山で “走る楽しさ” を詰め込んだファン･トレイルランニングシューズ

米国オレゴン州ポートランドを拠点とするフットウェアブランド、KEEN（キーン）が、トレイルランニングカテゴリーに投入する注目のモデル「SEEK（シーク）」がデビューしました。これまでハイクシューズやサンダルで培ってきた快適性と耐久性のノウハウを、トレイルランナーのフィードバックと融合させて完成した、まったく新しいモデルです。スピードよりも“走る楽しさ”を優先した設計思想が特徴で、ファンランやファストハイクなど、タイムを競わないアクティビティに適したバランス型のシューズです。

アッパーには、ポリエステルとTPUニット素材を用いたシングルレイヤー構造を採用。柔軟で通気性に優れ、しなやかな履き心地を提供します。耐久性とサポート性を高めるTPUオーバーレイによる補強も施されており、軽さを損なわない絶妙なバランスが実現されています。トゥボックスはKEENらしい広めの設計で、足指が自然に広がることで長時間の着用でも快適性が持続します。ソールと接続されたタンは履き口と一体化しており、ソックスのように足全体を包み込むフィット感を実現。また、タン上部にはシューレースを収納できるレースガレージも備えています。

ミッドソールにはKEENが独自に開発したQuantumFoamXを採用。スタックハイト（トータル）はフォアフット32.5mm、ヒール38.5mm（27cm）と厚めですが、軽量かつ反発性とクッション性を高次元で両立しています。着地時の衝撃をしっかり吸収しながらも、前方への推進力を感じさせるライド感が特徴です。ドロップは6mmに設定され、かかとから前足部へのスムーズな体重移動を促進。トレイルの起伏にも順応しやすい自然な走行感が得られます。

アウトソールにはKEEN独自の高耐久ラバーコンパウンドを使用。フォアフット部には肉抜き加工が施され、軽量化に貢献しています。中央にはフレックスグルーブが刻まれており、しなやかなトーションを実現しています。ラグの高さは4mmで、ソール全体の接地面積は広め。特に摩耗しやすいヒール部分にはラグを密集させ、耐久性を高めています。

足を入れてみると、広めのトゥボックスが生み出す開放感に加え、足の甲からかかとにかけては自然なホールド感があります。ニット素材のアッパーは足の形に優しく沿い、伸縮性にも優れているため、多くのランナーに快適なフィット感を提供するはずです。サイズ感としてはやや大きめに感じました。

ライトなトレイルでの使用では、クッションの柔らかさと反発性のバランスが絶妙で、テンポよく走れました。ヒール部のエッジがラウンドしているため、接地時のスムーズさが際立っていました。舗装路との相性も良く、ロードシューズに引けを取らない自然なフィーリングです。テクニカルトレイルが得意というわけではありませんが、シューレースをしっかり締め込むことでシューズ内での足のブレを防ぐことができます。ラグのグリップは、地面をしっかり捉えつつも圧を逃がすような感覚があり、足への負担は少ない印象です。また、ヒールのラグがサイドまで回り込んでいるため、着地時やバランスを崩した際にかかとでしっかり踏ん張ることができました。

ある程度長い距離を走ってみると、アッパーの完成度の高さを改めて実感できます。ストレッチ性とホールド性のバランスが非常に良く、特に拇指球や小指周辺といったストレスが出やすい部位の快適性には驚きました。個性的な足の形状でフィッティングに悩む方にもぜひ試していただきたいです。

「SEEK」は、スピードやレース向けの尖った性能ではなく、快適に・楽しく・自然体でトレイルを走ることに特化した、KEENらしさが詰まったシューズです。ナチュラルなクッション性を備えたミッドソール、グリップ力と安定性を両立するアウトソールは、トレイルランニングだけでなく、ファストパッキングやアウトドアウォーキングにも幅広く対応。多様なフィールドを軽快に駆けたいランナーにぴったりの一足です。

SEEK（シーク）
・価格：¥26,400（税込）
・重量：MEN’S：306g（片足27cm）、WOMEN’S：244g（片足24cm）
・スタックハイト（トータル）：フォアフット32.5mm / ヒール38.5mm（27.0cm）
・ドロップ：6mm
・アウトソールラグ：4mm
・カラー： 3色（MEN’S･WOMEN’S共通カラー展開）

※販売している製品はミッドソールのプリントが異なります。
（写真）FUNNEST FORM→（販売品）QuantumFoamX

■KEEN：https://www.keenfootwear.jp/

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