本気で走れるクロストレーナーは、2大定番ロードモデルの隙間を埋める新たなスタンダード
2022年、HOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)のロードシューズ1番バッターは「KAWANA(カワナ)」というニューモデル。ネーミングはオーストラリア、ゴールドコーストの有名なビーチに由来しているとか。特徴としては、ランニングはもちろん、トレッドミルやジムなど柔らかい床面でのトレーニングとも相性がいいとのこと。果たしてどんなシューズなのでしょうか。
アッパーはリサイクル素材のエンジニアード・ジャカードメッシュを採用した2レイヤー。トウキャップ以外に目立った補強はなくシンプルに仕上げてあります。しっかりしたパッドが入ったタンは伸縮素材でソールと接続されています。履き口周りのパッドは最上部からやや下の内側についています。
ヒール部は上部が尖っており、プルタブの機能も兼ね備えています。また、HOKA ONE ONEにしては珍しく、ヒールカウンターが内蔵されていないので、踵部分は指で簡単に潰せるほどしなやかです。
スタックハイトはフォアフット25mm、ヒール30mm。ドロップは5mmです。この数字は「CLIFTON 8(クリフトン 8)」のフォアフット24mm、ヒール29mm、ドロップ5mm と「BONDI7(ボンダイ 7)」のフォアフット29mm、ヒール33mm、ドロップ4mmの間に位置しています。その一方で、接地幅は同3モデルで比較すると最も狭くなっています。
ミッドソールのフォームは新開発のCMEVA(圧縮成形EVA)。インジェクションEVAよりもしっかりしたクッションを提供します。アイキャッチとなるのは後ろに拡張された非対称のスワローテールです。
アウトソールは他のHOKA ONE ONEのシューズ同様にヒールとフォアフットの必要な部分に貼り付けられていて、ミッドフット部は露出しています。
足入れした印象は、しっかりとしたホールドがありながら、適度に足の自由度があります。アッパーがしなやかなので屈曲してもストレスはありません。
走ってみると、いわゆるマシュマロクッションと呼ばれる独特のソフトなフィーリングよりは少ししっかりしている印象。ミッドソールの沈み込みが少なく、その分より大きなエネルギーリターンを感じました。ロッカー形状は特にヒールがアーリーライズ。よりミッドフットに近い位置から緩やかに立ち上がっているので、前方への体重移動がよりスムーズに感じられました。
そして、クロストレーナーとしての適正は以下の通り。
・クッションがしっかりしているので、柔らかいサーフェスでも安定感がある。
・ヒールカウンターがないので低い姿勢や足を大きく投げ出すような運動がしやすい。
もちろん、これらはランニングでマイナスに作用することはありません。硬いアスファルトを走れば、しっかりしたリバウンドを感じられ、障害物や凸凹が多いシティランでは俊敏な足さばきができるので、むしろ有利な点も多いと言えます。
ようは好みの問題です。「CLIFTON(クリフトン)」や「BONDI(ボンダイ)」などのフカフカのクッションを選ぶか、それとも厚底だけど反発が強めでしっかり感のある「KAWANA」を好むのか。そういう意味ではHOKA ONE ONEのランニングシューズの選択肢が広がったと言えるでしょう。
ソールの厚さだけでは判断できない味付けの部分でも、新たな選択肢となる「KAWANA」。クロストレーナーではあるものの、むしろ本格的なランナーにトライしてほしい1足です。
KAWANA
(カワナ)
・価格:¥18,700
・展開
Men’s(25.0–29.0、30.0cm・283g/27cm)ソールスペック:オフセット5mm/ヒール30mm/フォアフット25mm
Women’s(22.0–25.0cm・237g/24cm)ソールスペック:オフセット5mm/ヒール27mm/フォアフット22mm
・カラー:Men’s:Blanc De Blanc/Butterfly, Black/White Women’s:Blanc De Blanc/Butterfly, Black/White
■HOKA ONE ONE https://www.hoka.com/jp/