定評あるクッションとグリップに
やさしく足を包み込むアッパーが融合
「Columbia Montrail(コロンビア モントレイル)」の2017年モデルでは、定番モデルの「Bajada(バハダ)」がバージョン3にアップデートして「Bajada Ⅲ」となりました。前回紹介した「CALDORADO Ⅱ(カルドラド Ⅱ)」同様に、アッパー部分を中心にリニューアルした形となります。
新しいアッパーを一言で表現するなら「しなやかになった」ということでしょう。「CALDORADO Ⅱ」と同様に、シューレースは平紐に、シューターンはより一体感のある接合方法に変わりました。履き口も滑りが良く秀逸な出来栄えです。また、アッパーのメッシュ素材も柔らかくなり、それを取り巻く補強も強いものではなく、全体にふわっと足を包むフィーリングになりました。
最も違いを感じられたのは親指と小指の付け根あたりのフィットです。前モデルではトウキャップからシューレースにかけて左右に補強が伸びていました。これは足のねじれを抑制してくれて、頼り甲斐があったのですが、足が屈曲した時に少々窮屈だったことも否めません。また、人によっては幅が狭いと感じたかもしれません。新しいアッパーはこの部分のストレスがなくなり、荷重して足の横アーチが潰れて広がった時も快適になりました。
しなやかになったということはサポートが減ったということではありますが、年々ナチュラル志向のシューズが増えてくる中での流れとしては自然な方向性だと思います。その分「Trans Alps(トランスアルプス)のようなしっかりしたシューズをラインナップしているので、好みに応じてチョイスしていただければ良いと思います。
さて、「Columbia Montrail」のラインナップの中で、同じオールラウンダーとして「Bajada Ⅲ」と競合するのは「CALDORADO Ⅱ」ではないでしょうか。
「Bajada Ⅲ」のほうがミッドソールが1mm厚く、ドロップ(つま先と踵の高低差)も1mm高く、ラグの高さも1mm高くなります。履き比べてみると「Bajada Ⅲ」のほうがソールのしっかり感とグリップ力で勝っているように思います。しかし、走った時のフラット感は「CALDORADO Ⅱ」の方が高くなります。これは、ソール厚とドロップの違い以外にアウトソールのラグ形状が関わっています。「CALDORADO Ⅱ」はラグが外側に張り出しているのに対して、「Bajada Ⅲ」は内側に削ってあるために、アッパーの幅は同じでも一番広い部分の接地長は「Bajada Ⅲ」の方が1cm近く短くなっています。接地面積を減らすと俊敏性が増すので、テクニカルトレイルを攻めるなら「Bajada Ⅲ」に部があるように思います。 踵が高めでソールが厚目の「Bajada Ⅲ」をクラシックタイプとするならば、「CALDORADO Ⅱ」はナチュラルタイプと言えるかもしれません。
ロードからテクニカルトレイルまで問題なくこなせる「Bajada Ⅲ」。初めてのトレイルランニングシューズとしても、上級者のオールラウンド用シューズとしてもお勧めできます。
Columbia Montrail(コロンビア モントレイル)
Bajada Ⅲ(バハダ Ⅲ)
■価格/¥14,000+税
■サイズ/MEN 25-29、30cm WOMEN 22.5-26cm
■重量/MEN 318g WOMEN 268g
■ドロップ/20mm/10mm
■アウトソールラグ/5mm
■素材/ポリエステルメッシュ、シンセティックレザー [ミッドソール] EVA [アウトソール]合成ゴム
■カラー/MEN 2色 WOMEN 2色
■コロンビア モントレイル http://www.montrail.jp