後半でもカーボンプレートでポンっと進めるような感覚があます。ソールで生まれたパワーをBOA®でラップしたアッパーがロスなく足に伝達してくれて、身体を前に進めてくれます。足を包み込むタイプのアッパーなので特に横方向へのズレを抑えられてシューズ全体の安定感も高いです。
──アグレッシブな見た目に反してラグジュアリーな履き心地だという話を聞きました。少し意外ですね。
小原 そうなんです。一般のシューレースを使用したシューズだとキュッと縛る感じだと思うんですけど、BOA®を使用しているので足全体が包み込まれるようなソフトな履き心地なんです。
──BOA®フィットシステムというとダイヤルに目がいきがちですが、そもそもシューズの構造からして違いますよね。
小原 BOA®のシステムがあるからこそ、ああいうシューズの形になり得るのだと思います。シューレースを使用したシューズでは再現できないのではないかと思います。
──しかも、SPEEDLANDのシューズはBOA®のダイヤルが二つあって、ラップする部分も2段階なんですよね。
小原 それが僕には好都合でした。これはパーソナルな話なんですけど、モートン症という足の神経症のようなものがあって、圧迫すると足が痛くなってしまうのでシューレースをあまりきつく締められないんです。一般的なシューレースのシューズだと微妙な加減がなかなか難しくて、全体を緩く締めるしかなくて、正直ぶかぶかな状態でシューズを履かざるを得なかったんですね。それがSPEEDLANDだとダイヤルが二つあるので、モートン症が出るつま先の部分は少し緩めておいて、足首部分の方をしっかりフィットするような締め方にすると具合がいいんです。僕にとってはすごく助かっています。
──着脱や微調整もしやすいですか?
小原 そうですね。締めるときや緩めるときにはダイヤルを回して調整するのですが、脱ぐときはダイヤルを引っ張ると一気にリリースできるので、本当に簡単に楽ですね。僕はつま先部分のほうから締めることが多いです。使いはじめた頃はちょうど良い締め具合を決めるまでに何度かやりなおしたりしましたが、最近は一度で決まるようになりました。レース後半になって足が腫れてきたときには、少しだけ緩めたりするのもやりやすいです。
──昨年のハセツネダブルで優勝された時は途中でBOA®のダイヤルが外れたとか。
小原 そうなんです。BOA®を採用したシューズを履く機会があったら、覚えておいて欲しいことが一つあります。ダイヤルの接続部は転んだりした時に強い衝撃が加わると外れるようにできているんです。元の位置にセットしてぐっと押し込めば元通りに機能するんですけど、それを知らないと壊れたと思って慌ててしまう。僕も昨年のハセツネダブルの時は知らなかったんです(笑)。
──レース中に気になった点などありましたか?
小原 正直、ギアについて考える場面はなかったです。でも、僕がギアに求めることってある意味そこなんですよね。レース中にギアのことを考えている暇がないし、逆に考えさせないギアというのが僕は1番いいはずだと思うんです。シューズでもバックパックでも、レース中にギアについて考えるとすると、気にかかるところや不満に思うことだと思うんです。そういう意味で、この前の信越五岳でもシューズのことが気にならなかったというのは、ひとつの答えだと思っています。100マイル、20時間近く走ってもシューズのことを考えないでいさせてくれるシューズというのがランナーにとっては1番いいと。
──なるほど、確かにそうですね。
「UTMB Mont-Blanc」は2025年?
──最後に今後の予定や目標について教えてください。
小原 12月にタイのドイ・インタノンでの100マイルで、一応それが今年1番メインにしているレースという位置づけなので、そこであれ2位以内になればウエスタンステイツの出場権をいただけるので、それが目標です。予定通りに行けば2024年は「ウエスタンステイツ」がターゲットレースということになります。
──その先のプランはありますか?
小原 「UTMB Mont-Blanc」は、もう一度勝負したいと思っています。2019年に8位になったんですが、それよりもよい順位、よいタイムで走るっていうのが目標で、思いとしては5位以内。来年はウエスタンステイツの方がメインになるので、UTMBモンブランは2025年ですかね。
──選手としての活動以外で考えていることはありますか?
小原 来年からオンラインコーチングをはじめようと思っていて、UESCAという団体のランニングコーチの資格を取得しました。井原知一さんにもいろいろ教えていただいてます。自分が10年間一応それなりに結果を出せたと自分でも思うので、実際に自分がやってきたことを皆さんにお伝えして、結果が出せるのかということにも興味があります。またコーチとして、世界に挑戦する選手から、
──それは楽しみですね。スタートするときはぜひ教えてください。ありがとうございました。
■BOA® PERFORMFIT™ WRAP
BOA® Technology社の本社内にあるパフォーマンスフィットラボは、科学的テストを実施し、BOA® パフォームフィット™ ラップ構造は、中足部を包み込んでフィットさせ、優れたヒールロック、ミッドソールとの接続強化、前足部の自由度の向上を実現することで、アスリートのスピード、敏捷性、持久力を向上させることが科学的に証明しています。
• スピードと持久力の向上:同じレベルの運動で最大1.5%のスピードアップを達成。
• 安定性の向上:足首のローテーション速度が最大7%減少し、安定性と一貫性が向上。
• 効率的なエネルギー伝達:ミッドソールとの接続が改善され、かかとのホールド性が最大3%向上、エネルギー効率の最適化に貢献。
• 爆発的な方向転換:方向転換の効率が最大9%向上し、急速な加速と減速が可能になることを実証。
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