テクニカルになるほど真価を発揮する
ハイグリップ、ハイクッション、トレイルシューズ
トレイルランニングシューズの豊富なラインナップを誇るHOKA ONE ONE(ホカ オネオネ)の中で、高いパフォーマンスを誇りながらも、他のモデル影に隠れた感があった「EVO MAFATE(エボ マファテ)」。今回はその後継モデルと言える「MAFATE SPEED 3(マファテ スピード 3)」をご紹介します。
メッシュアッパーは持続可能なリサイクルポリエステル製。オーバーレイの補強には強度、耐摩耗性、耐候性に優れたKPU素材を採用。トウ、ボトム、サイド、ヒールと徹底的に取り囲んであります。逆にしなやかなのはタンからトウへつながる部分。ベンチレーションホール付きのタンは薄目ですがしっかりしていて、通気性も良好。マチも付いていて、走行中のズレを防止してくれます。
ソールスペックは前作と同様でフォアフット29mm、ヒール33mm、ドロップ4mm。ミッドソールはEVAとラバライズドEVAの2層構造。アウトソールはウェットなトレイル でも高いグリップ性能を発揮するVibram®メガグリップで、5mmのアグレッシブなラグを備えています。ソールの横幅も広く、安定感がありますが、同ブランドの「SPEEDGOAT 4」よりは少し狭い設定となっています。
足入れをしてみると、少し幅が狭く、アッパー全体がしっかりしていた前作に比べて、幅がワイドになりトウボックスにもゆとりを感じました。アッパーの素材はしなやかになっていますが、補強が効いているのでしっかりしたホールド感があります。
走り出してまず感じるのは、トウボックスのしなやかさです。トウ上部とタンが一体化した部分がよく伸びるので、足の屈曲や荷重による変形も妨げられることはありませんでした。
ミッドソールにはパワーがあります。もちろんクッション性は十分ですが、「SPEEDGOAT 4」や「CHALLENGER ATR 6」と比べるとリバウンドを強く感じます。
また、HOKA ONE ONEの特徴でもあるメタロッカージオメトリー(船底型のミッドソール形状)は足元が転がるような感覚で自然に前に進んでくれますが、フォアフット部分のロッカーは「SPEEDGOAT 4」よりも少し緩やかに感じました。このリバウンドとロッカーの相互関係からすると、転がるような走りの要素を少し抑えて、弾むような走りの要素を押し出した方が「MAFATE SPEED 3」の特性を生かせると感じました。
5mmのアグレッシブなラグは、一つひとつがしっかりしていて潰れにくく、舗装路や硬めのトレイルでは少し浮いたような感覚がありますが、揺れることはないので走りにくさは感じません。最も強みを発揮するのは、やはりテクニカルトレイルです。岩場、がれ場やざれ場、ぬかるみなど、厳しい条件でしっかりしたグリップを発揮します。
「MAFATE SPEED 3」は、しっかりとした張りのあるクッション性と強力なグリップで、厳しく、長い山岳コースを乗り切るパフォーマンスを持っています。また、幅広になったことで、より多くのランナーが履きやすく感じられるはずです。テクニカルトレイルでのメインシューズを探している方にぜひトライしていただきたいシューズです。
MAFATE SPEED 3
(マファテスピード3)
・価格: ¥22,000+税
・展開: Men’s(25.0–30.0cm・316g/27cm) ソールスペック:オフセット4mm/ヒール33mm/フォアフット29mm
・カラー:Men’s Provincial Blue/Fiesta, Provincial Blue/Carrot
・テクノロジー: Midsole Volume / Meta Rocker Geometry / Active Footframe
■HOKA ONE ONE https://www.hoka.com/jp/