アップテンポで走れるマッスルシューズに走破性と安定性をプラス
BROOKS（ブルックス）のCATAMOUNT（カタマウント）はロードシューズと同じパワフルなミッドソールコンパウンドを使用し、2021年にデビューした新しいスピードモデルです。今シーズンは初のフルモデルチェンジを実施し、バージョン２に進化しました。
リニューアルされたアッパーのメッシュは前作よりも軽さと通気性、サポート力を増し、疎水性、速乾性、耐摩擦性に優れています。強度と伸縮性のバランスもうまくとれています。オーバーレイによる補強の他、サイド部は内側からも念入りに補強。排水用のスリットも入れてあります。ハーフブーティーのタンは中厚で前作と同様ですが、シューレースを伸縮性が少ないタイプに変更したことで、足をきっちりとホールドしてくれます。
スタックハイトは公表されていませんが、実測値ではフォアフット25mm、ヒール31mm。ドロップは6mmで、前作と同様です。ミッドソールの厚さはフォアフット16mm、ヒール22mmと発表されています。フォームは窒素を注入し臨界発泡させたDNA FLASH。軽量性、クッション性、反発性を兼ね備えています。また、ミッドソールはアッパーのサイドまで盛り上げて安定感を出しています。内蔵のプレートは新採用のSkyVaultプレートでエネルギーリターンを強化するとともに、ロックプレートの役割も果たします。
アウトソールのコンパウンドは自社開発のTrailTackラバー。フルレングスで使用しています。前作に比べより大胆に肉抜きされ、ミッドソールの露出が増え、軽量化を図っています。ヒール部分はスワローテール形状にカットアウト。深さ3.5mmのラグは形状が変更され、フォアフットからミッドフットまではシェブロン形状、ヒールは５角形になりました。
少しスリムなアッパーに足を入れてみると前作のロードシューズのような軽いフィット感とは違い、しっかりとして安定感を感じられるホールドを感じます。これはアッパーの素材が変更された他に、しっかりしたシューレースに変更されたことも影響しているようです。くるぶし下のカラーは若干低目になったので、日本人には良くマッチすると思います。
ゆっくりと動き出してすぐに感じたのは、接地のフィーリングの良さでした。路面をしっかりと感じながらも、スムーズで安定感がある印象です。
少し速度を上げて走り出すと、ヒールの柔らかさが際立ってきます。そして沈んだ状態から踵を持ち上げるときに、ヒールが抜ける感じがなく、ピッタリとついてきます。ヒールカップのフィット感は劇的に向上しているのがわかりました。
新しいSkyVaultプレートが入ったソールの張りは、前作よりもマイルドで扱いやすくなりましたが、エネルギーリターンはしっかりと感じられるので、シューズのエネルギーでリズムをリードする走りが可能です。
最も変化を感じられたのはトレイルでのグリップでした。ラグの形状を変えて、大きさにも変化をつけることで、よりしっかりと路面を掴んでくれます。また、ラグの立ち上がりの角度を変えることで減速を避けるためにうまく力を逃す部分と、スリップしないようにしっかり路面をグリップする部分のメリハリがつきました。BROOKSオリジナルのTrailTackラバーは粘りがあり、ウェットな路面でもしっかりとグリップしてくれるため、苦手なシチュエーションがなくなり、シューズ自体のトレイルでの適性を大幅に引き上げています。
前作と比較して安定感とグリップが向上した「CATAMOUNT 2」ですが、性格としては、少し厚めでサポート力の高いシューズと、軽量なレーシングスタイルのシューズの良いところをうまくミックスした仕上がりになっています。どんなスピードでどんなシチュエーションを走っても期待に応えてくれるスピード系オールラウンダーです。
CATAMOUNT 2
カタマウント 2
・価格：¥ 24,200（税込）
・サイズ：Men’s 25.0-29.0cm、Women’s 22.5-26.0cm
・カラー：Men’s 2色、Women’s 2色
・ソールの厚さ：フォアフット16mm、ヒール22mm
・ドロップ：6mm
・重量：275g（27cm）
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